MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (94) 漢字クイズ 問題/解答

2012-01-30 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

01/30    頭の体操 (94) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

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      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

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 09/18 ~ 10/02に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (20) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (T) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



     (1) 若いプリンセス   (2) トレジャーボックス

(3) 足裏指圧マッサージ  (4) ビリヤード台  (5) アンクル マドロス

(6) チャレンジャー号  (7) コロンビア号  (8) 小さいヴィオローネ

(9) ゲルマン神話   (10) 母エルダ   (11) ヴァルキューレ姉妹

(12) フレージング     (13) スービト     (14) ピアノフォルテ

(15) トスト四重奏曲     (16) チェンバロ     (17) リュート

(18) テオルボ    (19) キタローネ     (20) テーブルクロス

(A) 捨人   (B) 歯生出   (C) 理由疎   (D) 手織惚

(E) 手震黒子 (F) 嬉耐労寝 (G) 悪給零終 (H) 転麦酒豪

(I) 闇車泥好     (J) 摂茶僕好     (K) 下流慢心我

(L) 不麗数音愚   (M) 知恵無罵露   (N) 賭捕始終騒極

     (O) 悲悪飲風折手   (P) 悪恨幸妻些事

   (Q) 和解振隠棲住     (R) 自転車園児夜校

 (S) 地異災不意居牢寝     (T) 最低順位哉如何!




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回はありません。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回はケ所あります。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回はありません。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はありません。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はありません。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、「09/18 鯛や鮃に蟹、真鯉より




(1) 若いプリンセス  (Q) 和解振隠棲住

 「俗世間を逃れ、隠れるようにひっそり暮らすこと。」

 隠遁、あるいは隠棲の意味ですが、ほとんど両者に違いは
ありません。 "遁" は 「逃れる」、"棲" は 「住む」…で、その
どちらを強調するかですね。 いずれにせよ、若い女性には
似合いません。

 先日テレビで放送していた、アニメ映画『フランダースの
犬』の劇場版。 「少女アロアは修道女になっていた」…と
いう想定で、場面が始まっていました。




(2) トレジャーボックス  (J) 摂茶僕好

 Tresure box。 宝物箱、貴重品入れ、秘蔵品の保管場所。

 "玉手箱" も、翻訳サイトでは、こういう英語になります。

 "玉"(たま・ぎょく) は、勾玉、ヒスイなど、宝石を指し、
"玉石混交" などと使われます。

 では、"手" は? 「軽々しく開いてはいけない大切な
箱」…とありますから、「手を付けるな」…の意味かな?
それとも、やはり "手箱" のことか。

 でも、そう言われれば余計開けたくなるのが、人情…。
乙姫様も、罪なお方です。

 せいぜい "五百円玉" にしか縁の無い私でした…。




(3) 足裏指圧マッサージ  (P) 悪恨幸妻些事



 「十円玉、一円玉を身体に貼る」…という健康法が、一頃
流行りました。 もちろん足裏のツボにも。

 銅やアルミが微弱電流を引き起こすのでしょうが、はて、
その効果は?



 ところで扁平足は、"土踏まずの無い足" ですが、「痛みが
無ければ治す必要は無い」…とあります。

 でも、昔読んだ "足裏健康法" の本には、「江川卓投手は
扁平足なので、引退は早いだろう」…という説が載っており、
そのとおりになってしまいました。

 「扁平なら、足裏全体が刺激されるから、健康にいいはず
だ」…と、勝手に解釈していましたが…。




以下、「09/20 頭の体操 (86) 漢字クイズ 問題/解答より




(4) ビリヤード台  (T) 最低順位哉如何!

 "ブービー賞" というのがありますね。 ゴルフ、ボウリング
などのスポーツで、当初は "ビリ" に、あるいは "ビリから2
番目" に与えられることになったもので、かなり "日本的" な
賞です。

 "Booby" って、"間抜け" のことだそうですよ。

 誰もボクに、賞、くれないけどな…。 なんでだろーね~?




