これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本のコロナ対策 (その1)

2020-04-25 11:50:58 | 新型コロナウイルス
 日本政府のコロナ対策には一貫性が見られません。確たる考え無しに、場当たり的な対応をしています。世の中は不思議なもので、ドンドン時間が経つと「何か考えが有って行動しているのでは」と思える様になります。責任者は、結果オーライだったら「そう考えてやってきた」と言い、悪い結果になったら「そんな事は考えて無かった」といいます。

 私は、「政府は、こんな考えでやっているのでしょうが、こんな事もやったら良い結果になると思います」と提案したいのです。 今回は、私の発想のベースになる情報を整理します。 私の考えは来週・書きます。

【結果オーライの例】
 「事実は小説よりも奇なり」と言う例です。 某社のK部所で、石油プラント用の大形の機器を製造していました。 殆どの機器は鋼材を溶接して成形したものです。 1980年頃に造船業界は大不況に見舞われていました。 船も鋼材を溶接して作るので、造船各社が石油プラント用の機器を製造しはじめ、価格が暴落してしまいました。

 当然・K部署も赤字になり、毎年の様に人減らしを続けました。 1980年頃にはK部署の社員は1,400人以上いましたが、1987年頃には200人弱になっていました。それでも赤字でした。 本社から、優秀と言われていた方が工場長に派遣されて来ました。 彼の任務は、「顧客と社員に工場を閉鎖する」と説得する事でした。 適正価格が「1億円」の機器だと、着任前は「0.9億円」ほどの見積書を出していましたが、「3億円」ほどで提出しました。当然、注文は全く入りません。数か月後の好天の日に、広場に全社員を集めて「〇月後に工場を閉鎖する」と発表し、営業マン達が顧客に閉鎖の挨拶をして回りました。

 顧客の多くは大混乱になり、「言い値」で次から次へと発注しました。 あっという間に50億円近い注文が入りました。 赤字覚悟で続けていた造船各社が全て撤退していただけでなく、昔からの競合会社も撤退していて、生き残った大手はヨーロッパに1社だけの状態だったのです。 (業界情報を全く把握していなかった営業マンは”間抜け”ですが、工場長は”あんぽんたん”と言われても否定出来ません。その後、工場長は、”なんと”重役になられた様です。)

 生き残ったのが世界で2社だけですから、撤退した会社から見たら、「凄い事をやって耐え忍んだんだ!」と思ったでしょう。 実際は、毎年・100人以上人減らしをしながら、10年間ほど『小田原評定』を続けていただけです。

【ワクチンの開発】
 感染がここまで拡大した現状では、罰則付きの外出禁止令を出す以外に感染を抑える方法は有りません。然し、それでは経済がストップしてしまいます。経済活動を優先すると、感染は拡大します。 コロナ対策は「二律背反の問題に、どう対応するか?」なのです。 政治家の力量が問われる問題だと思います。

 有効なワクチンが早急に開発出来、多量に生産されれば状況を一遍に改善出来ます。中国とアメリカは試験を始めています。私は”駄目元”でも良いから、国費を投入して、国内の開発を積極的に支援すべきだと考えます。

 ワクチンの試験は、第1期→第2期→第3期臨床試験を行って安全性と有効性を確認する様です。欧米諸国のルール(法律)では1年以内に開発を完了するのは難しい様で、日本は”言わずもがな”です。中国は全力投球で取り組んでおり、(多分・法律を改定してでも)6か月~1年後(20年9月~21年3月頃)の完成を狙っている様です。

① 阪大系のベンチャー企業である『アンジェス』が、3月24日にワクチンを開発したと発表しました。2020年の秋から臨床試験を開始する様です。・・・他国と開発期間を競争出来る状況とは思えません。
② 米国のModerna社は、2月24日に試験用に新開発のmRNAワクチンを出荷したと発表しました。
③ 中国のワクチン :3種類のワクチンを開発し、その1種類を3月末までに1期臨床試験完了し、4月9日から2期臨床試験を開始しました。他の2種類も4月頃から臨床試験を開始する模様です。
④ 英国のオクスフォード大学 :5月中旬までに臨床試験を開始、9月にヘルスケアワーカーへの接種を開始する予定です。量産体制、流通体制の検討も開始している様です。

【既存治療薬を用いた臨床試験】
 新たな薬を開発するには10年ほどもかかると言われているので、既存の薬を用いた臨床試験が多数行われています。 有効性が確認されると各国政府が審査して、承認すれば使用出来る様になります。

 トランプ大統領はコロナウイルスに効果が有る薬の申請が出たら、1か月後に承認すると言っていますが、日本の場合は(特別に審査期間を短縮する『先駆け審査指定制度』を適用して)申請を出しても審査に6か月も掛かる様です。 日本では薬価を決める必要があるために、更に2か月は掛かります。従って、申請後、最低でも8か月も掛かる事になるのです。 ご存知でしたか?

