傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
写真、ゴルフを楽しみながら地域社会に溶け込む一応元気な傘寿越えの爺さんです。

令和2年大相撲初場所感想

2020-02-06 09:48:41 | スポーツ

                                            2020-2-6-
                                 大相撲令和2年初場所感想
1) はじめに
   両横綱が場所早々に休場し、大関豪栄道が不調だったが、貴景勝と幕内上位の正代と幕尻の徳勝龍が優勝争いで場所を盛り上げた。炎鵬ほか若手が個性を発揮しファン
   喜ばせたが総合的に世代交代を感じさせる場所だった。
2) 優勝力士徳勝龍に天晴れ
   14勝で優勝。場所前に優勝を予測した人はプロアマを問わず誰もいなかったのではないか。筆者もこれまであまり関心を持たない力士で、幕尻と十両を往復している力士
   という程度の認識だった。後で調べると前頭4枚目までつとめたことはあるとのこと。
   放映についても中盤以降白星が続いてから取り上げるようになったが、殆ど守りの突き落としによる勝ちだった。優勝を意識しているのではないかという解説もあった。
   ところが、千秋楽に貴景勝に勝った相撲は堂々たる4つ相撲でこれが幕尻の力士とは思えない勝ち方だった。逆に言えば相手がすでに優勝のチャンスをなくした大関だから
   アドレナリンが出なかったかもしれないし、徳勝龍自身が述べたように、場所中に急逝した大学の恩師がとりついた神がかりの勝利だったかもしれない。

   貴景勝はあくまでも押し相撲に徹するというが、今後大成するためにはやはり4つ相撲の素養が必要ではないかと思った。
   徳勝龍は優勝インタビューで「私が優勝してもいいのでしょうか」、一旦「優勝を意識しなかった」と口にしてすぐ、「嘘です。意識して優勝の弁を考えてました。」と
   場内を笑わせた。ユーモアたっぷりだった。そして「もう33歳でなくまだ33歳という考えで頑張る」と強く言い切っていた。ただ地元の祝勝会では「来場所は横綱大関 
   と総当たりになるがあまり期待しないでほしい」と本音と思える謙遜の弁だった。彼の性格を表している。
   とにかく来場所が楽しみだ。多くの幕尻優勝者は翌場所幕内上位で大負けしてきたが、彼はどうだろう。真価は来場所にかかっている。人柄もよさそうでファンも増える
   だろう。
3) 両横綱の奮起を望む。
   鶴竜は10㎏体重を減らしてしまい確かに力がなく軽く感じた。休場はやむなしだが、来場所次第で引退もあるのではないか。
   白鵬は3日目までうっかりミスの連敗。特に2日目は先場所カチアゲでやっつけた遠藤にカチアゲをかわされ、土俵内で裏返しにされた完敗で頭にきて3日目の負けに繋が
   り、病名を作って休んだのではないか。そういう敗け方をするということは
   彼の力の衰えを物語っている。35歳だから仕方がなかろう。
   白鵬は先場所優勝後に「50回優勝を目指す」と言っていたが、最近は「オリンピックを越したら今年中に引退する」ということも漏らしたという。まだ本音は??だ。た
   だ日本国籍を取って親方への道が開けたので引退は案外早いかもしれない。
   彼はカチアゲの野蛮な技など協会やファンの批判の対しては、「絶頂を過ぎた横綱が勝つための一つの戦法だ」「横綱が敗けるほうがよくない」と考えを改める意思はな
   さそうだ。純日本人でなくモンゴル系の日本人としての考えかもしれないが、筆者もあのカチアゲは野蛮すぎると思っている。
4) 両大関の明暗
   貴景勝は不満だったが、一応11勝で横綱不在の場所の大関の最低の責任を果たした。正代に負けた相撲が残念だっただろう。仮に1敗同士で千秋楽に徳勝龍と闘う場合だ
   ったら違った様相になったかもしれない。とにかく新旧交代の時代としての横綱候補の一人ではある。先述したように4つ相撲を少し身に着ければ鬼に金棒なのだが。
   豪栄道は怪我が治らなかったのだろうか。惨めな負け越しで残念ながら大関から陥落することとなった。全勝優勝を1回しているが、過去8回カド番を潜り抜けてきたとい
   うことは大関として不安定な成績だったことを示している。本人としては「関脇に落ちたら引退する」と言っていたらしいが、その言葉通り潔く引退を表明し、堂々と引
   退会見をしていた。涙はなかったのは以前から覚悟の上だったからだろう。今後親方として後進を育ててほしい。「自分はなれなかった横綱をそだてたい」と言ってい 
   た。
5) 両関脇の明暗
   朝乃山は10勝で来場所大関昇進の可能性を残した。しかし、両横綱不在、大関や関脇にも不調の力士がいる条件で5敗とは彼の潜在力から考えて不満だ。現在の実力は白
   鵬に匹敵するレベル、ハッキリ言って貴景勝より上と思っている。体格、体力、4つ相撲の上手さ、体の柔軟さなど超一級。大関の席が一つ空いたので来場所12勝で3場所
   33勝なら勿論、31-2勝でも可能性があるだろう。北の富士は「私の場合も大関の席が開いていたので29勝で昇進した」と言っていた。朝乃山は貴景勝を抜いて横
   綱候補のNo1と思っている。
   高安は怪我の影響か全く精彩がなかった。来場所は大きく下がるだろうし、しばらくは3役への復帰も難しいのではなかろうか。早く体調の回復を図ってほしい。
6) 苦闘の両小結
   大栄翔は小柄だが、強力な押し相撲で頑張ったが7勝。終盤4連勝でよく7勝にこぎつけた。もう一歩のところで土俵際で負ける相撲が目立った。自分でもわかって対策を立
   てているだろう。

