10/26 私の音楽仲間 (325) ~ 私の室内楽仲間たち (298)
月月火水木金金
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
「"花金" て、何ですか?」
こんな質問をしたら笑われますね。 「あら、知らないの?
ずいぶん古い人ね!」…なんて、馬鹿にされるかも。
じゃあ、"半ドン" は? これも、「古い!」と言われそう。
土曜日の午前中まで忙しかった時代の名残ですものね。
会社でも学校でも。
「博多どんたくの語源と同じく、外国語の "日曜休日"
に由来する」という説もあるようです。
では、"月月火水木金金" は?
そういう歌まであるんです。
[解説サイト]によれば、「土日返上で働くという意味を
表す慣用表現で、もとは大日本帝国海軍で用いられた
のが始まりである。」
[音源サイト]
かく言う私も、戦後生まれ。 歌を直接耳にしたことの
ある中では、おそらくギリギリの世代でしょう。 お若い
方々は、ご存じなくても無理はないです。
「あれ? 今回の記事は、謎々クイズだったのかな…?」
いいえ。 "私の室内楽仲間たち" に間違いありません。
どうやら、しょっぱなから狂ってしまったようです。 ちなみに、
これを書いているのは "花の火曜日" です。
もっとも、先日までは意味が解らなかった私ですが。
「貴方も "サンデー毎日" ですか?」…と、同年代の方
に訊かれても。
「新聞ですか? ウチは**ですけど…」なんて答えるだけで…。
Mozart の作品に、"Violin、Viola のための協奏交響曲
変ホ長調 K364" という、魅力的な曲があります。
私が Viola弾きなので、余計そう感じるのかもしれませんが。
オーケストラは、弦楽合奏、それにオーボエとホルンが2本
ずつ。 またオケの Viola が、異なる2パートから成っている
という、珍しい編成です。
内容や、個人的体験について語り始めるとキリが無いので、
省略…。
上の解説サイトには、以下の記述も見られます。
「18世紀末には、作者は不詳だが弦楽六重奏用に編曲
されている。」
私の "行きつけの楽譜サイト" にもアップされており、
備考欄には次のように書かれています。
Titled Grande Sestetto Concertante (for 2 Violins, 2 Violas,
1st Cello Concertante and 2nd Cello or Bass)
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飛び交う手裏剣
泣くチェロ、笑うチェロ
ソロも揃って
ホラ吹き Violin
室内楽で Viola
「2つのソロ楽器と、伴奏オーケストラの音楽…。 これが一体
どんな編曲になってるんだ?」 考えてみれば不思議ですね。
私も前回初めて体験するまでは、手元にあった、原曲のソロの
譜面から想像するしかありませんでした。
「どれどれ…。 えーと、こことここが、難しい箇所だな…。」
そうして予習していたところが、手渡された譜面を見て、調子
が狂ってしまいました。 最初に Vn.を受け持ったときの話です。
今回は、この曲を二回目に体験したときの様子についての
記事です。 以下に楽譜をご覧いただきながら、"私の狂い方"
をご紹介しようかと…。
次の [譜例 ①] は、第Ⅲ楽章の終りの方の部分 (328小節~)
で、パートは ViolaⅠです。
赤く塗ってある部分が、原曲どおりの "ソロ パート"。 でも、
それ以外の部分がとても多いんです。
ハ音記号の苦手な方も、今回はそれほど細かい知識は
要りません。 ざっと見渡していただくだけで結構です。
ちなみに、一番最初の音は La♭ではなく、Si♭。 ト音
譜表の真ん中、第三線の上にある高さの音です。
関連記事 『アルト譜表に親しむ』
2段目の "a tempo" と記してあるのは、楽章の冒頭と同じ
音楽。 "Vn. Solo" と書いてあっても、ここからはオケの仲間
と同じ仕事をします。
すぐ Vn.Ⅱ (オケ) に移り、8小節の休みの後には Ob.Ⅱを
担当するなど、役割は目まぐるしく変わります。
[譜例 ②] は、その続きの部分。
今度は "ホルン" まで出てきます。 緑で塗られているのは、
原曲では "休み" の部分。 15~16小節あります。
その後に続くのが、"Solo ⑤" の部分。 全曲の "弾き納め"
で、高い Mi♭ の音まで駆け上る "聞かせ場" です。
その前にちゃんと休みがあって、呼吸を整えられるか。
それとも、相変わらず忙殺されながら、心構えの無いまま、
ここに突入するか…。
これはエライ違いです。 聴衆が居ようが居まいが。
(このときは、お茶を飲みながら見物している仲間が居ましたが…。)
上の譜例の "Solo ④" の部分以降を、原曲のスコアで見た
のが、次の [譜例 ③] です。
私のパートは、上から3段目 (左ページ、上下とも)、上から
4段目 (右ページ、上下とも) に書かれています。
左下ではホルンが最上段で、また右上ではオーボエが、
同じ歌を繰り返しています。 「今か今か」…とドキドキして
いるソロに、「落着け!」と声をかけながら。 そして、楽章
の最後にハナを添えながら。
それにしても、15~16小節の "長期休暇" が光りますね。
これ、忙しいのはどのパートも同じようでした。 忙しく、色々
な音色の楽器を、次々にこなさなければなりません。
原曲をよく知っているつもりの私でも、こんな有様でしたから、
もし曲に親しみが無く、六重奏の譜面を見てから "初めて曲に
触れた" 方は、さぞ大変だったろうと思います。
一体、何をやらされているのかも解らずに。 伴奏音形の
最中に、突如ソロのパッセジが現われ、また、それに集中
する間もなく、すぐに他のパートに引き継がれます。
本来は、個々が弾き方や音量を大幅に変えないと、一緒
に弾いている仲間たちは、誰が何をやっているのか、もっと
解らなくなります。
それにしても、この忙しさ。 ほぼ弾きっ放しで、譜めくりの
余裕も無いほど。 せっかくコントラバスの H.さんがパート
譜を印刷し、製本までしてくれたのに、さらに切り刻んだり、
部分的にコピーしたりして乗り切りました。
ちなみに、先ほどの "8小節の休み" は、この版で最も長い
休みの小節数でした…。 人間、やはり休みは必要ですね。
一週間の七日間、働きっ放しでは持ちません。 私がなぜ、
"月月火水木金金" を持ち出したか、お解りいただけますか。
ところが、さらに眼を疑うような事態が! この "軍歌" の音源
の中には、"一週間が8日ある" ものまであったのです。
嘘だと思ったら、これをクリックしてみてください。 → [音源]
ね? "月月水火水木金金" …って、書いてあるでしょ?
同じ8日間なら、"土土日土土日日日" がいいんだけどな。
音源は、[譜例 ①]の1小節前から、[譜例 ②]の最後の段
までのものです。
あれ? よく聴くと、私が8小節休んでいるところで、本来は
仕事があるはずなのに、さぼっている人がいるようですよ。
だって、鳴っているはずの音楽が聞えないもん…。
代わりに、誰かが歌っている声まで聞こえます。
…そうか! さぼったんじゃなく、"土土日土土日日日" に、
一緒に付き合ってくれたんだな…? ありがとう!
もう少しで、お互いに "サンデー毎日" ですね?
今回は、Violin O.さん、S.さん、Viola 私、T.さん、チェロ O.さん、コントラ
バス H.さんという変則的な編成で楽しみました。
[六重奏版 第Ⅲ楽章 終りの部分の演奏例]
ね? あまりやりたくないでしょ?
それとも、やってみたくなった? 困りましたね…。