(補足説明) 日本は「新薬の承認に時間が掛かり過ぎる」と批判されて来ました。 2015年に、厚生労働省が重い重い腰を上げて『先駆け審査指定制度』を始めたのです。通常は審査に12か月必要と言う事になっていましたが、緊急性が有る薬は6か月で承認が得られる様になっています。承認を得ても、保険適用薬にする為には、厚生労働省が薬価を決めなければなりません。
 
 薬は特定の病気に使用する事を前提に認可されています。既存の薬でも、当初の目的以外に使用する場合は、新たな臨床試験が必要です。薬価の算定方法は非常に複雑です。 既存の薬を別の疾患に用いるケースは、類似薬効比較方式で算出されると推察します。私の考えが正しいと仮定すると、既存薬なので原価は既に査定されていますから、「画期性加算」、「有用性加算」、「市場性加算」、「小児加算」、「先駆け審査指定制度加算」をどう判断するか?によって薬価が決まります。

(余談) 私は温暖な紀州の出身で、仙台の大学に入りました。仙台は寒いので最初の年に酷い”しもやけ”なりました。 薬屋でビンに”しもやけの薬”とラベルを貼ったのを買おうとしたら、貧乏学生には買えない値段でした。開業医の叔父に相談したら、「しもやけの薬はビタミン剤だ」と言って、ビタミン剤を多量に送ってくれました。錠剤の色・形・大きさ、そしてメーカー名も薬屋の”しもやけの薬”と同じでした。 叔父の薬を飲んだら、暫くして治りました。 ビタミン剤を”しもやけの薬”として、二、三倍の価格で売っても犯罪では有りません。

① 米国のギリアド・サイエンシズ社 :『レムデシビル』 ;抗ウイルス薬(エボラ出血熱) 5月に初期治験データが出ます。 共同通信社は4月11日に、「7割近くに症状の改善が見られた」と報道していました。 然し、ロイターは4月23日に、「中国の小規模な治験結果からすると、レムデシビルは重篤患者には効果が無いかも知れない」様な報道をしました。

② 富士フイルム :『アビガン』 ;抗インフルエンザウイルス薬  国内で臨床試験が行われています。 6月末までに初期治験データが出る様です。 今までは中国から輸入していた原液を、カネカ社が7月から供給を開始すると発表しました。

③ 帝人ファーマ :『シクレソニド』 ;炎症抑制(ぜんそく) 国内で臨床試験が行われています。
④ スイスのロシュ :『アクテムラ』 ;炎症抑制(リウマチ)  9月までに治験終了の見込です。
⑤ フランスのサノフィ :『ケプザラ』 ;炎症抑制(リウマチ) 2021年3月に治験終了の見込みです。
⑥ 『クロロキン』 ;炎症抑制(マラリア)
⑦ 『ヒドロキシクロロキン』 ;炎症抑制(マラリア)・・・✖✖?・・・❷参照
⑧ 『アジスロマイシン』 ;蛋白質の合成」を阻害する薬(抗生物質)
⑨ 『ナファモスタット』 ;蛋白質の分解を阻害する薬(すい炎用)
⑩ ヒジカル社/徳島大学 :『iGS4000』 :ブドウの種子から抽出した薬
⑪ 『ネルフィナビル』(HIV薬)&『セファランチン』(白血球減少症治療薬) :国立感染症研究所と産業技術総合研究所 ;臨床試験はまだの様です。

 ★★ 効果が無かったと報告された薬 ★★
❶ 『カレトラ』 :中国での臨床試験結果  (HIV感染症などの薬)
❷ 『ヒドロキシクロロキン』 :炎症抑制(マラリア)・・・4月21日サウスカロライナ薬科大・臨床助教授らが「死亡する確率が高まった」と発表しました。

