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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

イチジクのパン

2014年09月15日 | パン

曇、28度、81%  シグナル1

 イチジクが食べたい、その一心でイチジクの木を育てました。日本での話ではありません。ここ香港は、生のイチジクが売っていませんでした。生のイチジクが果物屋に並ぶようになったのは、ここ数年です。我家のイチジク、夏の終わりには3つか4つ実を付けました。「無花果」と広東語では書きます。花をつけずに実がなるからです。イチジクが熟れるのを楽しみにしていると、コウランという小鳥がくちばしで突きました。そこで、コウランたちにパンをあげるようになりました。イチジクの木はコウランたちの止まり木になり、三夏、小さな実を付けてくれました。ところが、植木鉢が小さかったのか、枯れてしまいました。

 ちょうど、我家のイチジクの木が枯れた夏から、市場の果物屋の店先にイチジクが入って来ました。トルコからです。結構、高値の果物です。今ではイスラエルからもやって来ます。生のイチジクはなかった香港ですが、干したイチジクは、アメリカ、イギリスからのものが以前からありました。あの丸っこいイチジクの形そのままが干されて小さくなったものです。ヨーロッパからの干イチジクは、少しオイルが塗られているようです。ところが、トルコの干イチジク、 なんだか、パウンドケーキのようです。30個以上入っています。干したイチジクをペタンと押したお餅のような恰好です。このお餅型干イチジクが、とても気に入って、そのまま食べていました。イチジク入りのライパンがフランスで流行中と聞いたので、よしとばかりに、トルコのイチジク入りパンを焼くことにしました。

 イチジクに合うオイルは何かな?と考えます。バターはある意味オールマイティー、オリーブオイルではつまらない。そこで、アボガドオイルを使うことに。 パンは加えるオイルによって香りが全く変わって来ます。最近香港では、ショートニングが売り場から姿を消しました。トランスファットが問題だからです。アメリカ程規制はありませんが、食べ物には敏感です。

 イチジクの種がプツプツと歯にあたります。 残った干イチジクで、ジャムでも作ろうか、赤ワインで煮ても美味しそうです。いつか、庭にイチジクの木をもう一度植えてみたいと思います。今度は、少し鳥たちにも分けてあげましょう。


ご飯を炊くように、プルマンローフを焼きたくて。

2014年06月01日 | パン

晴れ、28度、86%

 ご飯を炊くこと、それは日本人にとって日常のことです。洗って、分量さえ測ればあの簡単な炊飯器が炊いてくれます。私が、一人で生活を始めて、はじめてご飯を炊いたのは文化鍋でした。炊飯器を買ったのは、お鍋でご飯を10年近くも炊いた後のことです。おかげで、どんなお鍋が出て来てもご飯を炊くことが出来ます。その上、主人は日本米、私はタイ米、二人が好きなインドのバスマティライス、今ではこの3つのお米が常備されています。どのお米を炊く時でも、何の躊躇もなくご飯を炊くという行動をしています。つまり、日常茶飯事。

 お米を炊く時のようにプルマンローフを焼いてみたい、と思うようになったのは昨年暮れのことでした。プルマンローフを焼きはじめて30年。最近やっと満足の行くプルマンが焼けるようになりました。それでも、強力粉によっては少し重かったり、きめが粗かったりします。主人も、出張の度にいろいろな国の強力粉を買って来てくれました。ここ香港でも、また、たくさんの国からの強力粉が手に入ります。その上、昨年末は、日本の友人が送料の方が高くでしょうに、私が使いたかった日本の小麦で出来た小麦粉「ゆめちから100%」を送ってくれました。

 プルマンローフ、食パンは、私の基本のパンのひとつです。我が家の型は2斤型。これをモモと私で食べ上げるのに6日かかります。つまり一週間に、約2本焼くことが出来ます。粉の違いを見極めて、水を調節します。気温が上がり始めると、水量ばかりか、塩の量も調節します。約半年、プルマンローフばかりを焼き続けました。おかげで、粉を触っただけで、思うようなプルマンローフを焼くことが出来るようになりました。もう、どんな粉が出て来ても怖くはありません。

 香港、急にスイッチが入ったように暑くなりました。この暑さ、嗜好の傾向までも替えてしまいます。満足いく食パンは、少し重たく感じる季節です。久しぶりに、プルマンローフ以外のパンを焼きました。くるみのパン。くるみのオイルのおかげで、ふんわりとしたくるみ独自の香りがするパンです。 これから暑さが続くと、ハードなパンが食べたくなります。このくるみのパンはちょうどその中間ぐらい、見た目より、柔らかなパンです。