   阿炎 5勝。長い腕を生かしたツッパリが得意だが、それだけでは限界。何かプラスがないと上に上がれないように思う。終盤の6連敗はメンタルの問題もありそう。
   「研修会で爆睡し内容について聞いてない」とSNSに投稿し協会から叱られたが、当然のこと。幕下の若造ならともかく3役力士として何を考えているのだろう。厳罰に処
    してもいいが協会は甘かった。
   両力士ともしばらくこのあたりでもまれるだろう。
7)前頭展望
①遠藤 全般は両横綱を倒す金星に輝き、破竹の勢いだったが、炎鵬に攻め方を迷って敗れてから調子を落とし、9勝留まり。終盤ライバル北勝富士と下位の豊山に負けたこと
   は彼の立場として残念だったし、反省点でもある。ただ、一頃よりも相撲が安定してきたので立ち合いでの相手の激しい突っ張りと押しをこらえる技術を磨けば3役定着
   もあるだろう。
②北東富士 序盤は不戦勝を入れて2横綱2大関に勝って4連勝したがライバル正代と阿炎 朝乃山に3連敗。その後気を取り直して勝ち進み、11勝はまず良しとしよう。し
   かし相撲に激しさはあるが、何となく不安定というか脆さがある。来場所が楽しみ。
③正代 13勝。数年前は大関候補だった。最近鳴かず飛ばずだったが様変わりの大健闘。顔色とか体格もまるで大関のように自信にあふれていた。終盤下位の徳勝龍に敗れた相
   撲は人生として痛恨の一番となろう。
   千秋楽に殆どの人が徳勝龍が貴景勝に負けて2敗同士の優勝決定戦となり上位の正代優勝と予想したが外れた。決定戦の準備をしていた彼が徳勝龍の勝ちを見て「ああ」と
   残念の大声を出した映像が流れていた。今場所の相撲を見る限り本物に感じるが、来場所をぜひ期待を込めて見たい。
④炎鵬 あの体で怪我をするのではないかと不安視していたが、見事離れ業を駆使して勝ち越した。天晴だ。相手に普通の相撲をさせない奇抜な身のこなしが白星になったが、
   今後相手も研究するから彼としてはそれ以上の研究が必要だ。しかし、何%かは正面から取り組む相撲になってしまって力負けが実態。嘗ての舞の海と同じで、将来大関
   横綱を目指す力はないが、常に幕内上位に位置してたまには3役に座る力士となるのが彼の相撲人生ではなかろうか。そしてそれは相撲ファンを沸かせる源となる。協会
   としては貴重な人材と思う。願わくは怪我で潰されないこと。
⑤御嶽海 期待に反して7勝。大関を狙っていたころの迫力が見られなかった。気分の問題もあるのか。特に終盤の4連敗は怪我か何かあったのかと思わせるような負け方だっ
   た。体調さえ戻れば再度大関を狙える力士と思うが、来場所の調子を見ないと時間的な予測は難しい。すでに朝乃山や正代より一歩遅れてしまった。
⑥老雄不憫
・玉鷲 3勝とは予想外の惨敗。相撲の勢いはあったように思ったが、星に繋がらなかった。
・妙義龍 両横綱を破ったが、5勝どまり。嘗ての大関候補もそれは無理。しかし幕内上位を維持する力はあると思う。