【血液製剤の開発】
 2月14日に中国が、「回復者の血液から作った血液製剤を10人以上の重篤患者に投与して、効果が有った」と報告しました。然し、その後は報道が有りません。 (血液製剤とは、他人が作った抗体を、患者の体内に入れてウイルスの増殖を抑える薬です。)

① 国立国際医療研究センターが4月試験開始の予定
② 武田薬品工業/CSLベーリング社(米国) :血漿分画製剤を開発中

【検査キット】
 「体内でコロナウイルスが増殖しているか?」を確認するのが「PCR検査」です。 「今回・感染して得たか、元から新型コロナウイルスに対する抗体を持っていたか?」を確認するのが「抗体検査」です。「抗原」とは身体に侵入したウイルスや菌のことです。抗原検査はPCR検査と同じ様に「ウイルスが侵入しているか?」を調べる検査です。

 エイズ(HIV)もウイルスによる病気ですが、感染しても抗体が出来ません。抗体が出来なければワクチンを作っても効果が有りません。 新型コロナウイルス用のワクチンの試験は結果が報告されていないので、「抗体が出来るのか?」、「抗体の有効期間は?」・・・不明です。 インフルエンザに罹って得た抗体は半年から1年、ワクチン接種で得た抗体は五カ月ほど有効だそうです。(有効期間が短いので、1シーズンに同じインフルエンザに二回罹る人もいます。)

① PCR検査キット :国内では東洋紡、杏林製薬、島津製作所、富士フイルム和光純薬が開発完了したようです。保険適用になりました。

② 抗体検査キット :国内ではクラボウ(3月16日から)が製造しています。   ニューヨーク州では4月22日から一日2,000人に抗体検査を始め、24日に13.8%の人が抗体を持っていたと発表しました。 日本の厚労省が、4月22日に抗体検査の試験を開始すると発表しました。

③ 抗原検査キット :4月21日厚労省が検討を公表しました。小さなクリニックでも行うことが可能で、検査結果は早ければ15分程度で出ます。 横浜市立大学の共同グループは、来月から検査キットの販売を開始する予定です。

(余談 :医薬の動物実験)
 世界的に『動物愛護団体』が猛威を振るっています。新しく開発した医薬は、最初の段階で動物を用いた「安全性/有効性を確認する実験」をして、その後、人間で試験して来ました。然し、内外の動物愛護団体の圧力で、動物実験が難しくなって来たので、国立医薬品食品衛生研究所に、動物実験に代わる医薬の実験方法を工夫する部署として、2005年に『日本動物実験代替法評価センター(JAcVAM)』が設立されました。

 新しい医薬を一般に販売する前に、少数の人間で「安全性/有効性を確認する実験」をする事は不可欠で、現在もそうしています。 私は人間で試験する前に、理論的な安全確認だけでなく、これからも動物実験をすべきだと考えます。 動物愛護団体のメンバーが、「医薬の最初の被験者になりますから、動物実験は止めて下さい!」と言うのなら、私は何も言いません。 余りにも動物愛護団体が大声で主張するので、「どこで動物実験をやっているか?」をインターネットで調べるのは難しくなっています。 世の中の支援が少ないので、密やかに実験せざるを得ないでしょうが、人類にとって大切な実験をしているのですから、実験担当者は誇りを持って、頑張って下さい。 (私は、「どこでやっているか?」少し知っていますが、口が裂けても言いません。)

 多くの人は”肉”が好きです! 肉は動物を殺して得た食べ物です。牛や豚は殺して食べても良いのに、ネズミ(ラット、マウス、モルモット)やウサギを実験に用いてはいけないのでしょうか?!

