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ロンドンから徒然に

パレードと辞任と

2010-05-17 | スポーツ
 日曜日なのでいつもより遅めの朝食の後、午前中の映画を観ることにしました。リドリー・スコットの新作『ロビン・フッド』。これってカンヌ映画祭のオープニング映画だったらしいですね。

 いや、今日は映画の話を書こうと思ったわけじゃないんです。
 観終わって外に出たら、たくさんの親子連れ。しかもまぶしいブルーを着て。そうチェルシーのユニフォームですね。今日はプレミア・リーグとFAカップの2冠を達成したチェルシーの優勝パレードがあったんです。

 もう何度も書いたことですが、以前はチェルシーのホーム・グラウンドから歓声が聞こえる距離に住んでいたので、試合やイベントがある日はいやでも気付いていたんですが、今回はうっかり見逃してしまいました。

 貸し切りのバスで移動したり、車から旗を振って歩道のファンとエールを交換し合ったり、中にはもう酔っぱらってしまって友人に支えられたりするファンがいて、近辺は賑やかでした。



 折しも聞こえてきたイヤなニュースは、2018年ワールドカップの招致を目指すイングランドのトリーズマン会長の辞任話。なんでも会話が極秘に録音されてしまい、その中でスペインがロシアの協力を得て、来る南アフリカ大会での審判を買収しようとしていると言っていたとか。

 もちろんこんな不適切な発言が許されるはずもないのですが、何やらかつて個人秘書として雇われ、私生活でも親しい関係にあったという女性がこの会話を提出したとかいうことも、何だか後味悪いですね。

 試合も招致も正々堂々と行われていると信じたいです。スポーツなんだもの。

ゴール付近でのロンドン・マラソン観戦

2010-04-26 | スポーツ
 バッキンガム宮殿辺りに人が多いのは当たり前で、何も驚くことではないのですが、今日ばかりは観光客に加えて地元の人もたくさん集まっていました。



 生憎の小雨模様となった今日、恒例のロンドン・マラソンが開催されました。
 それでも早い時間に雨は上がり、曇り空の下(個性にもよるのでしょうが)むしろ走者には良いコンディションだったんじゃないでしょうか。確か昨年はすごく暑かったような記憶があります。
 


 昨年はタワー・ブリッジの辺りで観戦したので、今日はゴールを目の前(200メートルほど手前)にしたバッキンガム宮殿の前で見ることにしました。
 男女エリート、車椅子、一般など幾つかに分類されたグループは、確か違った場所や異なる時間のスタートだったと思うのですが、この地点になると色んな人が混じり合っています。



 暫く見た後にゴールより先に向かうと、それぞれの形で完走を祝おうとする人達に出会えます。
 中には、父親にシャンペンかけをする家族や、たくさんのパスタを作って寝転んで待つ人達も。



 今回も日本にまつわる人の参加が多く、様々な話題を呼んでいますが、僕が個人的に印象深かったのは、まずマーラ・ヤマウチ選手。
 僕と同じく15日の便が火山噴火の影響で欠航となり、コロラドからニュージャージー、そしてリスボンへ飛び、そこからは陸路タクシーでマドリード、レンタカーでパリ、さらにタクシーでフランス北部、主催者の用意した特別機でやっとロンドン、という気の遠くなりそうな1週間をかけての目的地到着が身につまされました。

 それから車椅子の土田和歌子選手。
 6日前のボストン・マラソンで4連覇を達成し、このロンドン・マラソンも制覇するなんて、凄い快挙じゃないでしょうか。それに、ここのコースは曲がり角が多く、車椅子の人達には辛いと思うんです。
 土田さんのことはどのくらい日本で報道されているのか分かりませんが、もっとこちらの方の報道もしっかりされてしかるべきだと思います。

 僕は根性無しなので(笑)長距離競技が大の苦手で、いくら刺激を受けてもさすがに参加するまでの気持ちにはなれませんが、人の走っている姿って本当に綺麗だと思います。完走者の嬉しそうな表情を見るのも楽しいし。
 また来年も場所を変えて見るのを楽しみたいと思います。

