曇り、27度、88%
今年に入って、鰹節を削り始めました。特別な理由からではありません。帰国したとき、デパートの地下でふと目にした鰹節が事の始まりです。鰹節を削らなくなって、10年近くになります。プラスチックのかつお箱を、使っていました。どうしても、このプラスチックのかつお箱を入手した経緯が思い出せません。でも、元気に働いてくれていました。それでも、しばらく使わなかったので、どうも昔と勝手が違います。そんな訳で、かつお箱を買い替える事にしました。
かつお箱は、やはり刃が命です。そこで、刃物のお店有次のかつお箱を求める事にしました。家人と二人の家庭です、すっと出せて、すっと削れるように小さいかつお箱をいただきました。と言っても、以前のプラスチックのに比べると4倍くらいの大きさです。
削ってみると びっくりするほど、楽に削れます。実は、今までずいぶんと力を入れて削っていました。引き出しの取っ手を手前に引くと、開けるなり、かつおのいい香りです。一口、つまんで食べてみました。何と言っていいのか、かつおの味がしっかりとして柔らかく美味しいのです。香り、味とも、プラスチックのかつお箱で削っていたときのには及びもつきません。
台所道具、使い勝手やデザインも大事ですが、いいといわれる物にはそれなりの理由があるように思います。使い慣れた卵焼きを有次の卵焼きに替えたときが、そうでした。やはり、大根おろしを有次の大根おろしに替えたときがそうでした。卵焼きが、するっと返ってくれてはじめて使ったのに、うまく焼けます。大根おろしは、ちっとも辛くありません、大根の甘みが感じられます。
有次の台所道具、永年の職人さん達の知恵の凝集です。そして、おいいしいものを作りたいと思う人たちに支えられてきたのではないでしょうか。美味しい物を作る道具は、使い勝手もデザインもいいようです。
帰国する前から、電話で取り置きをお願いしてありました。おかげで、名前も入れてもらいました。何と、フルネーム。
日本橋高島屋の有次の売り場のお姉さんにいろいろ話を聞いて、帰りには