  あら、また、モモさんの登場です。主人や友人のおかげで、やっと、30年にして、思うようにプルマンローフが焼けるようになりました。ご飯を炊くように。

  珍しく主人がサンドイッチをご所望です。今日もまた、プルマンローフを焼きます。


ゆめちから100%のプルマンローフ

2014年03月19日 | パン

曇、20度、97%

 ここ香港におけるホームベーカリーの普及率、さてどれくらいのものでしょうか?高いものはパナソニック、象印。その3分の1の値段で、中國製が買えます。ホームベーカリーは、確か、ニーダー、つまりパン種をこねる為の機械作りから発展した電気製品だと聞いています。古いアメリカンの雑誌で、今は亡き料理研究家のジュリアチャイルドが、ホームベーカリーの蓋をとって匂いを嗅いでいる写真があります。アメリカでは、もう随分と古くからあるホームベーカリーのようです。それにしても日本の機種は、あれこれといろいろな仕事をこなしてくれるそうです。お餅も作れますし、ご飯からパンを作ることだって出来ると書いてあります。この発想、流石日本です。でも、相変わらず、こねこねして、パン生地とにらめっこしながら焼くパンが好きです。

 このホームベーカリーブームに乗って、日本のクオカのホームベーカリーミックスなども簡単に手に入るようになった香港です。製菓製パンの材料をシティースーパーの富澤商店のコーナーでも買うことができます。こんなに普及する以前、タイ、韓国、アメリカ、フランス、イギリス、中国、手に入る強力粉をほとんど試しに焼いてみましたが、小麦の産地、製粉術このふたつの要素はパンのおいしさを大きく左右します。小麦粉の産地は、北米。製粉技術は日本。と頑に信じていた私が、日本の小麦で作られた小麦粉に興味を持ったのは、このほんの数年のことです。先日、富澤商店の「ゆめちからブレンド」を買って来て、プルマンローフを焼いてみました。噂に違わずいい小麦粉です。香りが薄いのがやや難点。この香りとは小麦の香りです。

 でも、何故、富澤商店はゆめちから100%の粉を売らないのか?とても疑問でした。ブレンドすることでパンを作り易い小麦粉にしたいのか、何か欠点を補う為のブレンドなのか、一度は、「100%のゆめちから」を焼いてみたいと思っていました。いえ、そうブログに書いてしまったのです。

 1週間ほど前、郵便屋さんが小包を届けてくれました。なにかな?開けてみると、「100%のゆめちから」が入っています。私が書いたちいさな言葉も逃さずに友人は、送料の方がうんと高くつくにもかかわらず、「100%ゆめちから」を送ってくれました。

  さあいよいよ、「100%ゆめちから」でプルマンローフを焼きます。

 先日の「ゆめちからブレンド」で感じたのは親水性がいい粉だということです。水は、少なめに加えてみます。プルマンローフの生地は、かなりべとつき気味に仕上がります。一次発酵では、やはり、縦にも横にも伸びる特性があります。蓋を閉めて焼くプルマンローフは、1次発酵の状態で、2次発酵の時間を決定しますが、時計より自分の目の方が正確です。焼成の為にオーブンに入れるタイミングが、きちんと角があるプルマンローフを作ります。

 この「100%ゆめちから」、こねている時から香りがたってきます。1次発酵の後ボールからすくいあげる時にも、甘い香りです。以前のブレンドでは、この香りがありませんでした。

  持ち重みのあるプルマンローフです。焼きたては普通、外はやや固めですが、ゆめちからで焼くと耳まで柔らかに焼き上がります。気泡の大きさも、上に向かうの生地の延びも見事です。

 お味は、どちらかというと甘く感じる(砂糖の甘さではありません。)パンに仕上がります。おそらく、ゆめちかという小麦が持つ甘みです。こね、焼成、焼き上がった後もいい香りだったこのパンですが、やはり、食べると香りが薄く感じます。これも、ゆめちからの特徴です。初めに噛み切った時に、小麦のはじけるような香り、欲を言えばその力強さに欠けています。これは、北海道と北米の土壌の違いから来るものでしょうか。

 「ゆめちから100%」のプルマンローフ、日本人のようにホンワリしたパンです。もちろん、バターもお水も日本のもので焼いてみました。

 こんな貴重な体験、いつも心にかけてくれてありがとう。

 


