近衛文麿 野望と挫折 | |
林千勝 | |
ワック |
近衛は、コミンテルンをはじめとするさまざまな人々によって、実は「謀殺」された!
このような文脈のノンフィクション作品は、近衛の生涯を追求したものとしては初見です。
本書の「はじめに」の中で著者は、次のように記しています。
近衛の行動は、一見、複雑でわかりにくいといわれています。変わり身が早いようで、優柔不断とも見られてきました。
しかし実は近衛の人生には一貫した明確な筋が通っていたのです。彼はきわめて主体的だったのです。
己の名誉と栄光を手にするために、極めて自己本位的に利用できるものは、天皇でもコミュニストでも自分の子供でも見境なく利用したのです。
(略)
本書では、近衛文麿のそうした野望と挫折の生涯を追いながら、「見えてきてしまった」ものを徐々に解き明かしていきます。そしてはっきりと、ついには克明に叫びます。
近衛は、コミンテルン(共産主義インターナショナル)をはじめとするさまざまな人々によって、実は「謀殺」されたのだ-―--と。青酸カリを使用しての「自殺」とされている彼の荻外荘での最後の日々の数々の矛盾や不可解な行動も本書で解き明かしていきます。(以下略)
以上