傘寿の真保守宣言

素人の政治、スポーツ、社会評論です。
写真、ゴルフを楽しみながら地域社会に溶け込む一応元気な傘寿越えの爺さんです。

平成26年大相撲5月場所の感想

2014-05-30 05:12:29 | 日記
                          大相撲平成26年5月場所感想
 最近何故か政治に関する意見をあまり述べる気がしません。絶対多数の議席を持つ安倍首相の考えに合格点を与える立場なので緊張感がないという理由だと思います。
集団的自衛権については地元の新聞に投稿し掲載されましたが、その主旨は「永田町やマスコミは憲法解釈変更論で持ちきりだが、世界193の国でスイスと日本だけが行使を否定している。スイスは世界的に認めている永世中立国でそれなりの自衛体制を整備しているので行使否定が国際的に認められているが、わが国はご覧の通りだ。わが国は正に世界の中で異質の国なのだ。先進国として何時までも異質の国でいられないのではないか。同権利の行使は国際社会で普通の国へ変身するための一歩前進という切り口で論議して欲しい。」という内容でした。

今回は恒例の大相撲のTV観戦の感想をまとめておく。
1)万全でなかった白鵬の優勝
 白鵬が29回目の優勝。2場所続けて優勝を逃すことはないので今回は優勝すると予想したがそのとおりだった。何と言っても2番手との差が大きすぎる。ただ今場所の白鵬は磐石の相撲と言うよりも嘉風との一番のように何か慌てて危なかった相撲が目に付いた。解説の舞の海もこの点に触れていたが、「横綱は自分の強さを一層際立たせたがったために却って逆襲を食らう。普通に落ち着いてとれば楽に勝てるのに」と言っていた。
 1敗同士の稀勢の里戦で稀勢の里が2回突っかけた時に立たずに3回目には逆に1瞬早く立って稀勢の里は2回突っかけた反省もあって一瞬遅れたのに待ったせずに立ったので相撲にならずに勝負が決まった。白鵬の冷静な作戦と言う見方もある。稀勢の里サイドから言えばナカナカの策士と言う一面をのぞかせた。
 スポーツファンとして全ての記録は破られるものという考えからいえば、大鵬の32回優勝を彼に破らせたいと言う気持ちがある。人格者だし好感が持てる。29歳の若さで殆ど怪我もしないから来年中に達成するだろう。
2)日馬富士と鶴竜
 日馬富士は序盤に2敗したが終盤まで頑張った。優勝戦線に残るかどうかの稀勢の里との一番で髷を摑んだ反則負けを喫したのは残念だったろう。千秋楽では戦意をなくしていたかどうかは分らないが白鵬と4つに組んで直ぐに土俵中央で投げられたことは二人の力の差を見せ付けたようにも感じた。まあ彼は精一杯頑張ったといえる。
 鶴竜は新横綱の緊張があったかも知れないが先場所と様変わりの場所だった。9勝では横綱としては落第点。来場所は汚名挽回をしてほしい。日馬富士も新横綱の場所は不調だったが確かその次の場所に全勝優勝したと記憶する。鶴竜よ。日馬富士に続け!!
白鵬は8年で8個の金星を与えただけだが、日馬富士はこれまで10場所で10個の金星を与えている。力の差は歴然で白鵬の安定的な強さを物語る。
3)大関陣について
 稀勢の里はよく頑張った。ただ序盤で先場所敗れた碧山に全く同じ状況で敗れた。大いに反省しただろう。来場所こそこの取りこぼしのないようにしないとーー。終盤までその1敗で勝ち続け問題の白鵬との相撲で2敗となる。前述で白鵬を策士と少し悪く書いたが、白鵬サイドから見れば立つ前の2回は稀勢の里が異常に早く突っかけたの(たまたまTVで見ていたがそう感じた)だから3回目は自分が意識的に早く立つと言う流れになってしまった。立会いが合わなかった原因は稀勢の里にあると思っている筈だ。稀勢の里はその14日目に日馬富士の反則で勝ちを拾って2敗で済ませたことは彼にとってもラッキーだった。来場所仮に全焼優勝すれば横綱の話は出るかもしれないが初場所は負け越し、3月にも勝ち越しギリギリだったから更に1場所見ようということになるだろう。力は横綱級なのだからメンタル面の強さを磨けば成就しよう。とにかくここ2-3場所は彼の相撲人生を左右する重い場所となる。
琴奨菊は怪我が治ってないのか不調で負け越した。仮に来場所カド番を脱しても最近の状態を見る限り一頃の琴欧州のように万年大関で最後に陥落引退と言う道を歩むのではないかと案じている。
4)遠藤は期待はずれ
 遠藤の活躍を多くのファンが期待したがそれを裏切った。確かに鶴竜を破った金星は光るがその他は上位に通じなかったし下位に対しても大砂嵐のような馬力のある相手のブチカマシには脆かった。4つに組んで技を競う相撲となると力を出せるが立会いの厳しさがなくブチカマシに弱いと言う欠点がある。そこを改善しない限り3役はまだ無理と見る。
性格も大人しそうだからこの相撲の厳しさをどう身につけるかが課題だ。まだ角界に入って間がないのだから時間がかかるのも已むを得まい。
5)3役に物足りなさ
 栃煌山と豪栄道は現状はこの程度の力か? どうも2場所良い成績を続けることがない。
何か殻を破らなければ上には上れまい。
 嘉風・千代鳳の両新小結はあえなく惨敗。まだまだなのだろう。
6)前頭展望
 遠藤は前述済み。入幕2場所目の照ノ富士も好成績。これもモンゴル。今年中に幕内上位に上るだろう。
 千代大龍は負け越し。一頃将来横綱と期待したが網膜剝離もあって頭から突っ込めないと言うことだ。彼の得意技だっただけにそれがやれないとなると将来は暗い。
 妙義龍は怪我が完治してないからかやっと千秋楽で8勝目となった。3役の力はあるのだから今年中にはカムバックすると期待している。
勢が急に強くなった。来場所同じようなら見直そう。
このあたりの力士は場所ごとに調子の高低が乱れるので長い目で見ないと本当の評価はできない。 松鳳山、高安、碧山も然り。
安美錦は老雄と言ったら失礼かもしれないが立派。来場所は久し振りに3役だろう。豊ノ島はそろそろ落ち目の時代か。宝富士11連敗のあと4連勝。勝ち始めた後の相撲は負け続けてている時と全く違う。力士には気分が働くのか。有望と思っていた隠岐の海は不調。栃の若も素質はありそうだが目がでない。2人共通の欠点は大人しさか。覇気が乏しい。
 入幕2場所目の照ノ富士が病後に関わらず9勝した。来場所上位に上がるだろう。彼もモンゴルの出だが有望力士の一人だ。
佐田の海が新入幕で10勝、敢闘賞に輝いた。父親元小結佐田の海に続き史上初めての親子で新入幕の3賞受賞。数場所で幕内上位か。
豊真将・蒼国来も久し振りに幕内で勝ち越しした。更なる健闘を期待する。
7)十両以下について
 逸ノ城は十両で優勝したが数場所で幕の内の上位に上るだろう。彼もモンゴルだ。
若の里が久し振りに好調だった。再入幕するだろう。先はそう長くないだろうが老雄の頑張りはファンを喜ばせると思う。
幕下の栃の心が全勝優勝した。3役経験者が怪我で落ちていたのだから怪我が治ればこの位置で勝つのは当然かもしれないが精神的な落ち込みもあったはずだからその悩みを克服して優勝したことは天晴れだった。恐らく今年中に再入幕するだろう。