(5) アンクル マドロス  (I) 闇車泥好

 さるウェブサイトの名称ですが、マドロスと言えば、"水夫、
船乗り、船員"。 調べてみると、「matroos * オランダ語で
船乗りのこと」…とありました。

 ドイツ語にも "Matros" がありますが、英語には見当たら
ないようです。 大航海時代と言えばオランダ、ポルトガル、
スペイン、イギリス、イタリア。 だから、英語に "マドロス"
があっても、よさそうなものですが…。

 きっと "車上泥"、いや、"船上泥" に遭って消えたんだな。




(6) チャレンジャー号  (R) 自転車園児夜校



 七つの海の定義も、時代によって異なります。 大航海時代
には、大西洋、地中海、カリブ海、メキシコ湾、太平洋、インド
洋、北極海(北氷洋)…のことだったそうです。

 「地球が丸い」…とは考えていなかった、古代人。 「海の果て
には、大きな滝があって流れ落ちる。 下には恐竜、怪物が、
大きな口を開けて待ち構え、船を飲み込む…。」 そう恐れられ
ていた時代には、航海は、さぞ勇気が必要だったことでしょう。

 片や、打ち上げ直後に爆発してしまった、チャレンジャー号…。
「挑戦は犠牲を伴う」…とはいうものの、残念でなりません。



 ところで聖書には "罪" という言葉が、繰り返し、出てきます。
「私は何も悪い事はしていないのに…。」…というのが、よくある
反応ですね。

 そうじゃなくて、取りあえず 「人間は不完全である。」 そして
「それを自覚しないことが、さらに罪である。」

 現在の私には、少なくともそう思われます。 特に、未曽有の
大災害を思うとき。




(7) コロンビア号  (H) 転麦酒豪

 "断熱材の剥離" という "想定されていた危惧" が現実となり、
大気圏再突入の際に燃え尽きたコロンビア号。 やはり尊い
犠牲となってしまいました。

 "Columbia" や "Columbus" は、国名になっているだけでなく、
英米国内の都市名、通りの名を始め、無数の例が見られます。
もちろん、コロンブスの名を記念してのことです。 歴史上の、
"偉大な" 人物…。

 しかし客観的に見れば、その行状の数々は、目を覆うばかり
です。 ましてや、犠牲になった側から見れば、"記念" と言って
も "負の記念"…。

 「支配者の論理で世界が動く」…現実に矛盾を感じながらも、
私はただ "第三のビール" を飲むばかりです。




(8) 小さいヴィオローネ  (S) 地異災不意居牢寝

 "Viola" から出来た、"Violone" (大きなヴィオラ) という楽器。
ここから "Violoncello" (小さいヴィオローネ) が出来て、英語
では単に "Cello" と言われるようになりました。 これ、接尾辞
です。

 チェロの正式名称は、"大きなヴィオラの小型版"。 詳細は、
(4) の上のリンク中、『(9) ヴィオリスト』などをご覧ください。




(9) ゲルマン神話  (K) 下流慢心我

 北欧神話と、ほぼ同義で用いられることもある、ゲルマン
神話。 それは、かつて北欧にはキリスト教の影響が及び
にくく、現地の宗教や民間伝承が、よく保存されていたから
でしょう。