ゆめちからブレンド(国産小麦粉)を使ってプルマンローフを焼きました

2014年02月24日 | パン

曇り、15度、88%

 パンを買っていた頃には、考えも付かなかったのですが、パンを焼き始めると、気になるのが粉です。パンですから、概ね強力粉。しかも、日本なら何でも揃うところが、ここ香港では、パンを家庭で焼くなんて、20年以上前には珍しかったので、強力粉の入手には、ほとほと手を焼きました。日系のパン屋さんに知人がいた頃は、お願いして粉を分けていただいていました。近年は、世界中から粉が集まって来ています。タイや韓国の粉まで試してみました。それがここにきて、ホームベーカリーの流行です。お高い日本の強力粉まで店頭に常時並びます。ありがたい話です。

 2、3年前から、日本国産の小麦粉が気になり始めていました。パンの延びやこしや引きの強さはどんなふうだろう?そんなことを考えていると、昨年、銀座にオープンした食パンだけのパン屋さん、3種類しかない食パンのひとつを国産小麦粉で作っていることを知りました。その強力粉の名前は、「ゆめちから」。北海道の小麦から作られています。

 「ゆめちから」、どうにかこの粉を手に入れたいと切に望んでいると、昨年香港にもオープンした富澤商店で扱っています。我が家にあったストックの粉を使い切って、大事に抱えて帰って来た「ゆめちから」です。ただし、このゆめちからはブレンドものです。100%「ゆめちから」ではなく、他の中力粉を混ぜてあります。

 我が家の2斤型には粉を650g使います。 粉によって加減するのは、水の量です。スタンド型のミキサーでこねて、最後は手でこねます。ここで、生地の柔らかさ、弾力などを確かめます。一時発酵を終えると、縦延びも横延びもする生地でした。この確認をしていないと二時発酵の時間が読めません。

 焼き色ばかりは初めて使う粉では、皆目分からないので、スタンダードな焼成温度、時間を設定します。プルマンの蓋を開けると、 いい色に仕上がっています。 型から出してみました。やや持ち重みのある柔らかなプルマンローフです。柔らかいせいか、角がきちんと立っていません。

 ゆめちからのパンの評判は、モッチリとしたきめの細やかさ、耳まで柔らかい、とあります。完全に冷めたパンを一切れ切ってみました。 この切り口を見ただけで、思わずわーっと言ってしまいました。通常、21枚に切り分けるのですが、柔らかいので、18枚にしか切り分けられません。

 さて、お味の方は。確かにモッチリとしています。お餅のようではありません。モッチリというよりしっとりとしています。そして、評判通り、耳も柔らかい。粉の旨味も感じられます。残念なことに、粉のというか、小麦の香りが薄いように思います。

 大手のPASCOでも、ゆめちからというパンが出ているそうです。こちらは米粉もブレンドして作っているそうです。

 初めての国産小麦粉のパン、ここまで、粉作り、小麦造りにこだわるのはやはり日本人です。そして、このパンも日本人が喜ぶ食感だと思います。ゆめちから100%の粉で、パンを焼いてみたいと思っています。カナダ産の小麦で日本で製粉された小麦粉の香り、オーブンから立ち上がってくるあの香りを、ゆめちからにも持ってもらいたいものです。


アメリカンシナモンロール

2014年01月16日 | パン

晴れ、12度、65%

 映画「カモメ食堂」でお客を呼ぶ始めのきっかけになったシナモンロール。確かにあの映画のシーンと同じく、このパンを焼いている間は、シナモンの香りが辺に流れていきます。これは、強烈な誘惑です。しかも、あの映画で使われたレシピは、ガーダモンが生地に練り込まれていますから、シナモンと合わさって、それはエキゾチックな香りに違いありません。たまたま、飯島奈美さんのレシピを手に入れた私は、早速ガーダモン入りのシナモンロールに挑戦しました。確かに美味しい、香りもそれは濃厚です。でも、何故だか我が家の口には今ひとつ、きっと甘さが少なめだからかもしれません。アメリカの十八番のようなシナモンロール、ヘルシンキが舞台のこの映画では、北欧風にアレンジされていました。

 我が家が長いこと焼き続けているシナモンロールは、アメリカンタイプです。映画などで見るアメリカのスーパー、シナモンロールもローフになったものや大きなパイ状になったものまで売っています。とにかく、アメリカを代表する菓子パンだそうです。そして、エッと思うほどに甘く作ると、美味しいと感じます。