 近い将来 逸ノ城・照の富士・遠藤・大砂嵐・佐田の海、千代鳳、など新鋭力士たちが、現在中堅で頑張っている前述の勢、高安、松鳳山、千代大龍、妙義龍などと熾烈な競争を繰り広げられるのが楽しみだ。常幸龍、徳勝龍も一休みだがまた殻を破るのは何時だろう。


8)話題あれこれ
①「髷つかみ」と言う反則
今場所鶴竜・豪栄道戦と日馬富士・稀勢の里戦の2回髷つかみと言う反則が発生した。規則では「故意に髷を引っ張ると反則負」となっているが最近の判定は「故意に」という文言を無視してとにかく「髷を摑んだら反則負」と言う判定がなされているように思う。
鶴竜・豪栄道戦では勝負が殆どついた後で豪栄道の指が鶴竜の髷にかかったのに豪栄道が反則負けとなった。
恐らく故意に髷を引っ張って勝とうとする力士はおらず、相撲の流れで指が髷にかかってしまうのだろう。北の富士解説者が最近の判定に疑問を持っていたが同感だ。北の富士は規則があるのだから無視はできないが取り直しとしたらいいじゃないかいいと言っていたが同感だ。
日馬富士と稀勢の里戦で軍配は稀勢の里に上がった。TVで見る限り行司差し違えと思ったが早速物言い。結論は行司の軍配どおりだったが意外にも原因は思いもよらないな日馬富士の反則負。行司は反則を見抜いて軍配を上げたのかどうかは謎だ。行司のコメントはない。
②「満員御礼」日の増加
相撲の人気が復活しつつあり今場所は10回満員御礼となった。当然ウイークデイにも何回かそうなったということでファンとしても喜んでいる。
6日目に満員となったのは17年ぶりと言う。
③制限時間前の立会い
6日目の松鳳山と高安が時間前に立ち上がった。最近では見たことがない。いいコトと思った。
④横綱に一言
白鵬・日馬富士両横綱に言いたいことがある。両横綱とも度々立会いで相手の頬を張る。癖になっているようだ。張るプラスもあるが脇が空くマイナスもある。プラスがあっても横綱だから張り手と言う奇襲によらないで突っ張るとか組み伏せるか正攻法だけで攻められないか。日馬富士は時々横に飛んで相手の突進を避ける。これも違反ではないが横綱としてはあまりやってほしくない。
⑤まわしの締めかた
栃煌山のまわしの締めかたは異常にきついそうだ。まわしを取ろうとしても指が入らないと言う。そこまでの噂があると言うことはフェアではないと思う。協会として注意すべきではないか。戦前に照国という色白の横綱がいたが彼の場合は逆にユルフンで有名だった。まわしをとっても緩いので技がなかなかかからなかったと言う。48手でなく49手目の戦法と揶揄された。
9)おわりに
 力士たちが土俵上で熱戦を繰り広げれば今後大相撲は益々復活の傾向を示すだろう。3横綱をはじめとし有望な若手力士たち活躍に期待したい。それだけの素質を持つ力士たちが出てきたことは喜ばしい。