◎2017年10月4日(水)
北温泉上の駐車場(6:40)……林道出合(7:17)……スキー場分岐・中の大倉尾根に乗る(7:49)……赤面山分岐(8:59)……スダレ山標識(9:03)……大岩・撤退(9:10)……赤面山分岐(9:17)……スキー場分岐(9:52)……林道出合(10:16)……駐車場(10:43)
那須に行くにあたってプランを2つほど立てた。
<Aプラン>…北温泉~中の大倉尾根~三本槍岳~鏡ヶ沼を見下ろせるスポットでランチして戻る~三本槍岳~清水平に寄り道~ついでに赤面山往復~北温泉
<Bプラン>…北温泉~中の大倉尾根~清水平~朝日岳~牛ヶ首~姥ヶ平~高雄口登山道~休暇村那須~北温泉
「中の大倉尾根」にこだわったのは、歩いたことがないから。そして、平日とはいえ、この紅葉見頃の那須のことだ。ハイカーごった返しの定番コースを歩くよりも、ハイカーが少なそうなルートを組み込んだ方が賢明な気がしたのがその理由。現に、那須ロープウェイ周辺の駐車が空き待ちの渋滞だったので、北温泉に向かったら、駐車場は余裕だったという最近のネット記事を見てもいた。
腹案として、きりんこさんから情報をいただいた三斗小屋宿跡の石仏の再探索を兼ねて西ボッチも浮かんだりしたが、あの辺は紅葉もまだ寂しかろうと、今回は却下。というか、紅葉がきれいなところから大きく外れて何やってんのという変人扱いにもなる。
しかし、これは、あくまでも「天気が良い」という前提での話で、数日前から山の天気を調べると、4日の水曜日は、どのサイトの天気予報を見ても晴れることになっていた。「てんきとくらす」に至っては登山指数Aとなっていたし、GPV気象予報では、前夜までは雨雲がかかっているが、当日は雨、雲ともに消えている。これでは晴天の中の歩きが約束されていると思うのが普通の感覚。A、Bいずれにするかは、現地での紅葉具合と疲労度によって決めることにし、天気次第というのは頭からスッポリと抜け落ち出向いた。
高速を走りながら、一応、NHKラジオで天気予報を確認する。全国的に西高東低の気圧配置。東北の一部と北海道は雪の可能性はあるが、その地は大方晴れの予報だった。もう疑う余地はない。
(北温泉の旅館)
北温泉の駐車場には車が6台ほど。人の気配はない。温泉宿泊客の車だろう。寒くてどんよりしている。気温9℃。風も強い。まだ6時半だが、天気は晴れてくれるのだろうかといった心配はあまりない。中の大倉尾根に出てから陽が出てくれれば良い。
北温泉まで下る。今回の歩き、どこがきつかったかと問われれば、帰りの駐車場までのこの登り坂だったかもしれない。あまり運動しない人なら、温泉に浸かった帰りに大汗かいて息切れするかもしれない。
(これを渡るとすぐに登山道の登り)
(階段が続く)
(こんなのはここだけ。通過に手こずることはない。くぐるかまたぐであっさりだ)
板を渡した橋で沢を越える。見下ろすと、白濁した水が流れている。登山道に入り込む。整備された登山道だ。道幅もあって、階段や木のステップも続いている。これでは、暗い中で歩いても道間違いはあり得ないだろう。歩幅が合わないので面倒だが、適当なところで利用する。しかし、昭文社マップに「急坂」と記されているのは正解で、ところどころで立ち休みしては登る。最初のうちはクネクネしている。
この辺の紅葉はまだ半分未満だ。ステップは消え、普通の道になったが、道幅は広いまま。周囲は広葉樹の疎林で、低いササが広がっている。標識もまたあちこちに置かれている。同じような景色は続くが、あまり飽きることはない。ここでチラリと陽光があたった。いよいよかなと思ったが、陽光はすぐに消えた。薄い影が瞬間浮かんだだけ。
(林道を横切る)
林道が横切る。ここが最初のポイントで、どれくらいの時間がかかったのか気になった。37分か。昭文社マップには40分とある。ほぼコースタイムの歩きだ。何でそんなことを気にするかというと、先日、赤面山に堀川から歩かれたぶなじろうさん記事の「遅い」の記述がひっかかり、コメントを入れたら、昭文社の時間設定が老人向けなのではないかとの返答。
この場合、37分=40分だろう。確かに自分に見合った老人向けであることは確かなようだが、軽いショックだった。自分の場合、この先、コースタイムで歩きを想定した方が良さそうだ。
(相変わらずに歩きやすい)
(茶臼岳方面)