 アメリカでは、家庭でも作られるシナモンロールだそうですが、我が家も気楽に作るパンのひとつです。天板に一杯拡げて焼きます。 焼成に入れる前の状態です。大きく長方形に伸ばした生地に、シナモン、お砂糖、レーズンをまき散らし、端からクルクルと巻きます。それを適当な大きさに切って、切り口を上に向け並べます。実は、今回は出張中の主人から、シナモンロールを作って欲しいといわれました。しかも、蜂蜜入り、レーズン、くるみ入りがご希望だとか。最近日本製の蜂蜜に肩入れしている主人です。そこで、生地にまず蜂蜜を練り込みました。でもこれぐらいでは、シナモンの匂いに負けてしまいそうです。そこで、拡げた生地に巻くお砂糖の半分を蜂蜜に代えてみました。随分と甘いパンになります。そのうえ、だめ押しにアイシングシュガーを焼き上がりにタラーッとかけます。

 さて、天板から外そうとした時、あれ~、いつもならパリッと焼き上がるこのパンが、柔らかくて調理台の上にドサッと落ちてしまいました。蜂蜜を入れると、パンは柔らかくなります。まあ、私たち3人が食べるものですから、形が崩れてもね。蜂蜜はすっかりシナモンに香りでは負けていますが、しっとりした口当たりは上出来です。

 シナモンンロールが今年のパンの焼き初めではありません。もちろん焼き初めは、プルマンローフでした。


あんまん

2013年12月09日 | パン

晴れ、6度、80%

 我が家の冷凍庫には手作りの小豆のあんと白あんがいつもあります。日本から買って来た大納言小豆と手亡豆から作ったあんこです。アクが少ない上に、砂糖も控えめ、しかも上白糖で作りませんからさっぱりしたあんこです。グラニュー糖で作ります。先日、甘いものが欲しいという主人のためにあんぱんを焼きました。そのあんぱんが無くなるなーという頃、主人は帰宅するなり、今度はあんまんが食べたいとおっしゃいます。

 私、実は小さいときから、あまりあんこが好きではありませんでした。ましてや白あんとなるとどうもダメ。主人は以前から白あんやみどりあんが好きでした。自分であんを作るようになって、やっとそれぞれのあんのおいしさが解るようになりました。それに日本のあんは、甘さがとても強いように思います。自分で作ればさっぱりしたあんこが楽しめます。

 あんまん、日本のみならず香港も中國もあんまんはありますが、香港や中國の小豆のあんにはオイルが入ります。中國というとオイルはごま油と皆さん思われるのですが、実はピーナッツオイルです。ピーナッツの香りのするオイルです。熱々のあんまんをふたつに割ると、あんの匂いではなくこのピーナッツオイルの香りがします。これもまた、なかなか美味しいものです。

 我が家は純粋日本風で作りました。 粉は中力粉、こんな中國製の粉を手に入れました。中力粉がなくても、強力粉と薄力粉を半々ぐらいで作ることが出来ます。フワッとさせたければ薄力粉を多くします。膨らますのにはイーストとベーキングパウダー、両方使います。 粉の中にこんなイーストが入っていました。中國のイーストです。初めてですが使ってみました。ラードを生地に入れるレシピもありますが、今回は入れませんでした。油脂を入れると、生地は柔らかくなります。最近はパンもこうしたおまんじゅうも全て小ぶりに作ります。 お腹具合に合わせて、1こ2こ。 この大きさだと、私は3口で食べられます。必ず暖め直して食べます。ふたつに割ると優しい小豆の香りです。熱いお茶もいいのですが、温かなミルクもなかなかいい相性です。はい、もちろんモモさんにも少し。

 


あんぱん

2013年12月04日 | パン

晴れ、15度、72%

 主人が、急に甘い物ない?と尋ねます。あいにく、頂き物のお菓子も作り置きもありません。でも、冷凍庫にこしあんがあります。こしあんを解凍して食べたら?とこれまたジャムをそのまま食べる私の失言、主人は怪訝そうに私を見て黙っています。まあ、手間がかかること。あんこで何を作ろうか?手っ取り早く、あんぱんを。

 あんぱん、クリームパン、ジャムパン、なんだか日本的ですが、ラズベリージャムを入れた揚げパンがウィーンでは有名だと聞きました。クリームを入れたパンは、日本のそれとはちょっと味が違いますが、肉まんの中身がクリームバージョンが香港にあります。それに日本のパン屋が多い香港です、あんぱんはどこにでも手に入ります。パンの中に甘い物を詰める、片手で食べる気安さがあります。

