傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
写真、ゴルフを楽しみながら地域社会に溶け込む一応元気な傘寿越えの爺さんです。

永田町劇場の珍舞台観劇記

2017-10-31 17:03:21 | 日記
                            永田町劇場の珍舞台観劇記
1)はじめに
10月の総選挙では与党が野党、特に民主党のオウンゴールの失態があったため大勝した。安倍内閣の支持率がイマイチなのにその自民党が大勝と言う珍現象が起きたのだ。
2)前原元民進党代表のカケ
 25日に小池氏が当時一見希望に満ちていた希望の党を自らが代表となって設立すると宣言し、同日安倍首相が28日に衆院解散するお明言した。都議選で小池氏に惨敗の映像が残り民進党が今のままでは再び惨敗と自覚した前原代表は一つのカケとして同じ思想の小池代表(右派で反共)を頭とする希望の党と組んで1体化すれば巨大与党に対抗しうると考えたのだろう。それのみが安倍政権打倒の手段だと。
野党第1党が自らの名を捨てて新党として戦うのは本来屈辱的な行動だが、希望の党が日の出の勢いに見えたのでその方が票に繋がると読んだのだろう。そもそも前原民主党元代表と小池希望の党代表の話の結論はどこまで明確になっていたのだろう。疑問が残る。二人の意思疎通の欠如が今回の混乱に繋がった第一の要因と思える。
3)民進党内の決議
 前原氏は小池氏の排除論について少しは聞いていたがストレートに伝えると自分の構想が頓挫しかねないので、党内の会合での提案は「希望の党名での出馬は全党員対象だが若し希望の党として出ない人は無所属で出る」と言ったし「必ずしも全員がそう出来るということでなくその努力をする」という説明もあった。マイルドにやや曖昧な表現をしていた。しかし殆どもめないで承認されたという。大問題のはずなのに何故かくも簡単に決まったのか。民進党員も「今のままよりベター」と考えた人が多かったということか。
要するに前原氏は話し合いで上手く妥結できて大きな保守の塊が出来るだろうと踏んだのだろう。結果として甘かったということだ。
4)小池氏の発言からの混乱
 ところが、小池氏が記者会見で「全員を受け入れる考えはサラサラない」「基本政策が異なる人は排除する」と明言しいわゆる踏み絵を準備して希望者にサインさることとなったから大混乱となった。踏み絵には民進党員がデモに参加して猛反対した安保法制の容認や憲法改正論が記されている。その中味は話によると原案が修正されてこじつければ民進党の思想に近いとも取れる表現になっているが。
民進党員には踏み絵のホンネを知って反発してサインを拒否した左派もいるが、もともと安保法制やむなしと考えていた右派は躊躇なくサインした。ただホンネは安法法制に反対だが、小池の風を頼った方が票になると判断してサインした人も何人かいたようだ。彼らは地元で反発を食って選挙中も選挙後も例えば安保法制はおかしいと言い続けている。彼らは失礼な言い方になるかもしれないが政治家として資格がないと思う。自分の思想信条を短期間に2度も曲げることは許せない。そのうちに何人かは脱党して立民党に入りたがるだろうが拒否されて無所属グループに入る人もあろう。
冷静に考えれば前原氏の「巨大与党に対しては野党が纏まらなければ勝負にならない」のも真実だし、小池氏の「思想信条の異なる集団が一緒に行動するのは政策集団でなく烏合の衆」というのも真実。失礼さを知って言わせていただければこれまでの民進党はこれに当てはまっていたと思う。(国の安全に関わる基本政策について意見の違う人が一つの政党にいた)
5)選挙の結果
 議員懇談会では希望の党の名を唱えない人は無所属で出るという決議だったが枝野氏が新党を立ち上げた。これは党としての決議違反だが今になって殆ど問題視されていない。よく見ると立憲民主党にはせ参じた人は民進党の左派の実力者が殆ど。今回の選挙でも当選率は高い。
