MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (93) 漢字クイズ 問題/解答

2012-01-09 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

01/09    頭の体操 (93) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

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 09/11 ~ 09/17に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (21) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (U) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) ロバート・バーンズ  (2) パウル・フレミング  (3) トマス・モア

(4) ストレンジ     (5) フィンガルの洞窟     (6) オープス

(7) ボーカルカノン  (8) なでしこジャパン  (9) ダブル ブッキング

(10) プライド    (11) ファジー    (12) ワンス アポナ タイム

(13) デーモン  (14) ヒップホップ  (15) ウエスト  (16) ダンピング

(17) レッツ ゴー   (18) フォーワド プログレス   (19) クラッシュ

   (20) ハイホー、ハイホー    (21) ハイヨー、シルバー

(A) 横伏     (B) 列強     (C) 蔵酒     (D) 談貧愚

(E) 弟慰問   (F) 父悪爺   (G) 風来奴   (H) 酢不摂児

(I) 忘借彼奴      (J) 駄古物王      (K) 必負呆父

(L) 上椅子飛    (M) 歯異様汁馬    (N) 背放刃違法

(O) 問負相撲悪  (P) 露波止場濡頭  (Q) 羽羊毛触眠具

    (R) 腕佐補納滞無     (S) 七弟子誇示八犯

   (T) 父犬借飲止雨靴    (U) 呆開戸風呂愚劣主




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回はケ所あります。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回はありません。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回はケ所あります。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はありません。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はありません。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、「09/11 ハートのパンツにホックより




(1) ロバート・バーンズ  (P) 露波止場濡頭

 18世紀に活躍した、スコットランドの詩人です。 僅か37歳
で亡くなりました。 上記のサイトには、『蛍の光』、『故郷の
空』として我が国で親しまれている曲について、記載されて
います。 今日伝わるその歌詞は、彼によるものなのだそう
です。

 やはり38歳で他界したメンデルスゾーンは、歌曲をたくさん
残しました。 その中には、このバーンズの詩によるスコット
ランド民謡の作品があります。 それは『おお、お前は寒い風
の中で』 ("O sah! ich auf der Heide dort im"、Op.63-5、1842
年) ですが、歌詞はドイツ語。 翻訳は、多言語を操る作曲者
自身によるものかもしれません。

 以下、歌詞の原作者として、詩人たちが登場します。




(2) パウル・フレミング  (Q) 羽羊毛触眠具

 あいにく和文サイトが見当たらないのですが、17世紀ドイツ
の人物。 医師でもあったらしく、31歳で亡くなっています。

 メンデルスゾーンが歌詞として用いた作品には、『巡礼者の
格言 (Pilgerspruch)』 (Op.8-5) があります。




(3) トマス・モア  (O) 問負相撲悪

 時代はさらに遡り、ルネサンス期イギリスの思想家。
政治的対立が原因で、処刑されてしまいました。



 メンデルスゾーンの歌曲となったものには、『栄冠
(The Garland、Der Blumenkran])』(1829年)、『ヴェネ
ツィアのゴンドラの歌 (Venezianisches Gondellied)』
(Op.57-5) があります。

 その他、ゲーテ、シラー、ウーラント、リュッケルト、
アイヒェンドルフ、ハイネ、バイロン、レーナウなどが、
原詞の作者として登場します。 また多才な作曲者
自身、『聖パウロ』 (Op.36、1834~36年)、『エリヤ』
(Op.70、1845~46年) の2曲のオラトリオでは、聖書
を原詞として自ら台本を作っています。




(4) ストレンジ  (H) 酢不摂児



 [不思議な、奇妙な、意外な、変な、変わった。]

 [見知らぬ、見なれない、外国の、外来の、
異郷の、不案内の、よそ(者)の。]

 [物珍しい、異様な、おかしな。]

 訳語に微妙な差はありますが、どれを見ても、
あまり肯定的な意味はありません。



 しかし、次の (5) の作品については、どなたも決して
"strange !" などとは、口に出来ないでしょう。 同じ
"変わった" でも。

 "marvelous", "wonderful", "extraordinary" !




