曇り,28度、90%
昨日は母の三回忌でした。送り盆と重なります。私は日本には帰らず、こちらで父母の事を思って過ごしました。主人は義父の初盆で帰国しました。私たち年代になると,こうして仏事が重なるようになります。
母を施設に預けた頃からでしょうか,恥ずかしい事にその頃からやっと自分たちの今後を考えるようになりました。老後を含めた今後です。その頃は,まだ実家の改築も決めていませんでした。終の住処となるべき所も決めていませんでした。主人は長男,私は一人っ子です。結婚した時から明々白々、親から譲り受ける物が両方の家からあるという事です。その中で,頓にこの所、私が気がかりな物がお仏壇とお墓です。
日本の新聞の書籍広告欄にも,同じ題名の本が出ていました、「墓と仏壇」。小さい頃から墓参り、仏壇掃除とお墓もお仏壇も身近な物として育ちました。主人の家にはお仏壇もお墓もありませんでした。そのこともあって,お墓もお仏壇もそんなに重荷に感じないで来たのですが,義父が亡くなって,主人の実家にもお仏壇を購入しました。お墓は数年前に義父母が用意していました。義母に付き添って仏壇用品を揃えに行きます。あれもこれもという義母は、仏壇屋にとっては恰好のお客です。義父のために仏壇を調えるのには何の心掛かりもありません。2つのお仏壇,2つのお墓を守るのは勤めです。と,私まではいいのですが,考えると我が家は一人息子です。
2つのお墓に2つのお仏壇を息子夫婦に托す事は出来ません。少しそういう懸念が出始めた頃,実家のお墓の整理を考えました。納骨堂に移そうと思ったのです。菩提寺の納骨堂,5年ほど待てば空きが出ますと仰るので,申し込みました。でも,いざ母の納骨の段になり墓を開けると、お墓を手放す事に心が陰ります。
実家の改築で倉庫に家具を預けました。その時ろくに掃除もされていないお仏壇がとてもみすぼらしく見えました。小さい手頃なお仏壇に買い替えようと,何度か仏具屋に足を運びました。家の改築も終わり,古い仏壇をもとの場所にすえました。母が手入れを怠っていましたから,汚れがひどく小さな引き戸までガタピシでした。それを何度も何度も拭き上げ,ロウをひき引き戸もスムーズに開け閉めできるようにしました。すると,見違えるほど昔のお仏壇に戻りました。これも手放せません。
主人の家のお仏壇には義母と私で調えた仏具が収められています。主人の実家のお墓と私の実家の墓は共に市内ですが、車で2時間位離れています。
私のような悩みを抱えた方はたくさんいらっしゃるはずです。まだ,私たち夫婦が元気なうちに,この2つのお仏壇と2つのお墓の行方を決めなくてはなりません。
母が逝って2年が過ぎました。介護の事,老人施設の事、仏事の事,少しずつ書き始めようと思っています。