言語空間+備忘録

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アメリカの没落と新興国

2009-11-04 | 日記
安達誠司 『恐慌脱出』 ( p.176 )

 最近の日本の評論家の間でなされている議論は、今回の危機は、アメリカの世界覇権崩壊の象徴であるというものだ。彼らは、アメリカ型資本主義は没落に向かっており(投資銀行のビジネスモデルが終わったという論調がその代表格であろう)、今後の世界経済はさまざまな価値観へ多様化していくと主張する。
 このような議論は、アメリカ経済の現状だけを見ると妥当しているように思われる。しかしこの手の「反米主義」的な議論には、この世界的な経済危機の局面で、新興国やユーロ圏が、アメリカに勝るとも劣らない苦境に陥っているという認識が、完全に抜け落ちている。
 とくに、「反米」の経済評論家は、政治的にアメリカと一定の距離を置くヨーロッパ諸国を過大評価する傾向が強いように見受けられる。彼らの議論は、その多くをイマニュエル・ウォーラーステイン、エマニュエル・トッド、アントニオ・ネグリ、ニーアル・ファーガソンといった、いわゆる「帝国論」を主張するヨーロッパ系の哲学者や社会経済学者の論説に依存している側面が強い。
 彼らの議論には、アメリカの経済的な優位性が低下する一方で、新たな世界経済の核の1つとして、BRICsに代表される新興国、もしくはユーロ圏の台頭が著しいという記述もある。一時期ブームになった「これからは中国(インド)の時代である」とか、「イスラム金融が世界の金融システムを席巻する」といった無邪気な新興国賞賛論が、その典型例であろう。
 しかし残念ながら、このようなブームの中でも、すでにBRICsやユーロ圏の限界は見え始めていた。中東の産油国ドバイの建築ブームとその終焉についてはメディア等で伝えられている通りだが、最近はこの流れが加速化している。新興国やユーロ圏の経済悪化のスピードは、アメリカ経済の比ではない。


 アメリカの没落が説かれているが、実際には、BRICsなどの新興国は、アメリカに勝るとも劣らない苦境に陥っている、と書かれています。



 アメリカの次は中国だ、といった論調や、世界は多極化している、といった論調が支配的ですが、本当にそうなのか、見極めなければならないと思います。

 中国といえども、アメリカの代わりになれるほど、経済規模は大きくありません。数十年先はわかりませんが、いましばらくは、アメリカがコケけば、世界もコケる、と考えてよいと思います。

 アメリカの没落が強調されるのは、おそらく、誰もがアメリカを見ているからだと思います ( 「アメリカの影響力」 参照 ) 。しかし、アメリカに注目するあまり、アメリカの没落 → 他地域の興隆、と短絡的に考えると、大局を誤りかねません。



 今後もアメリカが覇権を握り続けるのか、次は中国なのか、はたまた多極化なのか、予測は難しいですが、せめて大ポカだけはしないように、しっかり考えたいと思います。
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