曇、14度、60%
お天気がいい日は庭の地面に這いつくばって、地道な土木作業に勤しみます。地面に幾重にも這っているツタの根を切って石垣を数年ぶりに日の目に当ててやります。ツタは恐ろしいとつくづく実感する毎日です。雨が降り出すと家の中のことを始めます。
みずめ桜の家具たちは長年の手入れができてない上に、改築中預けた倉庫でカビをつけて帰ってきました。カビがついた家具のカビを取る、その匂いも取る、やっと見られるような艶を持ち始めています。家具の隅っこにかすかに匂っていたカビの匂いも薄らぎました。手を休めてふと天井を見ると大きな梁が渡っています。ああ、あれも拭いてやらなくては。
座敷だったところは回縁、2面がガラス張りでしたがその一面を壁にして閉めました。その回縁の天井と壁の間に大きな木が一本、つまり2面ですから計二本渡っています。2面がぶつかり合うところの天井です。 窓を閉めた方から見ると、
こんな具合です。この二本の横に渡っている木は床柱と同じ種類ですが太さがあります。本来は艶のある木なのに白く煤けて見えます。脚立を出してきて力を込めて拭きあげました。1度きりでは物足りず後日また脚立に登って拭きます。長く誰も拭いたことがなかったほどの埃でした。ついでに、
床柱もさほど高くないところの梁も拭きます。拭いては下から見上げます。人が見ても拭いても拭かなくてもさして変わらぬはずですが、家の汚れが落ちて行くと胸がスッとします。2面にある欄窓の細かい桟も拭きました。
マンション住まいと違って手のかかることばかりです。そんなこと重々承知のことです。手をかけると家も庭もそれに応えてくれます。今まで怠った分の穴埋めです。見出し写真の天井は4メートル以上あります。流石にそこに渡っている梁を私は拭くことができません。サーカス並みの技です。
私の気力と体力が続く限り庭も家も手をかけてやりたいと思います。帰国してふた月になりました。ツタの根っこを切りながら、梁をゴシゴシ拭きながらいつになったら本が読めるかなあと思います。あと一踏ん張りすれば、お昼間ベットにゴロンとなって本を読める日がくるはずです。長くご無沙汰していたこの家がだんだんと私の手のひらに収まって来ています。