晴れ、27度、84%
イギリスのお菓子にトライフルというのがあります。残ったスポンジの端とフルーツをカスタードクリーム,生クリームと一緒にボールに入れて作るもので,そのボールから分けて食べます。大人向きにはキルッシュなどのリキュールを垂らします。要するに残り物から作る家庭のお菓子です。ところが昨今、一人分の小さなガラスの容器に入れた洒落たトライフルを売っているお菓子屋さんもあるそうです。
昨日は主人の誕生日でした。そこで,ケーキを焼こうと考えました。色々思い浮かべたけれど、ご本人が一番好きなショートケーキを作る事にしました。小さな丸い3段のショートケーキ。一昨日の午后、シャカシャカとお茶の子さいさいの様な顔をしてスポンジを焼きました。きれいに膨らんで出来たスポンジの型を外して,冷まし3段に切り分けて飾れば終わりです。型を外してしばらくして見ると,あれ!スポンジが凹んでいます。真ん中辺からぐっシャリ。この時の私の表情,側で見ていたのはモモさんだけです。時間は午后の3時過ぎ。人様に差し上げるお菓子なら,ここで,また一踏ん張り焼き直すところですが,いかんせん明日の誕生日は主人です。そこで,トライフルに変身させる事にしました。
イチゴがあります。ブルーベリーも買ってありました,クリームはすぐに出来ます。ただ,トライフルはボールからすくい分けてたべるもの,なんだかお誕生日には似つかわしくありません。出来たらケーキのように、こうこんもりとしてくれたらなあと思いながら,小さめのサラダボールの外側にイチゴやブルーベリーを貼付けてスポンジを詰めて,クリームを入れてを繰り返します。もちろん、モモさん真剣に足元に待機しています。取り出し易いようにボールにはラップを敷いて詰めました。うまくケーキのようにならない時はこのサラダボールのまま出すつもりです。冷蔵庫に入れたのは,午后の4時過ぎ。
夜寝ていても,うまくケーキのようになってくれるかなあと,心配です。まあ,家族ですから失敗も許してもらいましょう。
朝一番に,おめでとうと共にケーキを食べてもらいます。会社でも,ボスおめでとうのケーキが待っているはずです。夜はお外でご飯です。モモさんと3人で朝からおめでとうをします。
さて,トライフルのボールを冷蔵庫から出して来て,お皿をのせてエイッとひっくり返しました。やりました,見事に山のようにこんもりと崩れる様子もなくトライフルケーキが出てきました。 モモさん半日以上待ちました。お待ちどうさま。
台所を預かって38年,失敗しても凹みません,失敗しても無駄にせず食べ上げます。失敗しても取り繕う,ごまかす腕だけは上達しているようです。今回、スポンジの配合をシート状のロールケーキのスポンジの配合で焼いてしまいました。
さて,トライフル、trifleの意味は「つまらないもの」です。50代最後の誕生日に「つまらないもの」を贈ってしまった私は,いささか主人に申し訳なく思っています。 このモモさんのお顔に免じて許してもらいましょう。