まっかちゃんのブログ

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わが街-わが大阪に与ふる哀歌ー

2016-03-01 18:00:41 | 文化・文学・アート
2月26日、立命館大阪プロムナードセミナー「木津川計ゆきしものへのバラード」の第6回 「わが街 ーわが大阪に与ふる哀歌-」を受講しました。会場は満席でした。講義の内容は以下の通りです。

船場型文化の衰退と帝塚山文学への希望
大阪の人口は1955年(昭和30年)に462万人の人口が1970年には762万人へ、15年で300万人増加した。1975年以降、漸増しつつこの30年間は強含みの横這い、2010年(平成22年)の886万人をピークに2015年は883万人と減少に転じた。大阪は最盛期を過ぎ、長期的に見ると衰退期に入った。高齢人口の増加と生産年齢人口の急減が大阪の衰退に拍車をかけている。

1960年代以降の社会的人口増が”異邦人”的大阪人を大量に生み出していくにつれ、大阪の風俗・習慣がしだいに見失われていった。ことに伝統的大阪らしさを伝えた職住一体の船場が業務ビジネスゾーンのビル街(町屋からビルへ:人が住まなくなった)になるにつれて、大阪の変わり方は顕著になっていった。

都市のグレード(都市格)は、その都市の現代に伝統が共存しているかいないかで決まる。大阪の伝統芸能を衰弱させたら大阪の都市格は低下する。大阪の文化全体を見渡すと、次の文化類型がある。
 1)宝塚型文化(都市的華麗)ー宝塚歌劇、OSK、ミュージカル、現代演劇など。
 2)河内型文化(土着的庶民性)ー漫才、上方落語、浪曲、講談、マジックなど。
 3)船場型文化(伝統的大阪らしさ)ー文楽、上方歌舞伎、上方舞、地歌など。
 4)千里型文化(学術研究機能性)ー能、狂言、四天王舞楽など。
これらの4類型の将来を予測すると、大阪の都市格に最も影響を及ぼす 3)船場型文化に対応する伝統芸能の存続が一番憂慮され、ついで 4)千里型文化の、ことに能が危ぶまれる。

大阪の都市格は京阪神の中で一番低い。その都市格を定めるのは次の3条件を満たしているかどうかに因ることが大きい。すなわち、1)文化のストック、2)景観の文化性、3)発信する情報である。大阪はこれらの3条件で京都、神戸に後れをとっているが故に都市格を低めている。どうしていけばいいのか、一つは船場型文化の芸能を守り、千里型文化の学術研究機能性を強めることだ。

大阪の困難は、大阪のイメージが”タコ焼き吉本タイガース”に集約されたことにも負うている。あまりに吉本情報に特化し、猥雑な事態の発信が多すぎたのである。1960年代以降に社会化された”ど根性”や”がめつい”や”ど派手”という大阪観を払拭するために、この都市の良さを発信していく必要がある。そのとき鮮明になってきたのが<帝塚山派文学>の見忘れられていた存在である。大阪が目指すべきは、”がめつい都市”から”含羞の都市”への動きである。
詳細は[こちら]をご覧ください。
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