タクマー200㎜レンズのご先祖様のような、普及品の望遠レンズです。兄貴分にはタクマー200㎜F3.5の大型レンズがありますので、普及型レンズとして併売されていました。その後スーパータクマー時代にこの2種類のレンズが統合され、200㎜F4レンズとして再出発することになります。
F5.6の暗さがありますので、フィルムカメラではプリズムが陰ってしまってなかなかピントが合わせ辛いレンズであったろうと思います。最近のディジタル一眼レフ・カメラでは、このような暗いレンズであってもフォーカス・アシストが効きますので、かなり活用できるようになったという感じです。
しかし、絞り解放から暗いレンズですから、被写界深度も少し深くなってしまって、きれいな後ボケは得にくい印象です。しかし、完全な円形絞りであるがために玉ボケを容易に得ることが出来ます。今ではディジタルカメラの高感度低ノイズ化が進みましたので、ISO感度を高くして絞り込んで玉ボケを作ることも容易になりました。
SMCタクマー200㎜F4を少し細身にしたような外観をしていますので、持ち歩きながら撮影するときにストレスをあまり感じません。ディジタル一眼レフ・カメラに装着すると、手振れ補正機能が効きますので、お散歩用レンズとしても重宝することになります。今の時代になって見直されたレンズで、お持ちの方も多いのではないかと思います。
タクマー200㎜F3.5と同様、後続のタクマーに比べて、写りの点では優位に立つレンズですから、スーパータクマー200㎜F4と併売されていたレンズと考えられそうです。このため、旧来のタクマーに見られる大型フォントを用いた前期型と、洗練されたスーパータクマーの小型フォントを用いた後期型が存在します。
全く同じレンズを用いていますし、鏡胴も同じですから写りの点では区別がつきません。後期型のほうが良いか、前期型が良いかと言う事になりますが、前期型には昔懐かしいAOCOマークのレンズキャップが付いていますから、チャンスが有るかと探しているのですが、そう簡単に見つかりません。後期型はPENTAXロゴのキャップですから、それで統一するのも悪くは有りません。
オート絞りのレンズというと、中古価格も高くなりそうなのですが、昔ながらのプリセット絞りですから人気もありません。しかし、ディジタル一眼レフ・カメラの絞り込みAE機能を使えば、背景ボケの柔らかさと解像度を見ながら、好みの場所でシャッターを切ることが出来て便利です。プリセット値はF11位にしておくと、回折現象を避けることが出来ますので、とても便利に使えると言う事になります。
雨と思っていた休日が晴れの日になりましたので、早速レンズを装着して撮影行に出かけます。次週からはずっと梅雨の雨模様ですから、今のうちに撮り溜めをしておこうという気持ちもあります。雨が降ってしまうと撮影行に出かけることが出来ませんので、貴重な撮影行になった感があります。
それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 Takumar 200mmF5.6
撮影データ:1/100sec F7 ISO800
アジサイも咲きだして好みの色の花もそろそろと思っていたら、咲き始めの感じでした。これからいろいろな色の花が咲いていきますので、休日が楽しみになってきます。