晴、22度、82%
毎朝焼く20センチほどのバゲット、国産の小麦粉とフランスの小麦粉を配合したりしてその日の気分に合わせて作ります。最近、「フランスパン用の天板」を使っている方を見かけます。以前からこの手の天板はありました。ところがお値段がとても高い。実際パン屋さんでは使っているわけでないので、きっと家庭向けだと思います。家庭のオーブンではバゲットを焼くのには工夫しても限界を感じます。熱の周り方、高温を得られないなどです。最近出回っているのは、「富澤商店」の天板です。値段を調べると2000円しません。早速使ってみました。
全体にパンチングされ畝のような形になっています。パンチングで熱がいい具合に抜ける仕組みです。この畝に合わせて焼成中パンが立ち上がります。まっすぐな形のいいバゲットが焼きあがる仕組みです。配合、焼き時間を毎日同じにして使わなかった時と比べてみました。
こちらが「フランスパン用天板」を使って焼いたバゲットです。確かにまっすぐ、まん丸に焼けます。ところがクープ(切り込み)が開かず表面がペタンとして見えます。切ると断面は、 クラムの気泡が小さく詰まったようになります。クープが開かないので、空気の通り道である気泡ができません。お味は毎日変わりません。
焼く人によって欲しいバゲットの姿、形、焼き具合があります。クラスト(皮)の薄さ、クラム(中のふっくらしたところ)、気泡の大きさ、それぞれに焼く人の基準があるように思います。
こちらが「フランスパン用天板」なしで焼いたものです。クープは大きく開きます。やや扁平なバゲットです。そして切ると断面は、 しっかり大小の気泡ができています。クラムの引きの強さや、もっちり感は配合が同じなので変わりませんが、クラストの焼き色が焼成時間が同じなのに濃淡が出ています。しっかり焼き色がつくのは「フランスパン用天板」を使わなかった方です。
ここ10日、「フランスパン用天板」を使う日、使わない日と比べてみました。私が欲しいバゲットは大胆にクープが開き、しっかり焼き色がついて、クラムには大小の気泡が見られるものです。「フランスパン用天板」を使うとお行儀のいいパンに仕上がります。
今朝は「フランスパン用天板」を使って焼くつもりです。私にとっては「フランスパン用天板」はやや期待はずれです。使い続けるかどうか思案中です。