・琴奨菊 13枚目で7勝。健闘するが実力か。
・栃ノ心 6枚目で5勝。まだ怪我が残っているらしいが、大関に戻ったころの勢いは全くない。再起は難しいとみている。
⑦若手に明暗
・明生 琴勇輝 怪我か絡んで大負けと全休。気の毒だけど来場所十両だろう。特に明生は若手のホープ、再起を祈る。
・霧馬山 幕尻で11勝。来場所が楽しみ。
・豊山 有望と叫ばれながらしばらく大人しくしていたが、目覚めたのか、11勝。終盤遠藤と北東富士に勝ったことは彼にとって大きな自信につながったと思う。来場所に真
    価が出る。
・輝 彼も有望といわれながらしばらく大人しかった。10勝は自信となって来場所幕内上位でどう反映されるだろう。体も大きいし期待したい。
・勢 4連敗で始まり心配したが、後半頑張って8勝とした。プロゴルフアーの奥さんも喜んでいるだろう。
7) 十両以下について
① 照ノ富士 13勝で優勝。大関から序2段まで落ちだが、気落ちせずによく再起した。
    天晴だ。惜しむらくは終盤に2連敗してしまったので、来場所の再入幕はなかったと思うが、今年中には再び大関を狙える地位まで上がっていると思う。それだけの大
     物。大関狙いはすでに御嶽海より上とみる。
② 逸ノ城6勝どまり。怪我が治らないのだろう。
③ 豊ノ島 11枚目で4勝だから、幕下に落ちる。本人は引退の気持ちだったらしいが、    
   7歳の娘に「私が助けるから頑張って」と励まされ来場は幕下で相撲を散る決心をしたらしい。涙の物語だ。しかし、現実は厳しいと思う。来場所、6勝以上でないと戻れ
   ない位置だろうから。家族持ちの幕下以下の力士の給与については協会からは出ないが、各部屋で何か手当てするのだろう。
④ 貴源治10枚目で7勝。
   一頃の勢いはなかったが、何とか十両で相撲を取れそうだ。もうトラブルのショックはとれただろ。
⑤ 友風 有望力士だが怪我で全休なので来場所十両に残れるかどうか心配。
⑥ 蒼国来 中国人力士。不詳事件を乗り越えて復帰ししばらく幕内で頑張っていたが、十    
     両となり、期待していたが来場所は幕下に落ちるだろう。引退かどうか??勝負の世界だから仕方がない。
8) おわりに
    来場所は白鵬は戻るだろう。冒頭に記したが、世代交代の様相がさらに強まると思っている。
    貴景勝、朝乃山 、徳勝龍、正代、炎鵬、遠藤、北海富士、照ノ富士、御嶽海、豊山
    輝、龍電、霧馬山が頭に浮かぶ期待力士たちだ。

    一つ物言いについて。
    土俵外に飛んだ際に本来なら土俵の周りの土に足が着くのに、土俵の盛り土の外まで足が伸びれば足の高さは土俵面より低いのに土に着いていない。その時に相手が土
    俵内で手をついていたらどちらが有利なのだろう。誰の取り組みか忘れたが取り直しとなっていた。

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