一方小池氏の希望の党は「さらさら」とか「排除」表現で逆風となった。希望の党の当選者で新人は1人で後は民進党のベテランの右派。小池代表がもう少し柔らかく立ち回れば民進党員の分裂のパターンは同じでもそれぞれの獲得票数は違って希望の党にプラスとなり、立民党への判官びいき票は減ったかもしれない。それは結果論。当時の小池氏は自信の塊りしかなく正に高ぶっていたのだからあの発言も首相を狙う一人の女性政治家として仕方がなかったと思う。当時は党代表として出馬も考えていたのではなかろうか。
選挙の結果は衆目の知る通りとなった。
6)各党の今後は
 立民党の今後はどうなるだろう。70年前と内外の情勢は激変している。安保法制にしても中国や北朝鮮対策で日米同盟を更に強化して運営するためには数年前の取り決めのままでは通用しなくなっているということを考えれば、憲法改正や安保法制について今の党の考えはあまりにも硬直過ぎると思う。枝野代表は「俺は保守」と言うが、筆者には保守でなく寧ろ共産党との共闘に積極さがある所など社民党と類似に見えてならない。英国や米国のように2大保守党の政権交代を一つの政治の形と考える日本国民としては今のままの立民党ではついていけなくなると思える。
希望の党は今回の首班選挙でも党としてお粗末な対応しか出来なかったが、まだまだこれからの党だ。ただ玉木・福島・笠・細野など元民進党の右派の筋金入りが揃っているし近く前原氏も入るという。一段落すれば立て直れると思うしいずれ希望の党が野党第1党となると予測している。
無所属で出たグループも首脳級の大物ばかり。当面は民進党に留まるらしいが、どうなるかよく分からない。
7)おわりに
 永田町劇場で前原氏の投げた石で野党第1党は自ら分裂し衆院選挙で巨大与党を安泰とした。彼は党内外から非難され責任を取って民進党代表を辞任したが、野党の中の右派、左派を明確化させ野党再編の引き金を引いた点で、国の政治のあり方を変革した功績はあったと思う。今回の民主党の分裂は日本の政治の歴史に残る事件だったと思う。


平成29年大相撲秋場所所感

2017-10-03 11:01:54 | 日記
                                                         平成29年10月3日
                                平成29年大相撲秋場所感想
1)はじめに
 スタートから3横綱と人気の宇良休場の異常さがあったが、直ぐ優勝候補だった高安、そして手負いの照ノ富士がダウン。どうなるかと懸念していたが最終的には千秋楽の結びの1番が優勝を決するという流れとなって協会はホッとしただろう。一度は地獄に落ちた日馬富士の一人横綱としての責任感と執念、それに超若手の活躍がファンを引き止めたといえよう。筆者として印象に残る何人かの力士についてコメントを綴る。
2)豪栄道
 普通なら優勝した日馬富士を冒頭に取り上げるべきかもしれないが今場所については「喝」の意味もあって彼を最初に取り上げる。
 初日には負けてカド番で大丈夫かと心配したが2日目以降勝ち進んで終盤まで余裕をもって優勝街道を走っていた。尤も2度どちらかに飛んだ奇襲の勝ちはあったが。10日目で日馬富士と3差あり、後は下位力士との取り組みだからその勢いで14勝1敗か日馬富士に負けても13勝2敗で優勝と予想していた。本人もその積りだっただろう。ところが12日目の松鳳山、13日目に貴景勝と平幕に連敗して雲行きがおかしくなった。本人も危機意識が出て硬くなったのかもしれない。この2番は悪い癖の引きで墓穴を掘っている。千秋楽には1差に迫った日馬富士の気迫とスピードに圧倒され2番とも相撲にならない完敗。実績とメンタル面の差では日馬富士が何歩も上だから戦う前から日馬富士有利との予想が多かったが予想通りの結果となってしまった。彼としては何とも心残りのする悪夢に満ちた場所だっただろう。あの夜は残念無念で眠れなかっただろう。是非反省して精神面の鍛錬もして再度挑戦してほしい。彼には大関として好不調の波を出さない体調管理が必要だろう。