(5) フィンガルの洞窟  (T) 父犬借飲止雨靴

 スコットランドの無人島、スタファ(Staffa) 島にある海蝕洞
"フィンガル" は、神話上の英雄の名です。



 今日の曲名がフィンガルの洞窟に落ち着くまで、作曲者
自身が『孤島』、『ヘブリディーズ諸島』と名付けたりしたので、
それらの名称で呼ばれることもあります。

 世にも稀な絶景、打ち寄せる大西洋の荒波、洞窟内の木霊
など、風景画家でもあったメンデルスゾーンを、これ以上刺激
する題材は無かったでしょう。 あのヴァーグナが絶賛したこと
でも有名な曲です。



 譜例は曲の一部で (36~40小節)、着目していただきたい
のは、その強弱記号です。



 ① "主旋律" と呼べるのは、フルート、オーボエの4人の
動きで、"mf、cresc." と書かれています。 Viola にも同じ
形がありますね。

 ② ところがオーケストラ全体が、これを覆い隠してしまい
ます。 ff に至る "<" で!

 ③ 他がみな "p" からスタートしている中で、ホルン、トラ
ンペット、ティムパニは "pp" からの急激な cresc. です。
"何も無い" ところから現われる…。 大波がいきなり立ち
上がり、波しぶきを上げる様子以外には考えられません。

 ④ そして、急激に波が引いてしまう様子が、"pp までの
>" で表わされています。 クラリネット、ファゴットの2人
だけが、今度は "p" で再スタートします。







 ⑤ 一旦聞えなくなってしまった、フルート、オーボエだけは、
いつも cresc.を続けており、再び姿を現わします。 この4人
には、">" が書かれていないのです。

 ⑥ 同じラインをなぞる Viola は、cresc. はするものの、pp
まで隠れてしまいます。 役割は "音量の補強" で、音色の点
では、やはりフルート、オーボエが主体であることが解ります。



 これほど繊細、精妙な表現が、他の誰に出来るでしょうか!?
そして、その効果はどんなに素晴らしいことでしょうか!!

 指揮者とオーケストラが、"その意を汲み、実現すれば"!
…の話ですが…。



              音源サイト




(6) オープス  (A) 横伏

 "Opus"。 "作品" を意味するラテン語、"opera" の単数形で
あることは、以前、この場でも触れました。

 英語式に "オーパス" と読まれるのが普通ですが、そこまで
の権威など、英語にはありませんよね…。




(7) ボーカルカノン  (I) 忘借彼奴



 私なりに直訳すれば "輪唱"。 あの、同じメロディーを次々に
模倣していく "歌" です。

 カノン が、"棒、定規、基準、規範"…などを表わすギリシャ
語だったとは、知りませんでした。

 なるほど、英語で "canon" と引いてみても、歌に関連する
訳語は一つもありません。



 "cannon" だと "大砲"…、"カンノン" だと "観音" になって
しまいますが…。

 ちなみにカメラ メーカー キャノンの社名の由来は、その昔
"観音カメラ" を発売していたからです。 これ、本当の話…。

 チノンは茅野、コニカは小西、みな漢字に由来しています。




(8) なでしこジャパン  (S) 七弟子誇示八犯

 8人より成る、怪しげなグループです。 今やコーチとなった
はずの親方が、現役時代の輝かしい実績を、いつも吹聴して
ばかり。 現役たちは嫌気が差し、団結力が育たないので、
失敗ばかり重ねます。

 2、3、4、6、9…。 人数を "8人" に限らなくてもいいなら、
どのスポーツ世界にも存在しそうですね。




以下、「09/13 やり甲斐があり過ぎて…より




(9) ダブル ブッキング  (J) 駄古物王

 "book office"、"booking window" は、"切符売り場、
出札所、出札口"。 "book" そのものは、"記帳する、
出札する" などを意味します。