部分的にえぐられたところもあるが、整備されているからどこでも歩きやすい。簡単に避けて歩ける。左手前方に見える三角峰は飯盛山か。さらにその先にある鬼面山というのもヤブに手こずる山らしい。確か、みー猫さんの記事にあったような気がする。那須エリアの山はたいして知らない。深入りすれば、あんな山にも行きたくなるのだろう。
樹間から茶臼岳が見えた。正確に記せば、山頂は雲に隠れ、見えるのは裾野だけ。あちらがああなら、こちらもそうなのだろう。何だが、予報とは違うなと思ったが、晴れるのはこれからだろうと、まだのんきに構えている。
(ゴンドラ乗場からの遊歩道が入り込む)
ゴンドラ乗場の標識が現れた。地図を見ると、マウントジーンズスキー場のゴンドラ山頂駅から続く遊歩道になっている。今、7時半過ぎ。もう運行している時刻なのだろうか。だが、この先も、先行者を見かけることはなかった。ゴンドラといえば、茶臼岳のロープウェイ案内の放送がこの先しばらくはかすかに聞こえてくる。あれでは、せっかく高い往復券を買って乗って行ってもガスの中では何も見えないだろう。ここから清水平まで3.5km、北温泉は1.5kmとなっている。
次第に紅葉の色が濃くなってきたが、陽があたっていないのでは、どうも冴えた紅葉には見えない。まして、間近に見ると、葉には穴が開いたり、こげ茶になっていて、かなり荒んだ紅葉だ。
(中の大倉尾根起点)
「ゴンドラ乗場中間点」の標識。これは、周回遊歩道の中間点と思うが、ちょっと先に行くと、またゴンドラ乗場の標識が現れたから、中間点とはそういった意味合いだろう。ここには、いろんな標識がごった返している。「中の大倉山」の山名板もある。ただ、中の大倉山が1462m標高点だとすれば、ここよりも東側にあるはずで、この標識にある1463m表示の意味が解せなくなる。いずれにしても、ここから中の大倉山尾根に入ることになる。林道出合から一服タイムを含めて32分だから、コースタイム45分の老人向けタイムからは脱したようだ。
「Uターン この先に進まれるとゴンドラ乗場には戻れません」の看板。さ迷って先に行ってしまうお気軽な方もいるんだろうな。
(だんだん出てきた)
(どんより天気が何とも惜しい)
(これはいい感じ)
相変わらず歩きやすい歩道が続く。紅葉も色も次第に濃くなってきた。だが、どういうわけかガスが濃くなり、帽子をかぶり、手袋をしていてわからなかったが、気づいたら霧雨になっていた。話が違うなぁ。晴天の実態がこれか。ここで、どうも天気予報に騙されたような気分になってきた。ただ、そのうちに上がるだろうし、まだ8時。9時には晴れ間も出て来るだろうと、もう希望的観測になりつつある。
(やはり赤が主体かなぁ)
(ササヤブ越しに)
(レンズに雨があたっているのに気づかなかった)
(黙々と歩く)
標高が上がるに連れ、ガスは濃くなる一方で、周囲の展望はおろか、目先の紅葉しか見えていない。これ、本当に晴れるのだろうかと気になり出し、携帯を取り出し、GPV気象予報の画面を見る。昨夜と同じに、雨も雲もない状況になっている。これ、更新されていないんじゃないのか。もはや、晴れ間の期待は遠のいてきた。ただ、撤退するには早過ぎるし、まだ先に行ってみよう。黙々と上に向かう。
もはや霧雨ではなくなってきた。粒が落ちてくる。ここで、滅多に付けないザックカバーを取り付けようとしたが、両サイドにストックを垂らしているからうまく被せられない。面倒になって、ザックカバーはやめた。合羽はいつものように面倒の一言。着るのはいいが、脱いでからが始末が悪い。
(アップだとよごれた感じ)
(黄色のアップ)
(何も見えていない)
せっかくの展望の良さげな尾根歩きなのに、置かれた展望板に照らして見えるものは白い世界だけ。そのうちに、メガネのレンズに雨粒があたるようになり、ウインドブレーカーのフードをかぶる。
(近い紅葉に目を向けざるを得ない。これでは、ササがなければその辺の公園歩きと同じだ)
(これもなかなかなのだが)
(これだもんな)
一応は、それなりに楽しみながら紅葉の間の小道を進んで行く。滑り止めなのか、敷き詰めた石の上には針金を巡らせている。こういう雨の日は助かる。やがてハイマツが出てきた。ハイマツ主体になれば、遠望の紅葉ならいざ知らず、目先の紅葉も楽しめなくなる。そろそろ引き際のようだなと思いつつも、しつこく上に向かう。雨粒が次第に大きくなり、風も出てきた。そして寒い。ついに、合羽の上だけでも着こもうかなと思ったが、どうせ先でUターンだからと濡れたままに歩いて行く。