【人口呼吸器】
 今年の2月中旬に日本呼吸療法医学会と日本臨床工学技士会が、人口呼吸器とエクモ(ECMO)の台数を調査しています。その結果は、『人工呼吸器およびECMO 装置の取扱台数等に関する緊急調査』で検索すると見れます。
https://www.ja-ces.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/d17eb111750dd2702c626ae3fb46f21c.pdf

 欧米の報道では、重篤患者数が多過ぎて人口呼吸器を付ける人を、医者が選定している様です。 日本では、今の所は何とか足りているようです。 感染が拡大し重篤患者が増加すると、日本でも「どの患者に付けて助けるか? この患者は回復の可能性が低いから、諦めよう!」→医者が決めなければならなくなります。・・・これが医療崩壊です。

 人口呼吸器は誰でも操作出来る装置ではなく、台数を増やすので有れば扱える人を緊急に養成する必要が有ります。 現在・既に医療関係者は目一杯働いている状態ですから、人口呼吸器の練習に回れる余裕が殆ど有りません。

① 国内メーカー :帝人、Zoll Medical(旭化成グループ)
② 国内の保有台数 :22,000台

(余談) 4月23日のRobert Langrethの記事によると、アメリカでは人口呼吸器を付けた患者の致死率は88%で、65歳以上では97%だったそうです。

【エクモ(ECMO)】
 最近・時々耳にするエクモ(ECMO)とは『体外式膜型人工肺』のことです。人口呼吸器でも駄目な重症患者に用いられます。血液を体外に取り出して、機械で血液中の二酸化炭素を除去し/酸素を付加した血液を体内に戻す装置です。

 コロナ対策大臣の西村康稔氏は3月29日に、「エクモ等を増産する」といいました。木村もりよ氏によると、「エクモを付けた患者には、20名程のスタッフが交代で24時間体制で介護する必要が有る」そうです。 100台増やすためには、2,000名のスタッフを集める必要がありますが、現状では可能とは思えません。

① 国内メーカー :泉工医科工業(本社;東京都文京区本郷 )
② 国内の保有台数 :1,400台(東京=196台、大阪=103台)

【情 報】
 「コロナ感染の状況や対策の立案に必要と思われるデータを、政府がどの程度公表しているか?」を整理しました。 感染者数が少なかった頃は、感染者数、死亡者数、退院者数は「国民を安心させるデータだった」と思います。然し、感染が拡大している現状ではこれらのデータは逆に不安を煽る恐れがあります。 軽症者の回復状況や病床の余裕等々、国民を安心させるデータも集めて、公表すべきだと思います。

① 感染者数 :厚労省が新たに感染を確認した人数を公表しています。PCR検査を積極的にはやっていないので、『本当の感染者数』では有りません。
② 死亡者数 :厚労省が毎日公表しています。4月23日に政府が、「病院以外で死亡した人の数も、今後・調査する」と発表しました。
③ 退院者数 :厚労省が公表しています。
④ 入院者数 :厚労省が公表しています。
⑤ 病床の余裕 :不明・・・公表していません。
⑥ 隔離者数 :不明・・・公表していません。
⑦ 隔離施設の余裕 : :不明・・・公表していません。
⑧ 自宅療養者数 :不明・・・4月23日に政府が今後・調査すると発表しました。
⑨ 自覚症状無しで回復した人数 :不明・・・自覚症状が無い人にはPCR検査を行っていないので、当然不明です。
⑩ 重篤化の割合 :不明・・・公表していません。
⑪ 人口呼吸器を付けた患者の回復率 :不明・・・公表していません。
⑫ 人口呼吸器の余裕台数 :不明・・・公表していません。
⑬ エクモ(ECMO)を付けた患者の回復率 :不明・・・公表していません。 (エクモが必要になる程・病状が悪化したら回復は期待できないと言う記事が有りました。)
⑭ エクモ(ECMO)の余裕台数 :不明・・・公表していません。
⑮ 抗体保有者数 :不明・・・抗体検査をしていません。
⑯ 医薬品の在庫状況 :不明・・・公表していません。
⑰ 医療用資材の在庫 :不明・・・公表していません。  (マスク、防護服、・・・)
⑱ 感染させる可能性 :4月21日に国立感染症研究所が、「発病2日前から他人に感染させる可能性が有る」と発表しました。
⑲ 濃厚接触の定義 :4月21日に国立感染症研究所が、濃厚接触とは「1m以内 15分以上」と発表しました。 以前は「2m」でした。

(私の素朴な疑問) ❶人口呼吸器が必要な程まで悪化した患者が、アビガンの様な錠剤を服用する事が出来るのでしょうか? ❷初期の段階なら効く薬が見つかっても、37.5℃が4日続いた後だと効果を発揮出来ないのでは? ❸何故!日本の死者は少ないのでしょうか?毎日の様に風呂に入り、手洗いするからでしょうか?


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