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参院選(全国) 候補者の素顔 安倍自民公認・わたなべ美樹

2013-07-16 | Weblog

記事:ワタミ候補 「病院を黒字にするため高齢者に出て行ってもらった」、田中龍作ジャーナル

参院選挙が終わったら、自民党は一気に「労働法制の緩和」「TPP(病院への株式会社本格参入、株式会社の農業参入)」に突き進む。 

 その「申し子」とも言えるのがワタミことわたなべ美樹候補(全国比例)だ。わたなべ候補は上記の3つを成功させ巨額の富を築いている。

 ワタミ氏は本社そばのJR蒲田駅前で第一声をあげると、お年寄りの原宿と言われる巣鴨で得意の金儲け(黒字経営)を説いた。縁日の露店が並ぶ地蔵通り商店街は、大勢のお年寄りで賑わった。おじいちゃん、おばあちゃんがワタミ氏の演説に耳を傾けた。

 「10年前大阪の赤字病院を任された。黒字にするために(儲けの薄い)高齢者に出て行ってもらった。そうして病院を立て直した」。ワタミ氏は居並ぶお年寄りを前に臆面もなく語ったのである。

 ワタミ氏は、「出て行ってもらったお年寄りが心配だった」としながら、「安くてサービスが良く、食事も旨い老人ホームを、と作ったのが『ワタミの介護』だった」と宣伝を忘れなかった。

 病院から高齢者を追い出して老人介護施設に収容する―ワタミ氏はお年寄りをターゲットにしたビジネスモデルを確立したのである。

 ワタミグループのひとつ、ワタミの介護(株)は平成4年に設立された比較的新しい会社だ。同社はデイサービスや通所介護事業所のほか、全国94箇所で介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ」を運営、6500人を収容している。

おばあちゃんに話しかける わたなべ候補。目の奥は笑っていないように見えて仕方がなかった。=4日午後、巣鴨 写真:山田旬=

おばあちゃんに話しかける わたなべ候補。目の奥は笑っていないように見えて仕方がなかった。=4日午後、巣鴨 

 

 「ワタミの介護」をめぐっては幾つものトラブルが指摘されている。その代表的な例が、神奈川県川崎市で起きた事故だ――

 「レストヴィラ元住吉」に入所していた男性の床ずれが悪化し、敗血症で死亡した。男性の容態が急変する直前に行われた家族とワタミ側との話し合いで、渡邊氏が「一億欲しいのか」と言い放ったと、週間文春が6月12日付けで伝えている。

 この男性が死亡後、遺族は提訴した。昨年3月24日付け読売新聞によれば、遺族が6750万円の損害賠償を求めて争った裁判の判決で横浜地裁はワタミ側に約2160万円を支払うよう命じた。

 ワタミ氏の立候補には反発が根強い。娘を過労死させられた遺族が自民党に「公認取り消し」を求めて抗議に訪れたのは典型的な例だ。さまざまなトラブルから見ても良心的な経営者とは言い難い。

 だが自民党は業界を総動員するなどし、ワタミ候補の当選に全力をあげるだろう。株主の利益を最優先し、人の命は二の次にする社会がポッカリと口を開けて待っているようだ。


参考


 

記事:「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議

自民党職員の胸ぐらをつかみ、渡邊氏の公認に抗議する父親の森豪さん。=28日午後3時頃、自民党本部正門前 写真:山田旬=

自民党職員の胸ぐらをつかみ、渡邊氏の公認に抗議する父親の森豪さん。=28日午後3時頃、自民党本部正門前 


 
 社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだ居酒屋チェーン店「和民」。創業者で苛酷労働を賛美していた渡邊美樹元会長(53歳)が、参院選全国比例区に自民党公認候補として立候補する。

 

 過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん(当時26歳)の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。

 両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。

 あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん(65歳)は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ? 私たちは5年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。

 母親の祐子さん(59歳)は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。

 「門の外ではなくて党本部の中で(選挙対策の)政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。

母親の祐子さんは娘の遺影を抱いて抗議に訪れた。後ろのプラカードは「和民 殺人企業」。=写真:山田旬=

母親の祐子さんは娘の遺影を抱いて抗議に訪れた。後ろのプラカードは「和民 殺人企業」。

 週刊文春によると、渡邊氏はグループ全社員に配る社内文書で「365日24時間死ぬまで働け」「勤務時間にとらわれず仕事をしろ」と呼びかけている。

 森美菜さん(当時26歳)は、入社後2ヶ月余の2008年6月、抑うつ状態になり自殺。時間外労働が月141時間あったとして、2012年2月、過労による自殺と労災認定された。

 NPO法人・労働相談センターによれば、「娘を死に至らしめたワタミの業務を知る会長、本社の社長、ワタミフードサービスの社長と直接話し合いたい」として、昨年9月ワタミ側に面談を申し入れたが、実現していない。

 参院選後、労働法制の大幅緩和を目指す安倍政権にとって、渡邊氏は是が非でも当選させたい候補だ。渡邊氏が当選すれば、「残業規制の撤廃」も「首切り自由化」も、国民から御墨付きを与えられたことになるからだ。

 「法律違反を重ねて若者を過労死させた経営者が国会議員になる資格があるのか?」。父豪さんの抗議を安倍首相が聞いたとしても意に介さないだろうが、多くの有権者の心には重く響いたはずだ。


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