(晴れていれば、鼻血レベルの斜面かも。もっとも、背伸びするなりカメラを上げて撮ればの話だが)
(これは滑り止めにもなっている)
(赤面山分岐)
赤面山の分岐にさしかかる。どうしようか。こうなると、AプランもBプランもあったものではない。せめて、赤面山往復でもしようか。少し考えたが、赤面山方面も真っ白で、こちらよりも視界は悪そうだ。それはやめよう。
(何の感情もなく、打ちひしがれながら淡々と登って行く)
(スダレ山標識)
ちょっと登るとスダレ山の標識があった。ピークらしからぬ山。ただの斜面上にある山なのか。ここで、パラパラという音がした。何だろうとよく見ると、雨に小粒のアラレが混じって落ちてきていた。これはもう絶望的だな。早々に引き返そうと思ったが、何も見えなくとも、せめて清水平くらいに行っておこうか。赤面山分岐の標識には清水平まで0.7kmとあったし、もう少しだ。
(ただ、上へ上へと)
(小粒のアラレ)
(これが大岩だろう)
(清水平方面を眺めてがっくりの撤退)
今度は強風にあおられた。立っていられないような強い風が吹いている。すぐ先に大きな岩が見える。あれが「大岩」というスポットかも。もうここで終わりにしよう。退散することにする。那須の紅葉を楽しみにやって来たのに、見たいものは目の前の色づきではなく、広い斜面を彩る紅葉だった。それがまったく期待できないのでは、雨の中をとぼとぼ歩いていても意味はない。歩き始めから2時間半。撤退。
(おとなしく下る。それにしてもなぁだ)
下るとなると、速いものだ。針金のおかげで石で滑ることもなく、たいして疲れてもいない。まして、汗をかくこともなく登っていた。アラレはおさまっているが、雨は相変わらず。
(ポンチョもいれば)
(団体さん)
(傘歩き)
赤面山分岐の先で登って来る単独氏に出会う。上下カッパ、ザックカバーで覆っている。上の様子を問われる。この方も、天気予報に騙された口だろう。清水平で戻るとおっしゃっていた。続いて、ポンチョの2人連れ。赤面山に行くそうだ。ご苦労さま。
下山までの間に20人ほどのハイカー、そして、25人くらいの団体さんと出会う。挨拶すら返してこない方もいるが、大概は上の様子を問われる。やはり、皆さん、今日は登山日和と思って登って来たんだろうな。中には、三斗小屋温泉に行くとおっしゃっていた老夫婦もいらした。強風にあおられなきゃいいが。
(あ~ぁか。絶好の紅葉ストリートを楽しめたはず)
(下りの部の紅葉はそろそろフィナーレ)
下るにつれ、雨は霧雨に戻り、やがては上がったが、相変わらずどんよりしていて、茶臼岳も依然として見えないが、雲の切れ間から那須の町が見えるほどには回復している。
(ゴンドラ乗場に着いてしまった)
(明るくなりつつあるが、茶臼岳はまだ見えない)
(これを渡ると北温泉。逆向きから)
途中、ゴンドラ乗場分岐で休憩。ザックからタバコを取り出すと、蓋のところに入れていたためか見事に濡れていて、タバコも吸えない始末。
北温泉に着くと、2人連れに、滝に行くにはどこを行けばいいのかと聞かれた。滝とは駒止めの滝のことだろうが、ここからどうやって行くのか。あの滝は観瀑台から見る滝ではないのか。下から見るルートがあるにしても、スニーカー履きでどうやって行くつもりなのだろうか。ここからでは行けないと思いますよと答えたが、様子を見ていると、温泉の周辺をうろうろしている。もしかすると、観瀑台の存在を知らずに、ここまで下りて来たのか。
(意外にきつい登り坂。舗装しているからなおさらか)
(駐車場に戻った)
(観瀑台に寄って。ここは駐車場にくっ付いている。北温泉の駐車場というよりも観瀑台の駐車場だろう。6年前までは御用邸の敷地内だったらしい)
(駒止めの滝。ここも、周囲の紅葉がすごいらしい。もう少しだろう)
登り坂に応えながら駐車場に到着。陽が差し、一部青空になってはいるものの、小雨が降っている。気温は10℃と、出がけとさして変わりない。茶臼岳の山頂が隠れて見えないだけでもほっとする。4時間の歩きで終わってしまった。遠路、那須まで来てこれではなぁ。
