実は、
私は猫に好かれるタイプの人間ではないのかもしれない・・・。
おはようございます。
今、私は真価を問われている。
「ほーら、子猫ちゃん達~?美味しい美味しいご飯ですよ~」
と猫なで声で近づくと、
可愛いを越えて、きゃわいい6匹の子猫達は、
それはそれは見事に、蜘蛛の子を散らすように逃げ隠れてゆくのだ。
実は今、
ここでも紹介した、野良猫ママちゃんが弊社の車庫内で子育てをしている。
ここは、非常に子猫を守りやすい。
野良で子育てをするということは、危険が多い。
カラスも危ないし、野良猫にとって人間も敵だ。
田舎には肉食の野生動物もいる。
そして何より、オス猫に見つかると『子殺し』に遭うこともある。
そんな中、ママちゃんは、
「ここなら安心だわ」と信じてくれているのだ。
いや私をじゃない。
仲の良いドライバーを信じて、ここを子育て場所にした。
猫は産む場所でしばらく授乳をし、
少し成長すると、別の子育て場所へ引っ越す。
そこが、弊社の車庫になった訳だ。
見た感じ、生後1か月半~2か月の子猫達は、
キジ3匹、白黒1匹、黒1匹、キジ白1匹の6兄妹のようだ。
深刻な体調不良の子猫は、今のところ居ない。
それなりに元気。
母親ママちゃんは、ボランティア団体さんも追っている存在で、
「何か分かることがあったら連絡ください」
と言われていたので、連絡をした。
団体さんは、子猫らは保護をしたいという意向だ。
私も、今の月齢なら保護してあげた方が良い気がする。
ということで、
私は子猫らの人馴れ特訓をしている訳だ。
子猫らが人馴れをして、その様子をママちゃんが納得してくれれば、
とても平和に、子猫らを保護することが出来る。
ママちゃんの心配を少しでも軽くしたいし、
子猫らの恐怖も和らぐ。
今は、人間を非常に警戒している。
ちっさいくせに、なかなか餌でも釣れない。
だからこそ、
始めて触れ合う人間が、優しい人間でなければならないのだ。
さて、人馴れ特訓2日目の今日、
昨日は、
「黒い服着てたからかなぁ?黒が怖かったんかな~?」
ということで、アースカラーで臨みます!
私は土、私は大地、害はないぜ~っのベージュだ。
これでダメなら、とりあえず隣のデスクの熟女さんに同行してもらいます。
なぜか、熟女さんの声がけには、子猫らはとてもいい反応を示すから。
やったぜ、熟女さん!
いえ~い、熟女さん!
ありがとう、熟女さん!
もう、あんたに丸投げしたいです!!
夕方、離れたところで見守るママちゃんに、私は少し話をした。
「ねえ、ママちゃん?この子らを連れて行ってもいい?
餓えることのない、人間と暮らすという生き方があるの。
ねえ、ママちゃん。私達人間を信じてくれない?」
いつもは、目をひん剥いて逃げる体制を取るママちゃんが、
その時は、脱力して座ったまま、私にゆっくりと瞬きをして見せた。
それはイエスの意味なのか、
ただただ、お腹いっぱいご飯を食べる子猫らに向けた眼差しか、
私には分からなかった。
でも、安らかな顔をしていたことだけは分かったから、
私はさらに、真剣に悩んでいる。
この親子の幸せが何なのかなんて、私には決められないから。
ねえ、のんちゃん?
もしかするとだよ。
ほんと万が一だけど、
子猫が来たら、大丈夫?
その表情は、どういう意味?
ああ、悩ましい・・・。