晴れ、17度、66%
食事の時、出て来た料理に醤油、ソース、ケチャップなどを付けて食べることがあまりありません。けど、お酢だけは別。とりわけ、黒酢は大好きです。香港でも、中華の料理屋に行くと、小皿にのった、黒酢が出てきます。もっと気楽な中華料理屋なら、テーブルの上に、黒酢の入ったしょうゆ差しならぬ酢差しがあります。黒酢だと、醤油と色が違わないので、クンクン匂ってみるか、もしくは小指でちょっと舐めないことには、区別がつきません。
鎮江香酢、江蘇の有名な黒酢です。小籠包を注文するとついてくる黒酢です。原料は、餅米。とろみと、香りのよさはなんと言えません。熟成させるのに、時間をかけるので甘みがほんのりとします。酢のツンと来るあの香りは控えめです。
香港で買うと、この小瓶で65円ほど。こうして色目を見ると、まるで、酢醤油のようです。日本人が、餃子を食べる時、酢醤油を使うのは、意外にこんなところから来たのかもしれないな、など想像してしまいます。
そして、もう一つ。 イタリアの、バルサミコ酢。アチュート バルサミコ、香りのよいお酢、という意味です。イタリアのモデナ地方で作られるこの、芳香なお酢も、やはり黒酢です。イタリアでも、このお酢は火を入れて使うのではなく、かけて使うそうです。一時はやった、アイスクリームにかけたり、フレッシュなフルーツにかけたり。もちろんサラダにも。
原料は、ぶどう。確かに、この香りは、昔自宅で作っていた葡萄酒の香りにそっくりです。一番いいものは、12年寝かせたもので、DOPの記号が入っています。この、黒い瓶の持ち手がついていない瓶に入っています。お値段は、これがお酢!というほど、高価です。
安いバルサミコ酢には、長く熟成させ寝かせる代わりに、キャラメルなどの甘味料で甘み、色を付けるのだそうです。お酢独特のツンと来る、香りはありません。そのまま飲んでも、美味しく感じます。バルサミコ酢は、加熱をしないこと、とよく言われます。私は、チキンのソテーなどの最後に、まわしかけます。香り付けもありますが、糖分がちょっとこげて、チキンの皮にいい色がつきます。我が家の、バルサミコ酢、香港で買って2000円ほどでした。あっ、日本円に直したら、急に、ガパガパ使うのはもったいないと思ってしまいました。