3)日馬富士
 場所が始まる前は横綱は1人だし大関は2人ともカド番であまり期待できないから高安との優勝争いと予想され、その高安が怪我で退いたので2日目で負けても13勝か14勝で軽く優勝と見ていた。
横綱として11勝の優勝はあまり天晴れとはいえない。しかし初めての一人横綱の場所で強心臓の彼も緊張したようだし序盤で2勝3敗で優勝戦から脱落と揶揄され中盤も豪栄道に2差をつけられてしかも常時手負いだから他の横綱が出ていたら或いは休場したかもしれなかった。横綱の責任感で中盤以降一応白星を続けたが10日目に負けて4敗となり豪栄道と3差となった時は「駄目か」と気落ちしたと思う。ところが豪栄道が不覚の2連敗で1差となってからは人が変わったような鋭い相撲となった。彼本来の姿を見た感じだった。14日目の御嶽海戦、そして千秋楽の豪栄道との本割りと優勝決定戦の2番は全く全盛期の彼を思い出させる鋭さだった。今回は正に豪栄道のオウンゴールで優勝杯を手に出来たといえる。とはいえ彼自身横綱として序盤で金星3ケ提供の汚名を受けながらよく耐えて優勝戦線にカムバックした精神力には天晴れと言いたい。
兎に角優勝は優勝おめでとう。何と言ってもまだ角界No.2と言うことだろう。
4)他の大関について高安・照ノ富士
 高安の怪我は不運。来場所に期待。照ノ富士は途中休場。兎に角相撲になってない。怪我はまだ治らない。寧ろ先場所より悪化したのではないかと心配だ。完全に治して復活を期待する。あの若さだから仮に十両まで落ちても1年で大関への復活もありえよう。何度も書いたがもっと早く休んで治療に専念すべきだったと思う。
5)関脇・小結評
 嘉風は「大関とり」を公言していたが序盤の4連敗とは意外なスタートだったが。中盤にスピード感で8連勝で挽回し大関昇進の基礎の2桁勝てるかと   思ったが終盤に崩れた。8勝どまりだった。歳から考えると、筆者は大関はやや無理と予想している。ただファンを喜ばせる取り口は立派といえる。
 御嶽海 次ぎの大駅候補だが、今場所は序盤に下位に2連敗と冴えなかった。千秋楽にライバル嘉風を下してようやく8勝のギリギリの勝ち越し。いろい  ろ研究されているはずだから何か相撲に改善が要るだろう。下位に意外に脆い。
 玉鷲は今場所も不調で遂に来場所は前頭筆頭に下がるだろう。先場所と同じ7勝8敗。高安に勝った相撲で足首を傷めたことが影響したのだろうか。大関  候補だったが振り出しに戻った。
 栃煌山は久し振りの3役も負け越し。往年の大関候補も既に峠を越したと見るべきか。
  何とも迫力を感じない。子供が生まれていいパパ力士で終わるのだろうか。
6)前頭展望
①筆頭の琴奨菊・栃ノ心
 琴奨菊 初日に豪栄道に勝った時は失礼だがフロックと思ったが何と10勝し、来場所3役に復帰確実となった。天晴れと言いたい。尤も3横綱や高安不  在を考えればこの数字は驚くことはないのかもしれないが。元大関として悪びれも無く懸命に頑張る姿は若手に対して手本となろう。ただ実力世界だ  から来来場所以降も3役を維持できるかどうか何とも言えないし大関復活は無理と考える。
 栃ノ心は膝の怪我の影響で充分相撲が取れなかったに尽きる。彼もこれ以上あまり伸びないと思う。大型力士が増えたので怪我対策は境界としての課題  だろう。

②超若手の台頭
 阿武咲・貴景勝の両力士が場所を盛り上げたといえる。共に21歳の若武者。先輩や上位力士に物怖じしない取り口で二人とも我武者羅に前に出る相撲が  目立つ。阿武咲は日馬富士を、貴景勝は日馬富士と豪栄道を破ったことは賞賛に値する。来場所が楽しみ。先輩たちも研究してくるからどうなるだろ  う。阿武咲は来場所3役入りだろう。
③その他思いつくままにーー
