うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

伸びしろしかない、しろ

2024年06月24日 | おたまの事

ぷっちゃん、白黒ちゃんの席巻で、

皆様に、ご心配、応援を頂き、

誠にありがとうございました。

 

おはようございます。

当の子猫達は、預かりボランティアさんのお家で、

すっかり落ち着いて、すくすく成長中だそうです。

2週間後にはワクチンを打って、里子へ旅立てるだろうとのことです。

さすが、素早い!

 

そんな我が家は、静けさを取り戻した。

子猫らが居たことで、もっとも疲れたのは、おたまだろう。

おたまは、決して器用な猫じゃない。

強い猫でもない。

そのくせ、縄張り意識の強い男だ。

今まで、おたまが出会った子猫は、ぷっちゃんらを入れて10匹になる。

毎度、怒って怖がって困惑して懸命に考えて、

で、どうにか現実を受け入れようと頑張って来た。

 

そんなおたまも、気付けば今年で10歳だ。

おたまが、まだ野良猫だった子猫時代、

私が見たのは、丘の上にいる母猫と兄妹猫らを見上げて、必死に叫ぶおたまだった。

どれだけ叫んでも、どういう訳か、母猫はおたまを迎えには来なかった。

草むらに居る、おたまを拾い上げた時、

丘の上の真っ白な兄妹らと違い、おたまは酷く汚れていた。

それでも腹がパンパンで、案外太っているなと思いきや、

獣医へ連れて行くと、腹の中は雑草と砂利で詰まっている状態だった。

 

「よしよし、いい子だね。いい子だよ。」

いくら撫ぜてやっても、小さなおたまは喜ぶ顔をしなかった。

いつも陰鬱な表情をした、なんとも可愛げのない子猫だった。

「大丈夫、子猫だもん。すぐ元気になる。」

獣医にもそう言われたが、おたまは一向に遊ぼうともしない。

撫ぜられて甘えることもせず、ただただ怒ってばかりだった。

私はすっかり困ってしまい、

「うちみたいに、多頭飼いじゃない方がいいのかもしれない。

この子にだけ愛情を向けてくれる人の方がいいのでは?」

と考え、里親募集をしてみた。

すると、

ドライフードも完全拒否で、大人し過ぎるが、

それに向きあってくれる里親さんも見つかった。

ところが、

お届け予定の3日前、おたまは体調を崩した。

謎の下痢だった。

「おかっぱさん、こういう時ってね。

無理に里親の所へ行かせない方がいいんだよ。」

知人にそう言われ、私は里親さんに平謝りして、

おたまを我が家へ残すことを決めた。

 

撫ぜても怒らなくなったのは2年掛かった。

ブラッシングを顔回りだけ許すようになったのが4年、

全身のブラッシングを許すようになったのは、今年だ。10年掛かった。

ドライフードを食べるようになったのは6年掛かったし、

たれ蔵やのん太を受け入れるのには、1年以上必要だった。

考えてみれば、そのくせ、

たれ蔵が病に倒れた時、おたまは誰よりもたれ蔵を心配した。

いつもは、他猫がちょっと病院へ連れて行くだけで、その匂いを気にして、

シャーシャー言うくせに、

病院の匂いをプンプン漂わせるたれ蔵に、一度も怒ったりはしなかった。

それどころか、体を舐めてやっていた。

 

考えてみれば、今回の子猫席巻でも、おたまは少し違っていた。

赤ちゃん猫でも、来れば大きく動揺していたおたまが、

ぷっちゃんのギャン泣きを心配する気配を見せた。

あれは意外だった。

まあ、白黒ちゃんがやって来て、ぷっちゃんのギャン泣きが治まったら、

遠慮なく、めちゃくちゃ怒っていたんだけどね。

 

おたま、お前っていい奴だな。