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社員の幸福感が高い会社は生産性も高い 人の心に灯をともす 4117より 写真はMさんからいただいたプ...

2020年10月27日 | 
【社員の幸福感が高い会社は生産性も高い】4117



慶応義塾大学教授、前野隆司氏の心に響く言葉より…


AI化が加速度的に進む社会においては、近い将来、短い動画の情報だけで、そこに映る人物の人柄が良いか悪いかまで判断できるようになるでしょう。

実際、AIの最先端技術であるディープラーニングによる画像認識技術を使えば、原理的には今すぐにでも人柄分析を行うことが可能です。

容易ではないのは、AIに「この人は人柄が良い人、悪い人」といった判断結果を1万も10万も機械学習させることです。

逆に言えば、事例による機械学習さえできれば、AIによって人柄を瞬時に見分けることが可能になる。

人が認識できることは、原理的にはすべてAIで認識できます。

しかも機械学習を重ねれば、AIの出す答えは人間以上の精度になります。

従って、将来的には個々人の幸福度も簡単に計測できるようになるでしょう。


また、今後、幸福度や健康度の認識能力においてもAIは軽く人間を超えるでしょうから、ディープラーニングを続けていけば、「今日のあなたは顔色が優れないので、定時に帰った方がいいでしょう」とか「いつもに比べて笑顔と会話が少ないようです。明日はしっかり休んでください」などと、AIから指示を受けるような時代がやってくるでしょう。

個人データの管理については、健康診断結果と同じように秘密情報にするなどの法整備の必要はあるでしょうが、技術的には、実現はもはや時間の問題です。


これに対応して、「いかに人間らしく生きるか」ということが、これからの人間の側の課題となっていくでしょう。

何をするか(doing)ではなく、どう生きるか(being)が問われる時代になるということです。


現代の20代の学生や若者を見ていると、すでに意識は変化してきているように感じます。

いえ、変化しているというよりも、多様化しているという方が適切かもしれません。

AIに負けないくらい創造的で感情豊か、かつ利他的な人が増えている半面、主体性を発揮できず、AIやロボットに惨敗しそうな人も少なくありません。

つまり、「幸せ格差」が拡大していると言うべきでしょう。

昔は単一尺度による格差だったのが、これからはますます多様な格差へと拡大していくでしょう。


最近は、かつて一流企業と称されていた大企業に良い学生がなかなか就職しなくなったと言われます。

理由は単純です。

面白いことを思いつく人は、より自由で、ワクワクするような道を選ぶからです。


創造的な人は幸せな人であるばかりか、試行錯誤を恐れずに新たなビジネスにトライして活躍できる人です。

それは、「やってみよう!」「ありがとう!」「なんとかなる!」「ありのままに!」という幸せの4因子を満たす人でもあるからです。


また、我々のチームが以前行った幸福度の調査によれば、多様な人と接する頻度が高い人は幸福度が高くなる傾向があります。

そして、幸せな働き方自体が時代の流れと同じ方向を向いているため、これからは必然的に、ウェルビーイング第一主義経営が進展していくはずです。

それに気づいた人にとっては大きな可能性に溢れた時代ですが、気づいていない人にとっては、依然として閉塞感に溢れた時代です。

残念ながら、放っておくと、この格差は今後も加速度的に拡大していくでしょう。


また、長寿社会の大きな課題である健康不安や孤独への不安に関しても、前向きさや幸せが大きな鍵を握っています。

多くの研究者が幸福と健康の関係について科学的に検証しています。

それによると、一般には健康な人が幸せだと思われますが、実は幸せな人が健康であるとも言えるのです。

たとえば、米チャップマン大学のジュリア・ベームらの調査によると、幸福度の高い人はそうでない人よりも心血管疾患リスクが低く、長生きすることがわかりました。

慶応義塾大学医学部教授の坪田一男さんの研究でも、より前向きになると寿命が延びるという結論が出されています。


また、孤独と幸福度には負の相関関係があることも、数々の研究から明らかです。

今、リタイア後の高齢者たちの孤独が社会問題になりつつありますが、現役時代から会社だけの人間関係ではなく、PTAや地域のボランティア、趣味のサークルなどのつながりをあらかじめ作っておけば、孤独は回避できたかもしれません。

こうしたつながりは、いわば「弱いつながり」(心理学では「弱い紐帯(ちゅうたい)」と言えます。

20世紀は個人の独立と自由に基づいて自分の幸せを重視する個人主義的社会でしたが、今後は「弱いつながり」を大切にして皆の幸せを重視する社会へシフトしていくでしょう。

ぜひ、今から、少しずつでも弱いつながりを構築しておくことをお勧めします。

人とのつながりは、リタイア後の人生はもちろん、今、この瞬間の人生をも彩り豊かなものにしてくれるでしょう。


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前野氏は「幸福度と生産性の関係」についてこう述べる。

『エド・ディーナーらの論文によると、主観的幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%も高い傾向にあります。

また幸福度の高い人は職場において良好な人間関係を構築しており、転職率・離職率・欠勤率はいずれも低いという研究データもあります。

さらに、米カリフォルニア大学のソニア・リュボミアスキー教授も、「幸せな社員は、不幸せな社員より生産性が1.3倍高い」という調査結果を出しています。

だからこそ、これからの企業や組織は、「働き方改革」で時短を徹底して無駄を減らすことを考えるのではなく、まず「社員やチームメンバーを幸せにすること」を目指すべきでしょう。

創造性が3倍、生産性が1.3倍になれば、結果的に時短にもつながるはずです。

ところが、トップダウンによる働き方改革で現場の当事者たちが「やらされ感」を感じれば、幸せの第一因子「やってみよう!」因子が低くなります。

幸福度が低くなれば、結果的に生産性や創造性が下がる可能性も高くなるため、結局、「働き方改革」の成果が出ないという悪循環に陥ります。

この点が今の大きな課題の一つではないでしょうか。』


日本の生産性について厳しい意見の小西美術工藝社社長、デービッド・アトキンソン氏はこう語る。

『生産性を見てみると、1990年は世界9位でしたが、いまは28位まで下がって、先進国として最低水準となっています。

この20年間、先進国の給料は約1.8倍となっているのに対して、日本は9%の減少です。』(国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか /講談社+α新書)より


そして、その元凶は中小企業の生産性の低さにあるとアトキンソン氏はいう。

だが、本書によれば、幸福度が高くなれば、生産性は1.3倍に増えるという。


日本は自己肯定感の低い国だ。

それは、日本、アメリカ、中国、韓国の4ヵ国の高校生を対象とした比較調査で、「私は価値のある人間だと思う」と答えた割合は、アメリカが約84%、中国が約80%、韓国が84%なのに対して、日本はなんと45%だったということでもわかる。

自己肯定感は幸福感と比例する。

自己肯定感が高ければ、幸福感もあがるからだ。


社員の幸福感を上げる経営を目指したい。







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