 Gate of the Mythologyには、「現在ゲルマン神話と
呼ばれているものはエッダを中心とした説話がほとんどと
いえます。」…との記載がありました。




(10) 母エルダ  (B) 歯生出

 そのどちらを探しても出てこないのが、エルダ。 自作
の楽劇で勝手に登場させ、ヴォータンとの間に12人の
娘を設けさせてしまった、ヴァーグナです。

 育児はさぞ大変だったでしょうね。 そのカテイは謎に
包まれたままです。




(11) ヴァルキューレ姉妹  (G) 悪給零終

 その中の9人姉妹が、これ。 元来は仕え女、従者の存在
でした。 設定を "娘" としたのは、もちろん、"父多堪" の
ために無給で働かせたかったからです。

 ゲルマン,北欧の神話・民話・伝説に、"登場人(神) 物"
などの目録がありました。




以下、「09/23 温かいクレシェンドより




(12) フレージング  (L) 不麗数音愚

 単語は、漢字と仮名、あるいはアルファベットなどで出来て
います。 さらにそれらを組み合わせ、モティーフやフレーズ
を作ります。

 これは、音符の世界も同じ。 意味の解らない単語の羅列や、
機械的なものに止まっては困るのが、作曲や演奏の作業です。

 大事なのは、絶えず全体を意識する余裕です。 その反面、
音符自体から受ける直感も、忘れてはなりません。

 優れた作品では、その両者が密接に関連しているようです。




(13) スービト  (A) 捨人



 "p subito" などと使われる、この "スービト"。 「ただち
に、即座に」の意味で、「音を徐々に弱くして p になる」…
のではないことを表わします。

 "スビート" ではありません。

 "p" の他に何も書かれていない場合には、「音を弱くして
いく方が自然かどうか」…を巡って、解釈上深刻な問題に
なります。



 たまに "subuta" (酸味を利かせて) と間違える人もいます。

 "dolce" ("柔らかく"。 "甘い" が元来の意味) なら、確かに あるん
ですけどね…。




以下、「09/24 ハイドンの mf、mpより




(14) ピアノフォルテ  (O) 悲悪飲風折手

 "piano" (p) にも、"柔らかい" という意味がありますね。



 「小さい音だけでなく、大きな音も出せる」…という触れ
込みで登場した、ピアノフォルテなる楽器。 省略されて、
ただの "ピアノ" になってしまいました。

 再び強弱記号の話ですが、"fp" (フォルテピアノ) は
「強く、すぐ弱く」。 ところが、逆の "pf" には、お目に
かかりません。



 ただ、"poco f" (ポコフォルテ) ならありますね。 省略
されると "pf" になるので、紛らわしい。 出て来るたび
に、「本当は "piano forte" のことかな?」…とも、一応
考えてはみますが…。

       関連記事 ハイドンの mf、mp




以下、「09/27 ひさしぶりのひばりより




(15) トスト四重奏曲  (N) 賭捕始終騒極

 トスト (Tost) は人名で、ハイドンの弦楽四重奏曲のうち、12曲
(1788年頃~1790年) が、こう呼ばれています。

 名高いひばりの解説サイトには、「エステルハージ侯爵家
の宮廷楽団のヴァイオリニスト、兼実業家のヨハン・トストから
の依頼によって作曲された」…とあります。

 「ハイドンは賭け事好きだった」、「警察の手入れまで受けた」
…なる記述は、幸いにも見かけません。




以下、「10/02 頭の体操 (87) 漢字クイズ 問題/解答より




(16) チェンバロ  (M) 知恵無罵露

 発音原理や弦の組成が異なり、「ピアノのような強靭な音
が出ない」…ということで、表舞台からは遠ざかりました。

 しかし捨てがたい味もあり、私の友人には、これを自分で
造っている者が何人かいます。




(17) リュート  (C) 理由疎

 やはり撥いて音を出す楽器の総称ですが、こちらは "抱えて
弾く" 方。 ギター スタイルです。

 弦楽器製作者が Luthier (ルーティア) と呼ばれるのは、ここ
からですね。 弦楽器といっても、実際は様々ですが。




(18) テオルボ  (D) 手織惚

 リュートの一種がこれ。 10本以上の弦を備え、低音が豊富
なので、全長は人間の身長ほどあります。




(19) キタローネ  (F) 嬉耐労寝

 その元の呼称がこれなのだそうです。 時代が下るに連れ、
テオルボと呼ばれ始めました。

 「通奏低音で歌を支える」…のが主な役割だったようです。




以下、「09/17 歩く "まさかり"より




(20) テーブルクロス  (E) 手震黒子

 "黒子" (くろこ)。 舞台上にあっても、本筋には一切無関係
なので、黒装束や黒頭巾を纏い、「居て、居ないが如し」…。

 でも解説サイトを眺めると、他にも初耳のものばかり!
貴方は幾つご存じでしたか?




 お疲れさまでした。