 千代大龍 終盤までは筆者の予想以上に頑張ったが、終盤に崩れた。幕下時代から明月院として将来の大関と期待されたが病気になって2度十両まで落  ち、このまま相撲人生を終わると思っていたが、先場所から復調。病から解放されたのだろうか。しかし今回は終盤に何故か5連敗して8勝どまり。本  当はどこまで復調したか疑問。
 松鳳山 何とか8勝したが、終盤の豪栄道戦に勝ったのが目立った。一頃は高安と同格だったが、だいぶ格差が出来てしまった。
 北勝富士有望力士の一人だが残念ながら負け越し。日馬富士と御嶽海に買ったことは評価できる。御嶽海のライバル。
 正代 期待されているが成績はでない。立会いの甘さが治らない。性格もあろうが改善しなければ昇進は難しいと見る。
 遠藤 久し振りに10勝。怪我が治ったのだろうか。何度も怪我するが怪我しない体力作りも必要。
 石浦。大負で来場所は十両陥落だろう。相手に読まれてしまったのか。今場所休場した宇良と比較されるが格差をつけられてしまった。体力がないのだ  から工夫研究が重要。
 隠岐の海・体も柔らかく経験実力もあるはずなのに冴えない。幕尻で8勝とは不思議だし情けない。
 宝富士 まずまずの成績。来場所又上位で活躍を期待。
 佐田の海 病気の影響だろう。大負け。来場所十両で又復活を期待。嘗ては有望視されたがこの調子では若手に先を越されて終わってしまう。
 逸ノ城 新入幕時代の勢いがない。重すぎるのかスピードに追いつけない。
 勢 怪我の関係で力がでないのだろうか。
 輝 期待の星だがまだモタモタしている。もどかしい。
 大栄翔・大栄翔 似たような四股名で両人とも調子がよくよく間違える。どちらも中盤まで絶好調だったが、中盤以降崩れた。今後の期待の星。
 朝乃山・豊山 前者は敢闘賞の天国、後者は大負け出で十両陥落の地獄。実力はあまり変わらないと思うので出足の差が場所の星に関係したと思える。
7)十両以下力士について
①妙義龍・安美錦・琴勇輝
 揃って勝ち越して来場所再入幕するだろう。しかし妙義龍も峠を越したのだろうか。
若手の勢いに押されているようだ。
⑤豊ノ島 先場所は幕下27枚目で5勝今場所は17枚目で4勝しか出来なかった。実力から言えば考えられない平凡な成績。まだ怪我が完治しないのだ ろう。早くカムバックしてほしい。
8)その他
①来場所の番付
 関脇に照の富士が落ちるので3名。小結は琴奨菊と阿武咲。玉鷲は前頭筆頭に落ちよう。
十両陥落は豊山・徳勝龍・佐田の海と石浦。入幕は妙義龍・安美錦と琴勇輝のカムバック組と大奄美の4名だろう。
⑥物言いの説明について
  何時も気になるのは「先に手を着いたが庇い手で勝ち」。「先に土俵を割っても相手の体が死に体だったとか足首が裏返っていた場合には勝ち」とい う時の検査役の判断だ。その都度検査役の主観で決められるが制度上仕方がないことだろう。ただ説明のしかたとして「行事軍配はAの足が先に出たと  軍配を上げたが同時と見て取り直し」でなく「Aの足が先に土俵を割ったがBが死に体となるのが同時と見て」と言うように理由を入れたほうが観客 に分りやすい。検討してほしいと思う。
9)おわりに
 冒頭に書いたが、3横綱休場、一人横綱が序盤で躓きでどうなるかと懸念されたが、悠々と優勝街道を走って優勝戦線の興味が無くしていた豪栄道が大きくポカをしたために千秋楽の結びの一番が優勝に絡むこととなり、優勝レベルは落ちたがファンには面白くなった。豪栄道には気の毒だが興味を盛り立てて功労者といえる。
14日目終了後協会幹部が仮に本割で豪栄道が勝って13勝となれば決定戦に負けても来場所横綱を狙えるとコメントしたが、前場所は負け越してカド番だったし、その他も1度はカド番で全勝優勝したものの決して本来の大関の成績を残していない。甘すぎると思う。本場所優勝でカド番とか従来の不成績を帳消しとし来場所から2場所の成績を考えるべきだと思った。稀勢の里が1回の優勝で横綱昇進をしたが彼は年間最多勝も取っているのだ。二人には比べられない差がある。