傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
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令和2年大相撲3月場所感想

2020-04-01 11:43:44 | スポーツ
                                  令和2年大相撲大阪場所感想
1) はじめに
 コロナ感染騒動で大相撲歴史上初めて無観客の場所となった。もし誰か一人感染者が出たら場所を中止するという厳しい条件でスタートしたが無事千秋楽を迎えられた。最後の理事長挨拶で八角理事長が声を詰まらせたのが印象に残る。
力士たちはTVファンを認識ながらよく頑張ってくれた。両横綱も力士たちをメンタル面で引っ張るだけでなく成績でも千秋楽の結びで優勝を争ったことで有終の美を飾ってくれた。
2) 両横綱に天晴れ
   白鵬は予想通り優勝した。今場所は、張り手はあったがカチアゲはなかったように思う。加齢のためか往年の力はなく敗けた相撲に粘りのなさを感じたが、ココ1番とい 
  う相撲では異常な鋭さを示した。阿武咲に敗けた翌日の北海富士との相撲、正代に負けた翌日に優勝を争った朝乃山に勝った相撲にその強さを感じた。まだまだ総合的に 
  見て彼に追いつく力士はいないと思う。鶴竜との決戦もいい相撲だったが、余裕の取り口で勝ったように思えた。これで44回の優勝。50回もありうると思う。東京5輪後に 
  引退かもという話もあったが、1年延びたので、力の衰え考えると来年には本当に退くかもしれない。
  鶴竜は序盤に2敗してこれは引退につながるかと心配していたが中盤以降はなぜか持ち直して、横綱相撲を示すようになった。朝乃山に勝ったのは 本人には失礼だが、予想
  外だった。千秋楽に横綱同士が優勝を争う場所となったことは大変いい形だったと思う。ただ彼の体調は何となく不安定だからこの調子が来場所に続けられるかどうか予想
  できない。
3) 貴景勝に不安
   なんと負け越してカド番となった。体調の不調原因を口にしない力士だが、何かあるとしか思えない。もともと押し相撲だから出足で躓けばなかなか勝てないことは理解
  するが今場所はその典型的な場所となった。そしていつもよりも立ち合いの鋭さがなかったし確かに大関に上った時の強さがというか馬力がなかった。来場所までに体調
  を戻して復活してほしい。横綱争いは大関になった朝乃山が1歩先を走っていると思う。
4) 朝乃山は75点
    11勝。序盤に平幕に2敗し(ライバルの御嶽海と豊山)、両横綱に完敗したことは彼に優勝をと期待していたファンもいただろうし筆者も大いに不満。80点はやれない。
   大関昇進の目安である前3場所33勝に1つ足らない32勝だったが、本格派の4つ相撲で常に前に出る相撲っぷりと、千秋楽で大関を破った相撲が評価され、さらに大関の空
   席があるという幸運もあって昇進できた。おめでとう。しかし先場所の10勝は横綱不在の場所だったし、これまで1度も横綱を倒していない。甘い昇進とは思う。
   実力的には安定感があり、貴景勝より早く横綱になるという専門家もいるし筆者も同感。来場所から大関とりのストレスはないからのびのびと闘えると思うし、両横綱も
   年齢で下降線をたどるから早いかもしれない。遅くとも来年中。
   親方朝潮が、扱いにくかった朝青竜と違って、育てかいのある弟子の成長に喜んで涙していた映像が目に残る。
5) 正代に不満
   何とか8勝したが先場所の勢いは何だったのだろう。好不調が激しかった。白鵬に勝った相撲は立派だが敗ける相撲はもろかった。特に千秋楽に新鋭とはいえ若武者隆の勝
  に負けたのはいただけない。
6) 両小結は
    遠藤は7勝。怪我もなく上手い相撲で何度か勝ったが、この成績は実力なのだろうか。脱皮するには何かが必要。
