雨、25度、91%
「低温調理」と言う言葉をここ2年ほどよく耳にするようになりました。高価な調理器具も店頭に並んでいます。低温で加熱することは食べ物自体に無理をさせず、旨みを引き出す調理法だと私は解釈しています。高価な調理器具を使わずに私なりのやり方で,低温調理をやっています。
肩ロースのポークを庭のいちじくの葉で包んで作る料理は今までは蒸していました。今回は一旦沸騰させた湯に2時間ほど漬けて時折温度を見ながら加熱しました。 豚肉ですから火は完全に通って欲しい、けどもっさりとした肉は嫌です。「いちじくの葉」の香りは爽やかではなく甘味を持った香りです。この香りを豚肉が纏います。
高温加熱とは違い時間はかかります。「いいかな?」と思う頃合いで肉に竹串を刺しました。滲み出て来た肉汁は透明です。加熱終了、鍋の湯はまだ生暖かい状態でした。 いちじくの葉を開けると、甘い香りが鼻をくすぐります。低音加熱ですから驚くほどに葉の緑が生き生きしています。
端から切りました。しっかり火が通っています。
中央部はややピンク色、火は通っているもののパサつきがなくしっとりしています。
付け合わせはこの夏最後の庭のいちじくをバルサミコ酢でマリネしたものです。ポークと一緒に口に入れると甘みと酸味が程よく絡みます。
熱したフライパンで油多めに焼き上げる、高温オーブンでじっくり煮上げる、それもまたおいしさを引き出す調理法です。低音調理は時間こそかかりますが、二酸化炭素排出量も減り、ある意味時短です。
今回は一人分ですので、肉の塊は小ぶりです。先月、孫たちに振る舞ったローストビーフは1キロ近い重さでした。実はあのローストビーフも低音調理で作りました。旨みを閉じ込める、柔らかに仕上げる、様々な効果があります。まだまだ、試行錯誤ですが、私なりの「低音調理」です。