ザ・ボート・レース

2010-04-01 | スポーツ
 さっきまでTVで欧州チャンピオンズ・リーグの中継をやっていました。
 イギリスでフットボール(サッカー)の人気が高いのは言うまでもないのですが、じゃアメリカはというと、フットボールがアメフトを指すくらいですから、サッカーは殆ど人気がありません。人気向上のためにベッカムを引き抜いたにもかかわらず、怪我してしまいましたし、どうなるんでしょう。

 逆にアメリカでも日本でも人気のある野球は、イギリスではおそらく見たこともない人の方が多いくらいじゃないでしょうか。
 形だけ少し似たもので言うとクリケットがありますが、これは旧大英帝国に属していた国々の間では凄くポピュラーで、逆に他の国では、一体何それ?みたいな感じかな。

 ついでにもう少し挙げるなら、ついこないだまで日本では間違いなく騒がれたであろうフィギュア・スケートも、オリンピック、世界選手権の両方とも殆ど(全然?)報道がありませんでした。
 相撲みたいな日本特有の国技(と言えるのかも最近は怪しいですが)はもちろんのことです。

 そう考えると、これもイギリス人の入れ込み方は他の国よりも凄いんじゃないでしょうか?ボートレースです。あ、と言っても競艇じゃないですよ。(もっともイギリス人の賭け事好きは日本人より凄い気がしますが)



 その名もThe Boat Raceという、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学のボートレースが4月3日に開催されます。最初のレースが1829年というから凄い伝統ですね。
 もっともPutney Bridgeからスタートし、Chiswick Bridgeまでの約10kmという今のコースになったのは1849年のことみたいです。

 ケンブリッジのイメージカラーが水色、対してオックスフォードは紺色なので、それぞれの大学の代表選手をライトブルー、ダークブルーと呼ぶんだという話を聞いたことがありますが、本当でしょうか。
 普通だったら青系に対して赤系とかになりそうですが、やはり水をイメージするブルーを使いたいのかな。

 このレース、もう2年続けて見逃しているので、今年こそはと思っていたら、3日は日本へ向けて出発する日です。どうしよう。

空気を変える

2010-02-27 | スポーツ
 まず初めに、たくさんのメールや書き込みありがとうございます。いえ、誕生日のお祝いのことなんですが。思いがけない人からもいただいて驚いたりしています。そうかと思うと当然(というのも変ですが)メールもらえるかと思っていた親しい友人から忘れられていたり。
 もっとも日本ではフィギュア・スケートで盛り上がっていたらしいので、それどころじゃなかったのかもしれません(笑)

 こちらでは寂しいくらいオリンピックの報道が少ないんです。
 考えてみたらイギリスってあまりスキーやスケートは強くなさそうだしな。山も少ないからスキー場なんてあるのかな?スケート・リンクもあまりきちんとしたものはないし。



 それに比べて日本のフィギュアなんて凄いですよね。浅田真央は金を逃して残念だったかもしれないけれど、またキム・ヨナと競い会って成長して欲しいです。まだふたりとも十代なんだし。

 それにしてもふたりの演技は凄かったんでしょ?リアルタイムで見られなかったのが残念。
 まだ決勝のニュースは記事では読んでないのですが、SPの後の清水宏保の感想を朝日新聞で読みました。“ヨナ一色 引き込む力”というタイトルで、直前までの浅田真央の最高の演技の空気を、滑走寸前にがらりと自分のものに変えてしまった彼女の力に感心していました。

 これって何となく分かるんですよ。僕はバレーのシルヴィ・ギエムのファンで、以前彼女がロイヤル・バレーに所属していた頃や、日本への来日公演などはよく見にいったのですが、彼女が出てきた途端に空気感が変わってしまうのにはいつも驚いていました。

 一流のアスリートやアーティストはこうして自分の“磁場”を創り出して、採点者や観客を自分の世界に引きずり込んでしまうんでしょうね。
 今のミュージシャンを考えて、ここまでの力のある一流の人というと、さて?

エクササイズ

2010-02-09 | スポーツ
 天気予報通り雪が降ってきました。このところ明らかに運動不足なんですが、この寒さではなかなか外を走るのも辛くて(苦笑)じゃ、せっかく近くにあるジムに通えば、とも思うのですが...



