更新:2017/4/29
米、政府閉鎖ひとまず回避 1週間のつなぎ予算成立
トランプ米大統領は28日、連邦政府の29日から5月5日まで1週間分の支出を賄うためのつなぎ予算案に署名した。予算は成立し、政府機関の閉鎖はひとまず回避された。ただ閉鎖の危機を先送りしたにすぎず、与野党の神経戦は続きそうだ。
つなぎ予算案は上下両院が28日にそれぞれ可決した。つなぎ予算が切れる5月5日までに、6日以降の支出を手当てする新たな予算が成立しなければ、オバマ前政権下の2013年10月以来の政府閉鎖が現実となり、トランプ政権にとって大打撃になりそうだ。
更新:2017/4/25
米政府機関閉鎖の回避へ柔軟姿勢 トランプ氏、壁の予算巡り
トランプ米大統領は24日、メキシコ国境の壁を建設するための予算の計上を先送りする可能性に言及した。ロイター通信が伝えた。
現在の暫定予算が期限を迎える28日中に新たな予算が成立せずに、29日から政府機関が閉鎖に追い込まれるのを避けるため、柔軟に対応せざるを得なくなった。
トランプ氏は記者団に対し、壁建設の予算計上を、10月1日から始まる2018会計年度に先送りしてもよいとの考えを示した。
政権交代後の新政権の最初の100日間はハネムーン(honeymoon)期間と呼ばれる。米国では、マスコミのみならず野党も、この100日間は新政権に対する批判や性急な評価を避ける紳士協定があるという。そのためか、新政権は一般的に高い支持率を示す傾向があるといわれる。
昨11月に誕生したトランプ新政権、今月28日零時にハネムーンが終わる。これに先立ち、ABCテレビとワシントン・ポスト紙は世論調査を実施した。
それによると、トランプ新政権のハネムーン支持率は42%にとどまり、支持しないと答えた人が53%に上ったと報じている。これは、1945年以降の歴代大統領の中でも、最低の支持率だそうだ。ちなみに、オバマ前大統領のハネムーン支持率は69%で、支持しない人の26%を大きく上回っていた。
米国、今月28日に政府機能閉鎖へ…トランプ大統領が歴史的失政、軍事行動の裏で
4月に入り、米国はシリアの軍施設に巡航ミサイル59発を撃ち込み、イスラム国(IS)の施設を大規模爆風爆弾で攻撃、さらに北朝鮮に圧力をかけるため、原子力空母「カールビンソン」を中心とする第1空母打撃群を出動させた。
その裏で、米国政府は一部機能の閉鎖に向かっており、残された時間は刻々と減っている。米国は2017年度が始まる昨年10月までに同年度予算が成立しておらず、現在は暫定予算で凌いでいる状態だ。
その暫定予算の期限は4月28日と、数日後に迫っているのだ。もし、期限までになんらかの手当てがなされなければ、緊急性の乏しい政府機関は閉鎖という事態に陥ることになる。
警察、消防、航空管制、および安全保障に関するサービスは継続され、年金給付や利払いなど、年度ごとの予算措置が必要ない義務的支出関連も継続されるため、すべての政府機能が一斉に停止されるわけではない。
13年10月には、医療保険制度改革法(オバマケア)をめぐる対立で同様に予算が成立せず、実際に16日間にわたり政府閉鎖が行われた。一部の政府サービスが停止され、職員は自宅待機となるなど、国民生活に重大な影響が出た。同様の事態が起こる可能性はまたやってくる。
今回、政府閉鎖を避ける唯一の手段は上院議会で予算関連法案を通過させる60議席分の賛成票が必要となる。だが与党・共和党は52議席しかない。民主党の協力が絶対だが、トランプ大統領が選挙公約した、メキシコとの国境に壁を建設する予算を盛り込むことに大反対のため、先行き不透明な状況が続く。
政権基盤の弱さ露呈
そもそも、この事態はトランプ大統領が引き起こしたわけではなく、オバマ前大統領と共和党議会が17年度予算案に合意できなかったことから始まっている。暫定予算を組んで大統領選を迎え、その後トランプ政権の政策を予算に反映するため、暫定予算が延長され現在に至っている。
そのトランプ大統領は、3月初旬にはイスラム教徒が大多数を占める6カ国の市民を対象にした入国禁止の新しい大統領令に署名し、物議を醸した。政府内部でも反対が多かったこの大統領令により、トランプ政権は一枚岩として結束を固めることができなかった。さらに、オバマケアの見直しに対してトランプ大統領が打ち出した代替案が受け入れられなかったことも、政権基盤の弱さを露呈した。
もっとも、米国では新大統領就任に伴い500人以上の政府高官が交代するのが慣例だが、トランプ政権ではいまだに554の政府高官ポストのうち22人しか就任していない。体制すら固まっていない状況ゆえ、詳細な政策を立てることが困難な状況が続いている。そのため、内政や経済を中心とした政策の失敗から国民の目を逸らすため、外交的には軍事行動に打って出るような傾向を強めている。
いみじくも4月28日は、トランプ政権発足から99日目に当たる。記念すべき政権発足100日目に政府機関が閉鎖されるという事態が、刻々と迫っている。米国議会は4月24日までイースター休暇に入っており、議会再開から暫定予算の期限までは1週間。本予算を成立できなくとも、暫定予算の延長、新たな予算措置など、なんらかの歳出措置を取らなければ、政府閉鎖となる。
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