普通、いつものパターンなら、晴れるのはこれからだろう。さりとて、今の気分は、さっさと那須から引き上げたいところ。帰り道で青空バックの茶臼岳でも見たらたまったものではない。温泉に立ち寄る気分でもなく、まして、高い高速代を支払うまでの代償もなかった。4時間かけて下道で帰ることにする。
(やはりね)
お腹も空いていたので、つい那須の町のラーメン屋に寄ってしまった。ラーメンライスを食べ、ライスは余計だったなと思いながら、右手をちらっと見ると、嫌な光景が見えた。雲はかかっていたが、那須連山がくっきりと見えていた。
この日の夜の某テレビ局の天気予報。天気予報士が「予報が間違ってスミマセンでした」と謝っていたそうな。
(本日の軌跡)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
北温泉上の駐車場(6:40)……林道出合(7:17)……スキー場分岐・中の大倉尾根に乗る(7:49)……赤面山分岐(8:59)……スダレ山標識(9:03)……大岩・撤退(9:10)……赤面山分岐(9:17)……スキー場分岐(9:52)……林道出合(10:16)……駐車場(10:43)
那須に行くにあたってプランを2つほど立てた。
<Aプラン>…北温泉~中の大倉尾根~三本槍岳~鏡ヶ沼を見下ろせるスポットでランチして戻る~三本槍岳~清水平に寄り道~ついでに赤面山往復~北温泉
<Bプラン>…北温泉~中の大倉尾根~清水平~朝日岳~牛ヶ首~姥ヶ平~高雄口登山道~休暇村那須~北温泉
「中の大倉尾根」にこだわったのは、歩いたことがないから。そして、平日とはいえ、この紅葉見頃の那須のことだ。ハイカーごった返しの定番コースを歩くよりも、ハイカーが少なそうなルートを組み込んだ方が賢明な気がしたのがその理由。現に、那須ロープウェイ周辺の駐車が空き待ちの渋滞だったので、北温泉に向かったら、駐車場は余裕だったという最近のネット記事を見てもいた。
腹案として、きりんこさんから情報をいただいた三斗小屋宿跡の石仏の再探索を兼ねて西ボッチも浮かんだりしたが、あの辺は紅葉もまだ寂しかろうと、今回は却下。というか、紅葉がきれいなところから大きく外れて何やってんのという変人扱いにもなる。
しかし、これは、あくまでも「天気が良い」という前提での話で、数日前から山の天気を調べると、4日の水曜日は、どのサイトの天気予報を見ても晴れることになっていた。「てんきとくらす」に至っては登山指数Aとなっていたし、GPV気象予報では、前夜までは雨雲がかかっているが、当日は雨、雲ともに消えている。これでは晴天の中の歩きが約束されていると思うのが普通の感覚。A、Bいずれにするかは、現地での紅葉具合と疲労度によって決めることにし、天気次第というのは頭からスッポリと抜け落ち出向いた。
高速を走りながら、一応、NHKラジオで天気予報を確認する。全国的に西高東低の気圧配置。東北の一部と北海道は雪の可能性はあるが、その地は大方晴れの予報だった。もう疑う余地はない。
(北温泉の旅館)
北温泉の駐車場には車が6台ほど。人の気配はない。温泉宿泊客の車だろう。寒くてどんよりしている。気温9℃。風も強い。まだ6時半だが、天気は晴れてくれるのだろうかといった心配はあまりない。中の大倉尾根に出てから陽が出てくれれば良い。
北温泉まで下る。今回の歩き、どこがきつかったかと問われれば、帰りの駐車場までのこの登り坂だったかもしれない。あまり運動しない人なら、温泉に浸かった帰りに大汗かいて息切れするかもしれない。
(これを渡るとすぐに登山道の登り)
(階段が続く)
(こんなのはここだけ。通過に手こずることはない。くぐるかまたぐであっさりだ)
板を渡した橋で沢を越える。見下ろすと、白濁した水が流れている。登山道に入り込む。整備された登山道だ。道幅もあって、階段や木のステップも続いている。これでは、暗い中で歩いても道間違いはあり得ないだろう。歩幅が合わないので面倒だが、適当なところで利用する。しかし、昭文社マップに「急坂」と記されているのは正解で、ところどころで立ち休みしては登る。最初のうちはクネクネしている。
この辺の紅葉はまだ半分未満だ。ステップは消え、普通の道になったが、道幅は広いまま。周囲は広葉樹の疎林で、低いササが広がっている。標識もまたあちこちに置かれている。同じような景色は続くが、あまり飽きることはない。ここでチラリと陽光があたった。いよいよかなと思ったが、陽光はすぐに消えた。薄い影が瞬間浮かんだだけ。