 このところ日本からの情報で、トレーシー・アンダーソンTracy Andersonなる人物のことをよく聞くと思ったら、彼女のエクササイズのDVDブックが売れているんですってね。
 僕は全然疎くて知らなかったんですが、なになに...マドンナやグウィネス・パルトローなどのセレブを指導しているトレーナー?なるほど。
 かつてあれだけ流行っていた“ビリーズブートキャンプ”はどこへ行ったんだと思っていたら、こういうところに落ち着いていたんですね。ビリーの激しい運動ではなく、ゆっくりした動作で普段使わない筋肉を刺激するとのことです。

 考えてみたら、ビリーが流行る前は『...するだけで痩せられる』とか『...を食べるだけで痩せられる』とか、けっこう楽してスリムな身体を作ろうというのが主流だったと思うのですが、そんな上手い話はないと皆が気付いて、“実感”のあるビリーの方へ走ったんですよね。
 やはりものごとには揺り返しがあるのかな。
 でも、少なくとも趣旨として、細すぎる身体を作るのではなく、(少々むっちりとしていても)“女性らしい”曲線を作ろうとしているのには賛同できます。皆あまりに細い身体を目指し過ぎだと思っていたので。

 さてさて、実際どんなことをやっているのか動画を見てみます。
 

 ........ねぇ、これって決して楽ではないですよ。ゆっくりした動作でもけっこうきつい動きだと思うな。確かに効果あるかも。試してみます?

朝青龍と小沢氏とテリーと英国議員

2010-02-06 | スポーツ
 paragonという単語があります。模範になる完璧な人物という意味で、 a paragon of virtue(美徳の鑑)みたいな使い方もされるみたいです。

 そこまでの聖人君子ぶりが求められるかどうかはともかく、またよく言われる“品格”の問題をおいたとしても、やはり相撲界の最高の地位である横綱が暴力をふるうというのは問題に違いありません。朝青龍の引退にはちょっと驚きました。何しろ先場所の優勝力士ですからね。

 イギリスにはそれにあたる格闘技はないですが、伝統的に人気のスポーツはもちろんフットボール=サッカーです。特に今年はワールドカップの年とあって、錚錚たる選手が揃ったイングランド代表チームは注目を浴びています。

 そのキャプテンを務めるジョン・テリーを巡って、この数日は凄まじいスキャンダル合戦が繰り広げられました。彼が代表のチームメートであるDFウェイン・ブリッジの元恋人と不倫状態にあったことが発覚したのです。
 その後も、ブリッジは代表引退を考えているとか、元恋人は25万ポンド(約3,700万円)で独占記事をオファーされたとか、色んな噂がTVや新聞で報道されました。
 そのテリーをキャプテンの座から外すという結論が、今日イングランドを率いるファビオ・カペッロ監督から下されました。

 奇しくも日英両国で、このスポーツ関連の記事と並んで報道されたのが政治ネタ。小沢氏の不起訴決定と歳費不正請求の英国議員に下された判決です。



 とりあえずイギリス関連はおいとくとして、日本の両方の騒ぎとも何となく後味が悪いのは、“自浄作用”が働かなかったことでしょう。
 朝青龍の件は、よく読むと解雇を決議されそうになっての引退宣言だし、さらに言うなら相撲協会自体も横審の強い抗議に押されて仕方なく動いたようにさえ見えます。

 小沢氏の件にしても、民主党のなんとも歯切れの悪い中途半端な擁護と非難の中での幕切れです。これで罪は問われなくなったとしても、政治的にクリアーになったわけではないのだし、やはりよく言われる“説明責任”を果たさない限り、国民は納得いかないんじゃないでしょうか。

 それにしても思い出すのは細川氏率いる日本新党が華々しく政権を取った時期のことです。これで日本は変わると誰もが期待したに違いありませんが、いきなりの首相の辞意表明で見事に裏切られるまで1年足らずでした。

 またそんなことがあると、これは民主党だけの問題ではなく日本の議会政治の信頼が揺らぐことになると思うのです。くれぐれも民主党の自浄作用を期待します。
 あ、ついでに言うなら貴乃花親方の理事当選で、こちらも少し期待されている相撲協会の改革も期待外れにならないようお願いしますね。