 それが "ダブル" ですから、直訳すれば二重発券、
二重予約。

 wilipedia には、"過剰予約" とあり、意図的なもの、
過失による場合などの記載があります。




(10) プライド  (G) 風来奴

 "風来坊" って、英語で何て言うんでしょうか? まさか、
"boy coming with the wind" じゃないよね…。



 そこで、まず日本語で意味を調べます。 検索しても
なかなか "辞書" に当るページが無く、苦労しました。

 やっと探し当てました! 「どこからともなくやって来る
人。 また、身元が知れず、一つ所にとどまらない人。
風来人。 風来者。」…とあります (デジタル大辞泉)。



 そのページから英訳へ跳ぶと、「a vagabond; a wanderer;
〔どこからともなく来る人〕a stranger who appears out of
nowhere」…だそうです。

 なるほど。 スタファ島の大波みたい。 要するに "流離
(さすらい) 人" のことね。

 またあるサイトには、"passage bird" とありました。
こちらは "渡り鳥" です。



 ああ、宛て度も無く彷徨ってしまった…。 こうして
無駄な時間を過ごしてしまうのです。

 …な~んだ。 自分のことじゃないか…。



 ちなみに、私がお世話になる私鉄のブラットフォームの話
ですが、電光表示板には "Passage" と出ます。

 でもこれでは、"通過" という名詞に過ぎません。 「次の
電車は通過します」…と言いたいなら、"passing" の方が
いいんじゃないの?

 英米人が見たらどう思うか、とても気になる私でした。




以下、「09/14 響きの繋がるスタカートより




(11) ファジー  (F) 父悪爺

 私の挙動や意識、意見が "あいまい" なのは、なんの
不思議もありません。 よく理解できます。 家電の場合
同様、"fuzzy control" (制御がファジー) なんでしょう。

 でも、fuzzy algebra (代数)、fuzzy automation (オート
メーション)、fuzzy management (マネジメント)、fuzzy
probability (確率)、fuzzy theory (理論)…なんていう
のもあるらしい。

 こうなると、父悪爺の私には説明不能です。 誰か
代わってちょうだいよ…。




以下、「09/15 DONBURAKO さん ?より




(12) ワンス アポナ タイム  (R) 腕佐補納滞無

 "Once upon a time"。 昔話には付き物の語り口で、
"昔々あるところに"…ですね。



 ところが、この日本語を翻訳サイトで英訳すると、場合
によっては、"To the place in which being in old times of
old times"…?

 これでは皆目意味が通じません。 "ある" が、"存在"
を表わす "be" になってしまったんですね。



 忠実に訳すなら "certain place" ですが、これも駄目。
"特定の場所"…という、固い意味になっちゃう。

 成語表現は、難しいものです。




(13) デーモン  (E) 弟慰問

 直訳すると、悪魔、悪霊、鬼…となります。

 歌劇『リゴレットでは、『悪魔め! 鬼め!』というアリアが
ありますね。 これ、「愛娘を凌辱した "公爵" をののしって
いる」のかと思ったら、どうも違うようです。

 こちらは直訳すると、「廷臣どもめ! 地獄落ちの輩め!」
最悪のニュースを告げつつ、自分を揶揄する野次馬たちを
呪うセリフでした。

 他人の不幸を喜ぶ者は、まさに "悪魔、鬼" に違いあり
ません。




(14) ヒップホップ  (K) 必負呆父



 この分野、私は "完璧な部外者" (quite a stranger) です。
朧げながら判ったのは、特定の音楽ではなく、文化全体を
意味するらしい…ということ。

 それでもまだ不明なのが、hip-hop という名称の由来。
文字どおりだと、"お尻が揺れる"…ですが。



 探しに探して、以下の記述を目にしました。

 「HIPHOPという言葉自体を使い始めたのはMC Starski
なる人物。」

 「彼が初期に行った Party に、"The Hip Hop Beeny Bop"
があった。」

…のだそうです。

 これ、[HIPHOPという名の由来]に書いてありました。



 「呆れた! よく調べたね。 もう負けちゃうよ。」…って、
家族に言われました。 もう嬉しくて、が高くて…!