 銀座の木村屋のあんぱんは、酒種、酒粕が酵母の代わりですから、パンがフワッと酒の香りがします。あの香りとあんこ、そして、桜の塩ッ気がなんともいい塩梅にお腹に納まります。芥子が粒あん、桜がこしあん。でも、我が家の冷凍庫には、こしあんしかありません。芥子も桜も食べたいしね。

 そこで、中身はこしあん、外の飾りは二種類、桜と芥子にしてみました。 真ん中のおへそが盛り上がってしまって、残念、桜に焦げ目が付きました。酒種ではなく、普通のイーストです。

 さて、主人、2つを見比べながら、こしあんにするか粒あんにするか迷っています。中身は同じよ、と言うと少しがっかりしていました。 あんこはしっかりと端まで入っています。

 私の作るあんは甘みが少ないのですが、日本のあんはお菓子もパンもしっかりとした甘さがあります。ちょっと気の抜けたようなあんこですが、この甘さならかえっていくつでも食べられます。もちろん、モモさんにもちょっとあげました。


ラズベリーマフィン

2013年11月18日 | パン

曇り、19度、52%

 少し気温が下がったでけで、少し秋の気配がしただけで、ヨーグルトやスムージー、アイスクリームよりは、ココアやミルクティーが欲しくなります。そんなわけで、冷凍庫に 残ったままになっていたラズベリー、ジャムにしようかな?とも思ったけれど、朝ご飯用のマフィンを作りました。

 マフィンを初めて食べたのは、あのコーングリッドがかかった、何か挟まないと味も素っ気もないイングリッシュマフィンでした。それでも、少しチューイーな歯ごたえが好きで、朝ご飯はマフィンばかり食べていた頃もあります。甘みのあるカップケーキのようなマフィンに出会ったのはそれから後のことです。名前はともあれ、これまたカップケーキの親玉みたいなマフィンに凝りました。全て30年以上前の話です。カップケーキのようなマフィンは、アメリカンタイプのマフィンだそうです。イギリスタイプ、アメリカタイプ、非常に頷けます。

 イングリッシュマフィンは、イースト発酵のパンです。アメリカンマフィンは、材料を次々に入れて行く、、ベーキンパウダーで膨らませたイージーブレッドです。大きなアメリカンマフィン、以前なら全部食べることが出来たのに、最近途中で飽きて残すようになりました。そこで、サイズを小さくして焼きます。 私だとふた口サイズ、品のいい方だと三口サイズでしょうか、2つで充分、いや、3つと、食べる量が加減出来ます。

 卵1個を目安に作ると、大きいものなら5個、この小さいサイズだと12個作れます。

 卵1個、砂糖カップ4分の1、癖のないオイルカップ3分の1、ミルクカップ4分の1。ここにふるっておいた粉類、薄力粉カップ1と4分の1、小さじ2のベーキングパウダーをさっくりと混ぜ、好きな果物をカップ1ほど混ぜて焼きます。

 ラズベリーの赤い色は、イチゴのそれとは違った華やかな色です。香港では、生のラズベリーは全て輸入もの、とてもいいお値段です。使ったのはニュージーランドの冷凍物。袋の底にジュースが一杯です。そこで、ミルクを止めてこのジュースを使いました。お砂糖はもっと多くてもいいのですが、我が家のモモさんにもあげるため、少なめです。

 ジュースを使った上に、ラズベリーがたくさんだったので、可愛いラズベリーカラーのマフィンになりました。水分が多いので、170度で20分ほど焼くと、充分に火が通ります。

 ラズベリーの酸っぱさが朝の雰囲気にぴったりです。おまけに種がプツプツと歯にあたります。今、3つ目をほおばっています。


超特製食パン

2013年11月15日 | パン

曇り、9度、64%

 本当に、自分でも満足がいく食パン(プルマンローフ)を焼けるようになったのは、ここ数年のことです。つまり、パンを焼きはじめて、20年近くも経ってからです。毎日パンを焼くわけではありません。食パンばかりを焼くのでなく、家庭で焼くパンですから、その時その時の食べたい物を焼きます。すぐにうまく作れるパンもあれば、フランスパンや食パンのように納得が行くパンが焼けるようになるまで、随分時間がかかる物もあります。

