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政治塾 受難の時代に

2013-06-20 | Weblog

記事:政治家養成塾、受難の時代

政治家養成塾が受難の時代を迎えている。日本維新の会(維新)の橋下徹共同代表(大阪市長)が塾長を務める「維新政治塾」では内部の不満が増幅し、野田佳彦前首相ら民主党中枢を多数輩出した「松下政経塾」は存在感が薄らいでいるという。安倍晋三政権でも、塾出身者は目立っていない。「政治塾」システムは、失敗なのか。

 「参院選が始まるし、地方選挙にもどんどん出てほしい」

 橋下氏は今月上旬、維新塾1期生の修了式でこう語った。参院選に向けて2期生を近く募集するが、正直言って塾に当初の勢いはない。

 維新塾は昨年3月、「衆院選で300人擁立、200人当選」を掲げてスタート。3000人以上の入塾希望者が殺到し、888人まで絞り込まれたが、昨年末の衆院選に立候補できたのは69人で、当選はわずか16人だった。

 関係者によると、維新自体の注目度が下がっているうえ、年間12万円の受講料も自腹で、衆院選直前に維新と合併した旧太陽の党メンバーが優遇された不公平感も広まっており、2期生は激減。

 「政治塾」の代表格といえば、パナソニック創業者の松下幸之助氏が創設した「松下政経塾」だろう。昨年10月に発足した野田第3次改造内閣では、1期生の野田首相を筆頭に、玄葉光一郎外相(8期生)、前原誠司国家戦略相(8期生)、樽床伸二総務相(3期生)、長浜博行環境相(2期生)の5人が入閣し、全盛を誇った。

 しかし、政権運営などに批判が高まり、衆院選で民主党は230議席から57議席に激減する惨敗。安倍政権では、松下政経塾OBとして小野寺五典防衛相(11期生)と、高市早苗政調会長(5期生)がいるが、政権を牛耳る力はない。

 一方、生活の党の小沢一郎代表率いる「小沢一郎政治塾」は、衆院選で塾出身の現職当選者はゼロ。滋賀県の嘉田由紀子知事の「未来政治塾」や、地域政党「減税日本」の河村たかし代表(名古屋市長)の政治塾もあるが、ブームになっていない。

 「松下政経塾とは何か」(新潮新書)の著書がある、ジャーナリストの出井康博氏は「松下政経塾は、1999年の新党ブームで国会議員の当選者が出てブランドになり、『議員になるための近道』と考えて安易に応募する人もいた。特徴としては、議論は好きだが決められない、『オレがオレが』で裏方の仕事ができない。これでは政権運営に失敗することがよく分かった。一方、トップの力が強い小沢塾や維新塾はイエスマンが育ち、ユーゲント(親衛隊)化、採決要員化する」と話している。


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