    北海富士は4勝の大負け。押し相撲の力士の宿命か。彼も脱皮が必要。貴景勝に通ずる。
    二人は対照的な相撲で脱皮とはお互いに相手の得手を学べということだ。
7) 前頭展望
・徳勝龍 何勝するか楽しみだった。5-6勝かなと期待したが4勝留まり。前半の1勝7敗は3役対戦の連続で緊張のため力が充分出せなかったと見る。ただ鶴竜に勝ったのは
   一つの自信になっただろう。暫くは幕内上位から中位にいられるだろう。
・大栄翔3連敗の後7連勝で押しの強さを示した。何とか勝ち越し3役復帰だろう。今場所は貴景勝より押しの鋭さが目立った。幕内上位から3役を維持する力はある。押しがい
   なしで潰される負けが多いが、それの対策を身に着ければ大関もあり得よう。
・高安 元気そうで復活を予測されたが、気の毒に怪我で全敗。大きく下がって振り出しにもどることとなった。
・御嶽海 本来の姿に戻り、ライバル朝乃山にも勝って6連勝したが、両横綱に破れややメンタルに不調を来たしたか後半は平幕に4勝3敗で10勝どまりだった。前半の勢い
   なら12勝は出来たと思うので本人も不満だっただろう。来場所3役復帰だろうから大関挑戦を始めてほしい。    
・豊山 長年朝乃山のライバルだが、現在の地位は大きく差がついている。しかし朝乃山に勝った相撲は稽古を積めば近い将来3役入りも感じさせる。8勝どまりだったが、今
   後の伸びシロは大と見る。
・炎鵬 6人の3役には完敗。この地位で6勝は彼の実力。
・妙義龍・松鳳山
  個性のある力士だが歳の影響か両力士とも4勝。7-8勝は出来る力があると思うのだが段々若手に先を越されていくのか。
・琴奨菊・栃ノ心 7勝と6勝。元大関もこの地位でこの成績は残念だが、力の衰えを思えが仕方がないのだろうか。
・千代大龍 前半は6勝1敗と好調だったが8勝どまり。彼もすでに31歳。嘗ては明月院といって横綱候補だったがこの程度の力士となったか。
・隆の勝 12勝。終盤優勝争いに加わったのは立派。その状況の中で碧山・御嶽海・正代を破ったのは大きい。2018年秋場所に新入幕したが、一度十両に落ちて2019年11月 
   に再入幕している。来場所が楽しみ。有望株と見る。
・琴の若新入幕で9勝は立派。彼も来場所が楽しみ。
・輝 8勝。もっと活躍するかと思った。期待はずれ。
・碧山 この地位に下がると強い。11勝。ただこの好調は特にメンタル面でアドレナリンが出たためか。来場所上でどうなるかは??
・明生 7勝。 怪我がまだ完全に治ってないと見る。
・栃煌山 3勝。 予想外に悪かった。怪我? 十両陥落か? 嘗て豪栄道と大関を争った面影はない。復活は難しかろう。
・霧馬山・照強・志摩ノ海  それぞれ8勝。9勝、9勝。これまで余り関心がなかったが伸びシロがありそうだ。来場所少し上に上がってからの相撲が楽しみ。
1) 十両以下について
・照の富士 10勝。 連続優勝を予想したが意外に悪かった。しかし来場所再入幕は確実だから楽しみ。
・貴源治6勝。幕下陥落はないだろうが不満。あの相撲では再入幕は先か。鋭さがない。
・友風 全休だから幕下に落ちる。力はあるのだから怪我を治して再出発して欲しい。
・逸ノ城 9勝。まだ怪我が完治してないのだろう。
・豊ノ島 幕下に落ちたが2勝5敗。今場所引退を考えたが娘に励まされて奮起した。しかしこの成績。引退となるのだろうか。
・蒼国来 中国人。2011年5月に八百長問題で引退させられたが不服で裁判となり勝訴して2013年5月に復活して幕内で活躍した特異の経歴がある。歳のせいもあってか今場所幕
   下に落ちていたが全休して引退。日本国籍を持っていたので年寄りとなる道を選んだ。彼の相撲人生もヨシとみる。後進の指導で頑張ってほしい。
2) 終わりに
   観客なしの本場所は初めてだったが、行司や呼び出しの声がハッキリ聞こえたし、立会いの力士のぶつかる音の凄まじさも実感した。来場所までにコロナは解決しそうに
   ないからどうなるのだろう。