傘寿の真保守宣言

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令和元年大相撲福岡場所感想

2019-12-09 13:36:22 | スポーツ
                           令和元年大相撲福岡場所感想
1)はじめに
  休場明けの白鵬あっての場所だった。大栄翔に不覚の1敗となったものの、やや粗暴な相撲もあったが、相手を寄せ付けない力と技で優勝を飾った。それと新旧交代を感じさせる場所といえる。気になった力士についてコメントを記してみた。
2)白鵬に天晴れ、だが一苦言も言いたい。
  9月に日本国籍を取得し、自分としていろいろ感じる場所だったと思うが、一人横綱の責任を果した。今場所は大関も途中から不在となったので 一層責任感に燃えたと思う。歳もとってきたためか怪我による休場が多くなったが今年皆勤の3場所のうち2場所優勝したのだからまだまだNo. 1の地位は揺らいでいないことといえる。優勝後のインタビューで「怪我をしてまいった。今後優勝できないかと思った」と弱気になった時もあっ たことを告白したが、同時に今回の43回目の優勝で自信を持ったのか「50回優勝を目指す」と宣言した。既に最盛期を越しているのだから周り からあれこれ言いたくないが、大横綱として立会いの作戦で奇襲したり、カチアゲの粗暴な相撲はやめて欲しいという気持ちはある12日目の遠藤 との相撲での激しいカチアゲは余りにも粗暴で横綱としては見苦しかった。下位の力士が横綱に同じ戦法を取る勇気はないと思うので言ってみれば 不公平な感じもする。今後も大横綱としての実績を重ねると予想するのでこの粗暴な取り口だけはやめて欲しいし協会もはっきり彼に注意すべきと 思う。もう一つ、千秋楽で貴景勝との相撲は一度待ったをし次には正に異常な速さの立会いで相手を圧倒した。どう見ても彼の作戦としか見えな  かった。後味は悪かった。
3)鶴竜と大関について
  鶴竜は折角先場所優勝したのに休場となった。健康のことだから仕方がないが、今後管理を万全にしてNo.2として頑張ってほしい。高安は体 調不調のまま出たらしく彼らしさなしのまま休場し、大関から退くこととなった。若手が伸びている中で来場所10勝できるか疑問符がつく。豪栄 道も最近不安定さが目立つ。前評判ではいいという話があっても蓋を開けたら駄目と言う場所が続いている感じだ。既に33歳だから彼も大関どま りかなと言う感じがしている。
4)明暗を分けた3役陣
(ア)小結朝乃山
  明の第1人者。正に堂々たる大関相撲で11勝。現状では白鵬に次ぐNo.2ではないかと思っている。今場所は白鵬の速攻に屈したがガップリ 組んだらどちらが勝つか分らないくらい4つ相撲に強い。来場所以降が楽しみだ。もちろん相手も研究するだろう。速攻対策を考えるべきだろう。 大関は近いし将来横綱にもなりそうだ。
 今年の年間最多勝となった。今年は常連の白鵬も休場が多かったが、横綱、大関以外と取ったのは久し振りだし立派だ。
(イ)阿炎
  明のNo.2朝乃山に隠れているが3役で勝ち越しを続けている。長い手の突きで星を稼いでいるが、それだけの感じがするので4つ相撲を学び たい。ただまだ朝乃山のような大物の感じはしない。もう少し時間がかかりそう。
(ウ)チョッピリ暗の遠藤と北勝富士
  二人とも7勝8敗。北勝富士は我武者羅さがあるが脆い。遠藤は本格的な技があるが我武者羅さがなく大人しい。対照的な二人だが仲良く7勝で 来場所平幕となろう。今後稽古でどのくらい自分の弱点を克服できるかが鍵。
(エ)暗の極み 御嶽海と栃ノ心
  両関脇は最悪の結果。栃ノ心は大関復帰どころか途中休場で平幕転落となろうし
 大関を狙ったはずの御嶽海も眼の負傷が影響したらしいという不運もあったが、6勝止まりで平幕転落となろう。大関取りも振り出しに戻った。ま だまだ相撲に安定感がないように思う。筆者の感じでは朝乃山に力も番付も先を越されたと思うが、実力的には鶴竜並みのNo.3と思うからいず れ大関にはなると思う。
5)前頭展望
(ア)大栄翔
  何とか8勝。小柄だが突き押しには威力がある。白鵬を面食らわせ圧勝したのは立派だった。来場所3役になるだろうし若手のホープとして期待 している。筆者としては彼と明生と友風に目をつけている。
