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安倍の戦争法案、首相「決める時には決める」 だったら撤回を(北海道新聞社説) 

2015-06-27 | Weblog

社説:新安保法制 延長国会審議 政府は法案撤回決断を

6/27 衆院で安全保障関連法案が審議入りし、ちょうど1カ月となったきのう、国会の会期延長後初となる特別委員会での審議が安倍晋三首相も出席して行われた。

これまでの審議で明らかになったのは、集団的自衛権の行使を可能にする関連法案の違憲性である。関連法の必要性の根拠を示す立法事実にも疑問符が付いた。

きのうの審議でも、首相はこれらについて従来の説明を繰り返すばかりで、説得力のある答弁ができなかった。

法案の正当性や必要性をきちんと示せないのなら、会期延長によってどれだけ審議したところで無駄である。政府は法案の撤回を決断すべきだ。

首相はきのうの審議で、集団的自衛権の行使容認が合憲である根拠として、1959年の最高裁砂川事件判決を挙げた。

砂川事件で問われたのは集団的自衛権行使の是非ではなく、判決は合憲の根拠にはならない。このことは、内閣法制局長官経験者や多くの憲法学者が指摘している。

首相は、必要な自衛措置は認めながらも集団的自衛権の行使は「許されない」と結論付けた72年の政府見解にも触れ、「基本的論理は変わっていない」と強調した。

基本的論理が変わっていないのに、結論が「行使できる」と正反対に変わるのはなぜか。既に国会で何度も問われているこの疑問にも、首相はいまだ明確な説明ができないままだ。

関連法案が必要な理由として首相は、グローバルなパワーバランスの変化や北朝鮮による核・ミサイル開発、中国の海洋進出などを挙げた。

これらは個別的自衛権や日米安保条約の枠内で対処できよう。憲法解釈をねじ曲げてまで集団的自衛権行使をすぐに可能にしなければならない理由にはならない。

法案の採決時期に関し首相は「議論が尽くされたと判断されれば、決める時には決めるということになる」と述べた。

自民党の佐藤勉国対委員長は法案の衆院可決後、参院で60日たっても採決されない場合、衆院で3分の2以上の賛成で再議決できる「60日ルール」適用に含みを残している。

関連法案は、1本だけでも1国会を通じた審議が必要なほど重大な問題をはらんでいる。11本にも上る法案を、数の力を頼みに一挙に成立させるなど、許されるはずがない。


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