フットボール観戦

2009-10-24 | スポーツ
 日本ではCS第2ステージが盛り上がっているみたいですね。でも、いくら日本で野球が人気あろうとも、イギリスでのフットボール(サッカー)の存在感とは比べものにならないように思えます。
 これって何なんだろう、っていつも思うのですが、やはりひとつには地元に根ざしたチームの有り様なのかもしれません。
 随分と下位に属する地方のチームなどでは、プレミアリーグ所属チームの1試合分の値段で、子供の年間チケットが入手できるサービスをやっているなんて話も聞いたことがあります。

 僕みたいにあまりフットボールに詳しくもない人間としたら、すぐ近くにホームスタジアムがあって、声援も聞こえるチェルシーが当然応援に行くには手っ取り早いわけですが、実はもうひとつ気になるチームがあります。フラムです。
 実はこの2チームのホームスタジアムの距離は数キロも離れていません。バスに乗ればすぐに行ける距離なのです。おまけに、もともとチェルシーのホームスタジアムであるスタンフォード・ブリッジはフラムのために造られたという因縁付きです。

 昨晩UEFAヨーロッパリーグの一戦としてフラムとローマの試合に出かけました。いつも外から、時には対岸から眺めているこのスタジアムの中に入るのは初めてです。
 夜8時5分に始まる対戦にぎりぎり間に合ったのですが、あまりの人の多さにゲートをなかなかくぐれません。



 チェルシーに比べると随分見劣りするだろうと思っていたのですが、照明を浴びた芝生はやっぱり綺麗で、周りの熱気と共に何とも言えない独特のライヴ感です。




 試合は立ち上がりからフラムが元気で、果敢に攻撃を仕掛けます。何度か続いたCKのひとつに上手く合わせたヘディングでリードを奪うと、今度はゴールキーパーの大活躍で、PKまで含めたローマの攻撃を食い止めます。

 ここまではフラム側の応援席も大盛り上がりです(と言ってもアウェイのローマの応援団はほんの一握りで、殆どがホームチームの応援ですが)
 ところが試合が終わりに近づくに連れて、ペースは明らかにローマの主導。音楽で例えるなら、非常にリズムがよく、ハーモニーさえ聞こえてくるような。対してフラムはどこかちぐはぐで、カウンターを中心とした攻めしかなくなってきました。

 こりゃ危ないかなと思っても何とかしのいでロスタイム。もう残り1分もないんじゃないかと思った時になんとローマの同点ゴール。
 帰りを気にして早めに席を立ったファンは後からTVで見てびっくりしたんじゃないかな。

 別にフットボールに限ったわけではないですが、形勢なんて簡単にひっくり返るもの。今が順境の人も安心しちゃいけないし、逆に今が逆境の人も諦めることなく自分のリズムに持ち込めば逆転のチャンスも。

チェスはスポーツ

2009-09-24 | スポーツ
 あれよあれよという間にジャイアンツの優勝が決まっていました。
 もちろんこちらのニュースで日本のスポーツなんて報道するわけがなく、それどころか野球の報道は大リーグも含めて全然ありません。3年後に行われるロンドン・オリンピックでも、開催種目には入っていないし、次もはずれるんでしたよね。

 じゃスポーツ・ニュースでは何が報道されるかというと、当然のようにフットボール(サッカーのことです)が中心で、後はラグビーだとかクリケットだとかがメジャーなのですが、個人的に違和感があるのは例えばビリヤード。どうにも身体を派手に動かすとか、汗をかくようなものでないと、“スポーツ”という言葉からは縁遠いように思えてしまいます。

 その意味ではもっと違和感のある“スポーツ”がチェスです。
 そうなんです。こちらではチェスが立派なスポーツとして定義付けられています。その上、2年に1回チェス・オリンピック(チェス・オリンピアード)が開催されて盛り上がっているのです。ちなみに昨年はドイツ、次回2010年はロシアでの開催です。

 もっとも中国やベトナムとかでも、この手の競技は体育の授業に組み込まれているという話を聞いたことがあるので、案外日本以外では当然のように受け入れられている概念なのかもしれません。(日本でも“頭脳スポーツ”と説明されたりするようですが)

