makoの喜怒哀楽

俳句は自分史・転記は禁じます

2016年・12月号・角川俳句入選句・「台風」

2016年11月28日 | 入選俳句39・それ以降は日記に含まれる

 

今日の1枚。

「薄らいで靄」

昨日のクイズの答えは

「葉っぱに穴を開け、それを額縁のようにして撮りました」

ということでした。

sakeさんがほぼ正解でした

向こうに見える池の水面に映る木々が焦点^^♪

足元に落ちていたハート型のような大きい葉を選びました。

 

さてさて、12月号の入選句。

先月に続いて秀逸とまではいかず、並入選^^。

それでも嬉しい♪

得意の人事俳句、父が登場します。

季語・「台風」・秋。

 

子供の頃の回想句で実父との思い出。

台風が来ると言うので、父は「カスガイ」を打ち始めます。

「子はカスガイ」という表現の「カスガイ」です。

引き戸や雨が戸ガタガタ言わないように、

風でめくれ上がらないようにするのです。

戸板一枚剥がれたら家ごと宙に浮いてしまうと父が言っていた。

あちこちにカスガイを打ち付けていた。

最後のカスガイを打つ折にはトイレも済ませて引き籠る訳です。

雨漏りのする家でもありました。

あるだけの鍋やバケツを集めてスタンバイ^^v

雨漏りし出した場所をいち早く見つける♪

というのが私たち子供の役目^^;

蝋燭の明かりだけが頼りです。

「よう見つけた!」と父が誉めてくれるのです^^;

洗面器、鍋、バケツ、その種類によって音が違います。

やがてそれはリズムを刻み始めて雨漏りの演奏会が始まります♪

台風の怖さなんてありませんでした。

風の心配もさほど無かったのです。

何故なら、土手が防風になっていたからです。

その土手の上は竹林になっていて地崩れの心配もほぼ無しでした。

それらを父が説明してくれ、私たちを安心させます。

 

隣の家は高台にあって、まるっきし風を受けて瓦が飛んで行って

うちの畑にもその残骸が。

うちは全くその心配はなかったのでした。

何故なら瓦のない家、そう、茅葺・・いえいえ、藁葺の家だったのです。

私が生まれてから父は故郷に戻ってきたのだった。

瓦の家は既に人でに渡され(父がそうしたこと)た後のこと。

やがて大人になって結婚をした私の弟は、真っ白な家を建てました。

勿論、瓦の家です^^。

 

で、話は戻って、隣の家のカスガイは父が頼まれて打ってあげていたのです。

毎回そうでした。

私と同級生の男の子がいました。

その子のお父さんは学識者でしたが生活面での知恵は皆無かな・・。

だから父は何かにつけ頼りにされていました。

「おれは無学やでなぁ~」が父の口癖でしたけどね。

 

・・・雨漏りの合奏は・・・

楽しい思い出となって今も耳に焼き付いています♪

↑ この画像は随分前のもの。

車の中で、しかもコンデジで撮ったものでした。

何を思って撮っていたのか今観ると笑える画像ですが、

フロントガラスにたたきつける雨と街灯が何となく気になったのでした。

 

街灯の灯が父のことと、

どこかで重なっていたのかもしれません。