 Hip-up じゃないよ。




以下、「09/16 ダサい肉?より




(15) ウエスト  (L) 上椅子飛

 これ、お尻、じゃなかった、"おに着けた きび団子"
…ですから、"waist" でした。 「犬が西向きゃ…」の
"ウエスト" ではありません。



 もう一つ気になるのが、野球の "ウエスト ボール"。
ストライクを取る意志など、まったく無い投球のことで、
これも "ウェイスト"。

 ただしこちらは、浪費するの "waste" です。



 それでまた思い出すのが、小学生時代に観た、テレビの
プロレス中継。 観客席の椅子が、空中を乱れ飛んでいた
んです。 どういうわけか…。

 これ、"ウエスト チェア" ですね。




(16) ダンピング  (D) 談貧愚

 "お腰に着けた きび団子" が、"dumping" になっていた、
ある翻訳サイト…。

 ダンプカー (dumper truck)、ゴミ捨て場 (dumping ground)、
ダンピング輸出 (dumping export) などの、あの "dump" です。

 おかしいよ、いくら何でも…。

 改めてよく考えてみたら、ダンプリング (dumpling) のこと
じゃないの? せっかくお婆さんが作ってくれたのに、これ
じゃあんまりです。

 もっとも私が自分で作れば、確かにダンピングになります。
いくら食欲旺盛な "まるチャン" でも、見向きもしないでしょう。

 翻訳サイトも、まんざら捨てた物でもありません。




(17) レッツ ゴー  (B) 列強

 なにやら、あの "多国籍軍" という字句を思い浮かべて
しまいます。 桃太郎、犬、猿、雉は、その元祖らしい。

 本当に "悪い鬼" を退治に行くならいいのですが…。

 相手は、本当は "劣強" だったりして…。




(18) フォーワド プログレス  (U) 呆開戸風呂愚劣主

 こんな慣用表現があるわけではありません。
やはり、翻訳サイトの悪戯です。

 ちなみに、"前へ" を強調する単語ですから、
"フォー" ですね。 "ワー" でなく。




(19) クラッシュ  (C) 蔵酒

 最近よく "クラッシュ" の表示が出る、私のパソコン。
元は、"突進、突貫" を意味するようです。

 crash scene (事故現場)、plane crash (飛行機事故)、
crash barrier (ガードレール)。

 crash fire (救難消防)、crash project (突貫計画)、
crash stop (急停車)、crash diet (急激なダイエット)。

 ちなみに、パソコンの "crash" は、"強制終了" の意味
だそうです。

 私の頭脳も "終了" していて ("酔っ払った" の意味もある)
crash recovery (クラッシュ回復) は不能のようです。




以下、「09/17 歩く "まさかり"より




(20) ハイホー、ハイホー  (N) 背放刃違法

 先日、古道具の整理をしていたら、日本刀が出てきました。
と言っても、錆び付いていて、どうしようもない代物です。

 "先祖の形見" と言っているのを聞いた覚えがあるので、
きっとこれのことだ…と解りました。 銃刀法に一応触れる
ので、近日中に届けようと思っています。

 義父の父が村長さんで、これを所持していたそうです。
また私の母方の先祖は、二百石の侍だったとか。

 幼い私が、「じゃあお父さんの方は?」…と訊いたとき
のこと。 「ウチの先祖は海賊だよ。」 ウッソー!

 だって、次に尋ねた時は、「本当は山賊だったんだ」…
なんて言ってましたから…。

 どちらかは、必ず嘘。 幼い子をからかうのは違法です。




(21) ハイヨー、シルバー  (M) 歯異様汁馬

 お馬さんの "よだれ"…。 人間からの評判は良くありません。

 "牛糞馬涎 (ぎゅうふんばせん)" なる熟語があり、"駄目な物" の
代名詞なのだそうです。 気の毒に。

 "牛飲馬食" は "暴飲暴食" のことだし…。 どっちも可哀そう。



 "牛頭馬肉" となると、"羊頭狗肉" と同じ意味だそうです。
有利なのは牛さんですが、要するに詐欺。 "内容に実質が
伴わない" ことの譬えでもあります。

 逆に、「牛を馬に乗り換える」…は、"スピードの速い馬" を
選ぶので、今度はお馬さんの勝ち。



 "得手不得手" があるのは、動物の世界でも同じですね。




 お疲れさまでした。