MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

優先事項は貴方が

2014-12-08 00:00:00 | 音楽演奏・体の運動

12/08     優先事項は貴方が




 これまでの音楽演奏・体の運動』目録 です。

  

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 貴方が Violin 型の楽器を演奏しておられるとします。
普通は肩当て、顎当てを使っているでしょう。


 そこで、もしこれらを買い換えるとすれば、どなたに相談
しますか? 親しい友人は別として。

 先生や演奏家? 楽器製作者? それとも楽器屋さん?

 

 今回は、まず “肩当て編” です。

 種類はたくさんありますが、大別すると、(1) ブリッジ式、
(2) クッション式…に分かれます。

 比較しながら、特徴を幾つか挙げると…、


 (1) は、楽器の裏板には、基本的に接触していない。
したがって、ある程度の高さ (厚み) がある。

 (2) は、面積の多少はあるが、裏板に接触している。
高さ (厚み) は低い。




 「裏板には、出来るだけ接触しないほうがいい。」

 これは、どなたでも指摘する事です。 原因としてすぐ
重い浮かぶのは、〔板の振動を妨げてしまう〕…から。

 この点で、(2) クッション式は不利なようです。 弓の
重さや運動エネルギーまで、あるいは吸収してしまう
のかもしれません。

 

 では (1)、(2) の、どちらが弾き易いか? これは、
奏者によって様々です。

 強いて言えば、楽器を保持、支持する奏法と関連が
あるかもしれません。 以下は、前回の記事でもご覧
いただいた、二つの方針です。

 

 (A) 楽器を保持する負担を左手に強いることは、極力
  避けるべきなので、基本的に顎の力で挟む。 それ
  だけで楽器を支持できなければならない。


 (B) 左手への負担は最小限にしなければならない
  が、顎はフリーであるべきだ。 顎を固定すれば、
  その不自由さは、腕を始め、全身に波及する。

    顎を含め、身体全体が緊張から解放されるよう、
  運動に無駄のない、効率的な奏法を試みるべきだ。

 

 これらは、主に顎当てに関する問題でした。

 (A) 顎でガッチリ挟むか、それとも、

 (B) 出来るだけ顎を解放するか

…の、奏法の差です。


 さて、この問題は、肩当ての選択とも関連があるのでは

 ちなみに肩当ては、

 (1) ブリッジ式のほうがガッチリしている。

 (2) クッション式は、基本的に載せるだけ。


 どちらかに徹底するなら、肩当てと顎当ての組み合わせ
にも充分配慮する必要があると思われます。




 以上を纏めると、

 ・ 弾き易いかどうか…には、奏法によって差がある。

 ・ 楽器の振動の点で、クッション式には若干問題がある。

…というのが、肩当てに関する大雑把な見方です。


 肩当てに関して相談するなら、相手が、どういう観点で発言
しているか? また、貴方自身は、何を今優先したいか?

 この点をしっかり意識しつつ、選択したほうがいいでしょう。



 「お前の考えは?」…と、もし訊かれたら…。


 私は “弾き易さ” のほうを優先してきました。 選んだ肩当て
はクッション式で、空気を入れて量を調節するタイプです。

 試作した当てが、年々薄くなるに連れ、こちらも徐々に薄く
なっていきました。 2008年以後に顎当てを用いなくなってから
も、この肩当てはしばらく使い続けました。


 でも最後は、【鎖骨周辺の凹凸を平らにする】…だけの
意味しか無くなった…と記憶しています。 その肩当ても、
最終的には使わなくなりました。

 そうこうするうちに、身体全体が楽になり、運動のロス
少なくなりました。 奏法の効率が改善されると共に、
結果的に【楽器が鳴りやすくなった】…と感じています。


 疲労が無いと、音も鳴り易いのでしょうか。
そんな場合に限れば、テクニック的にも、
すべてが簡単に思えるほどです。

 またも長い回り道を辿ってきたわけですが。

 


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