(イ)明生
  残念ながら6勝。このあたりで暫く揉まれるうちに伸びてくるだろう。
(ウ)妙義龍
   怪我が治ったのか2枚目で8勝。しかし、相撲の上手さはさすがだが、往時の力強さはなくなった。来場所また3役入りだろうがこの辺りが  「家賃」相応と見る。
(エ)玉鷲
  彼としては怪我のない場所で8勝は不満だろうが、周りの若手が伸びたのでやむをえないと思う。歳から考えて今後も厳しいだろう。
(オ)龍電
   苦労人なので応援しているが相撲が正直すぎて損をしているようだ。丁度遠藤にタイプが似ている。上に上がるには今と違った相撲も勉強しな  ければなるまい。
  と言っても性格があるから難しいが。
(カ)友風
  全休だから幕尻に下がろう。十両陥落の可能性も???怪我が治れば又上に来る力士だ。
(キ)炎鵬
  あの小兵でつぶられそうだが、上手く立ち回って8勝した。お見事。来場所上位での相撲が楽しみだ。相手は当然研究するだろうが、彼もそれに 勝る研究を重ねるだろう。どのくらい通用するか楽しみだ。
(ク)琴奨菊
  得意のガブリ寄りの迫力もかなり衰えてきた。6勝は歳から仕方があるまい。しかし接戦を乗り切れば幕内上位に戻る力はありそうだ。
(ケ)豊山
  有望と目されていたが足踏み状態。8勝では不満だろう。
(コ)正代
  彼も2年前頃は有望力士だったが、10枚目まで下がった今場所はさすがに11勝。
 千秋楽に朝乃山を圧倒した相撲は印象に残る。11勝は下位での実績だからこれを引き金として来場所上位で頑張れるかどうか。又負け越すようで は望みがなくな
(サ)千代大竜
  この地位なのでからか9勝。往年の大関候補も衰えは隠せない。立会いのぶつかりも威力は減退した。当面は幕内で上下するだろう。
(シ)輝
   有望といわれながら足踏みが長かったが、今場所はやっと10勝。しかし、上位で通用するかどうかはまだ疑問。来場所上に上がって勝ち越す  なら見直そう。
(ス)逸ノ城
  怪我で全休。十両に落ちるが仕方がない。
6)十両以下について
(ア)老雄の復活・勢・魁聖・栃煌山・
  来場所は十両陥落候補が5-6名いるのでこの3人は再入幕するだろう。
(イ)貴源治
  前半は1勝7敗で幕下陥落と思ったが、後半頑張って最終的に5勝となったので何とか十両に踏みとどまるだろう。兄が暴行事件で引退したし自 分も小さな事件を起こしたのでショックもあったのではなかろうか。前場所と違って相撲に勢いがなかった。正常に戻れば又幕内に戻れるだろう。
(ウ)臥牙丸 豊ノ島
  両老友は哀れなものだった。豊ノ島は6勝したがこの力では来来場所も再入幕は厳しいのではないか。臥牙丸は幕下に落ちるが続ける気持ちなの  だろうか。
(エ)照の富士
  幕下で全勝優勝。来場所は待望の再十両だろう。怪我さえ治せば遅くとも来来場所には再入幕と思う。まだ若いから朝乃山と大関争いを演ずるか  もしれない。ただ長い間下位でしか相撲を取ってないから幕内上位の相撲の感覚が戻るかどうかが不安材料と思う。
7)おわりに
   一人横綱大関なしの場所だったが、何とか白鵬の頑張りと若手の成長でファンを繋ぎとめたが、この怪我の多さは何とかしないと大相撲の「命  取り」になりかねない。
 前にも書いたことがあるが、力士は15日制度6場所で90日。毎年4日に1日は生活のかかる真剣勝負をしている。それに巡業が90日ある。普 通のスポーツにはオフがあり怪我を治したり体を休める期間があるが力士にはそれがない。そして、一度不幸にも怪我をしたら、休場での転落を避 けるため治療が未完のまま場所出るから更に悪化することもある。前述の照の富士はその例だ。ずっと前にあった公傷制度(場所の怪我での休場で は番付けを下げない)の復活を含め何か怪我をした力士の救済を考えるべきではなかろうか。昔に比して力士が大型になったし(9月の平均体重は 162.5kgでこの30年で体重の平均で15kg増加したそうだ)、相撲そのものも4つ相撲よりも格闘技的な粗っぽい相撲が多くなったも怪 我の多くなった一因だろうし、
  相撲の基礎である四股とテッポウで鍛える習慣が一頃より減ったということも怪我増加に影響しているらしい。とにかく何か対策が必要。




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