 今日、トラファルガー広場に巨大なチェスの競技盤が出現していました。London Design Weekのイベントの一環らしいです。



 これを実際に動かして競技するとなると......うん、これは確かに狭い定義でもスポーツになるかも。

ウィンブルドンの屋根

2009-06-23 | スポーツ
 最近Earl's Courtの駅でホームを訊かれることが多くなりました。この駅はいくつもの方向へのDistrict Lineが乗り入れしているため、きちんと行き先を確認しないととんでもない方向へ連れて行かれてしまうことがあります。

 で、このところ訊かれる行き先はウィンブルドンです。今日からいよいよ始まりましたね。朝から西行きの方向への電車が混み始めるのですが、夕方になると今度は反対側が満杯になります。
 日本人にとっては伊達の13年ぶりの出場も楽しみです。逆にナダルの欠場は残念ですね。フェデラーの四大大会15勝という前人未踏の大記録も、ライバルと競ってこそ手に入れたい勲章でしょう。
 このふたりの昨年の死闘は未だによく覚えています。一番日の長い季節とはいえ、4時間48分(2度の中断を入れると6時間半!)の試合を終えたのは既に9時16分。したがって表彰式はちょっと薄暗い夕方の光の中でした。

 この中断が雨のせい。気まぐれなロンドンの天気はこうして何度も試合を中断させ、その度に勝利の女神も気まぐれにあちこちさまよっているように思えました。
  “風物詩”や“名物”とさえ形容されるこのウィンブルドンの雨の中断が、今年は見られなくなりました。センター・コートに可動式の屋根が作られたのです。
 もちろん選手のコンディションにも有利でしょうが、観客にしてみても、わざわざ高い金を払って遠くから見に来て雨で中止では泣くに泣けませんものね。



 さて、昨日までずっと写真のように良い天気でしたが、今日は早速曇り空です。屋根が最初に活用されるのはいつでしょう。

チェルシーの監督交代劇

2009-06-02 | スポーツ
 先日散歩の途中で窓越しに見えたTVで野球中継をやっていました。どうも大リーグのようでしたので、きっとアメリカ人でも住んでいるのでしょう。こちらでは野球なんて全然見る機会がありません。子供達も大人達も大抵はフットボール(サッカーのことですよ)に熱狂して、ニュースもまずはそれから始まります。
 そんなフットボールがオフを迎えて、ファン達はいったいどんな風に過ごすんだろうかと心配になってしまいます。

 それにしても厳しいのが監督業。勝ち負けが全ての世界とはいえ、あまりに短期の責任の取り方に、こんなに性急でいいのだろうかと疑問が湧きます。

 僕がロンドンに住み始めた1年半前には、チェルシーの監督はモウリーニョ(ポルトガル)に代わったばかりのグラント(イスラエル)でした。彼のもとで国内プレミアム・リーグ、欧州チャンピオンズ・リーグともに準優勝だったにもかかわらず、欲しいの1番だけとばかりに彼を解任し、スコラーリ(ブラジル)が就任しました。ところが負けが込んでくるとすかさず任期半ばでヒディンク(オランダ)に交代。彼が就任してからは快進撃(FAカップを制覇)と思えましたが、あくまで暫定措置ということで、今日元ACミラン監督のアンチェロッティ(イタリア)の就任を発表しました。

 いやはや、こうして書いてみると、国籍を並べてみるだけでも慌ただしい。

 ところで、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジの大きな壁には選手達の写真が貼られています。さすがにまだアンチェロッティの写真は間に合っていませんが、スコラーリの解任の後、ちゃんとヒディンクの写真には入れ替えられています。
 でも、よく見るとこの部分だけ芝の色が違います。ここだけ継ぎ接ぎでまかなっているんですね。



 その左側には選手の集合写真があり、キャプテンのテリーの横の椅子に座って記念写真を取ることができるようになっています。



 こちらの写真ももちろんヒディンクに変えられてはいるのですが、こちらはテリーとの腕の接し方とかが無理なく見えます。他にもコーチ等何人かが入れ替わっているので、もしかしてこちらの写真は撮り直したのかもしれません。

 ......なんて思いながらよく見ると、どうも顔と身体のバランスがおかしくありません?
 もしかして、と思って以前同じ場所で撮ったスコラーリの写真と比べてみました。すると腕の置き方、足の格好等、全て胴体は以前と同じじゃありませんか。結局顔だけをうまく組み込んだわけです。



 これって文字通り、首のすげ替え?