 パンといっても、相手をしているのは生きたイースト菌です。時折、うまくいくはずのパンがイースト菌のご機嫌が悪くて思うように焼けないこともあります。そんな時、いつも同じ味、同じ大きさに焼き上げる職人さんの知恵と技に脱帽します。機械で、温度湿度の管理をしてパンを焼く工場生産のパンだって、管理する人は、やはりプロだなと感心するのです。

 フランスパンは、粉、水、イースト、塩のみで作るので、断然粉の味がはっきりと解るパンです。粉の味って解りにくいかもしれませんが、噛みしめた時、口に拡がる香りと味です。食パンはそれに比べて、バターや、砂糖、ミルクが加わりますから粉は、どちらかというと、縦延びする力強い粉の方がむいています。私が食パンに使うのは日清製粉の特選強力粉。同じ日清のカメリアよりも甘みのある深い味がする粉です。

 ちょっと冷蔵庫を覗いて、フランスのエシレバターがあればそれを使います。普通の食パンが、特製食パンに変わります。冷蔵庫の中に生クリームがあれば、スキムミルクの変わりに使います。そこで、超特製食パンの出来上がり。

 2ヶ月前に息子のお嫁さんにあった時、彼女が厚めの食パンが食べたいといいました。厚めの食パンなんて、どこにでも売っています。でも、私が焼いたパンを食べてもらいたいと思い、今度来る時焼いて来るね、と約束しました。冷蔵庫にはエシレのバターも生クリームもありました。超特製食パンです。ところがいざ、厚めの食パンと言ってもどのくらいの厚さかな? よく解りませんから、普段の倍の厚さに切りました。

 パンを焼くのは、問題がないのですが、さて、このパンを飛行機に乗せて潰さないように持って行くのが大変です。主人が、日本のおいしいパンを時折土産に持って帰って来てくれますが、途中でぺしゃんこになっています。 こんな容器を見つけて、手荷物に入れました。彼女が喜んでくれるといいな。


花豆のパンそしておまけの茶巾絞

2013年11月11日 | パン

曇り、24度、82%

 乾燥豆が大好きです。日本に比べると、香港で売られている豆の種類は遥かに多いと思います。レンティル豆やガルバンゾーだって、乾燥の豆が以前から売られています。煮豆よりは、シチューやスープ、サラダにマリネ、カレーに使います。種類は沢山あって、お値段も安い香港の豆ですが、やはり美味しさといったら格段に日本の豆が上です。豆の持つ味、噛みしめた時の香り、日本の豆はしみじみおいしいと感じます。

 7月に日本で買って来た花豆、うっかりして使わないままでした。暑い夏を越しています、急いで茹でてみたものの、はて、今回は何を作ろうか?主人が、マリネもトマト煮も、スープも飽きたとおっしゃいます。そこで、ラム酒を一杯入れたシロップに漬けておきました。これまた、食べないで冷蔵庫に入れたまま。そこで、 ムーランにかけて裏ごししました。裏ごししながら、きんとんを作ろうと考えていたのですが、モンキーブレッドのことが頭をよぎりました。モンキーブレッド、サツマイモを蒸かしてマッシュしたものをパンの生地に入れて焼くパンです。モンキーブレッドの応用はカボチャでもジャガイモでも出来ます。ラムの香りがするほんのりと甘いこの花豆のペーストを、パンの生地に入れる事にしました。

 レシピーなんてありませんから、適当です。強力粉150gに花豆のペーストを100g入れ、ラム酒が効いているので、イーストは少なめ、砂糖も塩もちょっとだけ。水加減は、こねながら少しずつ足しました。手のひらと目で見た感覚で作るパンです。花豆は皮を剥かずにペーストにしたので、所々に赤い皮が見られます。練り込むうちに、生地は全体に薄い小豆色になりました。発酵時間も、生地がおよそ倍に膨らむまで、目安なんてありませんから、度々台所へのぞきに行きます。

 野菜のペーストを入れたパンは、野菜が持つ水分とで柔らかいパンが出来上がります。こねている間は、ラムの香りがぷんぷんしています。オーブンに入れて3分後、またひと回り大きく膨らみました。そして不思議なことにラムの香りはすっかり飛んでしまい、花豆の香りが立ってきました。

 焼いている間に、残った花豆のペーストで、 おやつ用の茶巾を作ります。

 オーブンを開けると、どこからともなくソワソワとやって来る方があります。

  しっとり、花豆の香りがするやさしいパンです。私は、こんな残り物で作る自分で焼いたパンが一番大好きです。 こちらの方も、先程からお待ちかね、これならたくさん食べてもいいね。