
長いことお預かりしている110ccエンジンなんだけど、
ヘッドのオーバーホールをするために分解してバルブを磨いていたらなんか変な感じがしたから調べたら、
何と排気側のバルブが少し欠けていた。
たぶんハイカムを組んだのだがバルブの傘の加工をしていなかったのが原因みたいで、
バルブ同士が当たってしまったと思うので、
バルブはロンシン125と同じだったから交換して、
バルブの擦り合わせもかなり行ったら何とか使えるようになるまで復活した。

オーバーラップの状態だとバルブはギリギリ当たらないけど、
カムチェーンテンショナーも固定されていて動いてなかったのも悪かったと思う。
カムチェーンが暴れていたらダルタイがずれてピストンに当たっていたかもしれないからねぇ。
よっていつものように旋盤でバルブを加工して、
何故か入っていなかったバルブスプリングシートも足して組み直した。
しかしこのヘッドはどこの物かサッパリ分からんかったが、
シリンダーとの当たり面が凄く歪んでいて圧縮が少し抜けていたかもしれない。

そんな訳で完成したんだけど、ピストンはハイコンプタイプではなく上側が凹んだタイプだったから、
圧縮もあまり高くなさそうでガソリンはレギュラーでも大丈夫だと思う。
まぁしかしケースやクラッチカバーはかなり磨いたから来た時より綺麗になったし、
組み間違いも全て直して色々な対策もしたから、
パワー的にはどうか分からないけど普通に使えるようにはなったと思う。
今回はヘッドがまだ再利用出来たから良かったけど、
バルブシートがもっと傷んでいたらシートカットかヘッド交換になっていたかもしれないから、
早めに開けて修理出来て良かったと思うし、
このまま無理矢理エンジンかけていたらヘッドやクランクが完全にブローしていたと思うから怖い。
その前に圧縮漏れでまともには走れなかったと思うし、
アイドリングもまともにしていなかったんでないかなぁ。
そして次のエンジンはロンシンの147FMI。
1次側クラッチのセル付き90ccエンジンの初期オーバーホールをします。