(林道を横切る)
林道が横切る。ここが最初のポイントで、どれくらいの時間がかかったのか気になった。37分か。昭文社マップには40分とある。ほぼコースタイムの歩きだ。何でそんなことを気にするかというと、先日、赤面山に堀川から歩かれたぶなじろうさん記事の「遅い」の記述がひっかかり、コメントを入れたら、昭文社の時間設定が老人向けなのではないかとの返答。
この場合、37分=40分だろう。確かに自分に見合った老人向けであることは確かなようだが、軽いショックだった。自分の場合、この先、コースタイムで歩きを想定した方が良さそうだ。
(相変わらずに歩きやすい)
(茶臼岳方面)
部分的にえぐられたところもあるが、整備されているからどこでも歩きやすい。簡単に避けて歩ける。左手前方に見える三角峰は飯盛山か。さらにその先にある鬼面山というのもヤブに手こずる山らしい。確か、みー猫さんの記事にあったような気がする。那須エリアの山はたいして知らない。深入りすれば、あんな山にも行きたくなるのだろう。
樹間から茶臼岳が見えた。正確に記せば、山頂は雲に隠れ、見えるのは裾野だけ。あちらがああなら、こちらもそうなのだろう。何だが、予報とは違うなと思ったが、晴れるのはこれからだろうと、まだのんきに構えている。
(ゴンドラ乗場からの遊歩道が入り込む)
ゴンドラ乗場の標識が現れた。地図を見ると、マウントジーンズスキー場のゴンドラ山頂駅から続く遊歩道になっている。今、7時半過ぎ。もう運行している時刻なのだろうか。だが、この先も、先行者を見かけることはなかった。ゴンドラといえば、茶臼岳のロープウェイ案内の放送がこの先しばらくはかすかに聞こえてくる。あれでは、せっかく高い往復券を買って乗って行ってもガスの中では何も見えないだろう。ここから清水平まで3.5km、北温泉は1.5kmとなっている。
次第に紅葉の色が濃くなってきたが、陽があたっていないのでは、どうも冴えた紅葉には見えない。まして、間近に見ると、葉には穴が開いたり、こげ茶になっていて、かなり荒んだ紅葉だ。
(中の大倉尾根起点)
「ゴンドラ乗場中間点」の標識。これは、周回遊歩道の中間点と思うが、ちょっと先に行くと、またゴンドラ乗場の標識が現れたから、中間点とはそういった意味合いだろう。ここには、いろんな標識がごった返している。「中の大倉山」の山名板もある。ただ、中の大倉山が1462m標高点だとすれば、ここよりも東側にあるはずで、この標識にある1463m表示の意味が解せなくなる。いずれにしても、ここから中の大倉山尾根に入ることになる。林道出合から一服タイムを含めて32分だから、コースタイム45分の老人向けタイムからは脱したようだ。
「Uターン この先に進まれるとゴンドラ乗場には戻れません」の看板。さ迷って先に行ってしまうお気軽な方もいるんだろうな。
(だんだん出てきた)
(どんより天気が何とも惜しい)
(これはいい感じ)
相変わらず歩きやすい歩道が続く。紅葉も色も次第に濃くなってきた。だが、どういうわけかガスが濃くなり、帽子をかぶり、手袋をしていてわからなかったが、気づいたら霧雨になっていた。話が違うなぁ。晴天の実態がこれか。ここで、どうも天気予報に騙されたような気分になってきた。ただ、そのうちに上がるだろうし、まだ8時。9時には晴れ間も出て来るだろうと、もう希望的観測になりつつある。
(やはり赤が主体かなぁ)
(ササヤブ越しに)
(レンズに雨があたっているのに気づかなかった)
(黙々と歩く)
標高が上がるに連れ、ガスは濃くなる一方で、周囲の展望はおろか、目先の紅葉しか見えていない。これ、本当に晴れるのだろうかと気になり出し、携帯を取り出し、GPV気象予報の画面を見る。昨夜と同じに、雨も雲もない状況になっている。これ、更新されていないんじゃないのか。もはや、晴れ間の期待は遠のいてきた。ただ、撤退するには早過ぎるし、まだ先に行ってみよう。黙々と上に向かう。
もはや霧雨ではなくなってきた。粒が落ちてくる。ここで、滅多に付けないザックカバーを取り付けようとしたが、両サイドにストックを垂らしているからうまく被せられない。面倒になって、ザックカバーはやめた。合羽はいつものように面倒の一言。着るのはいいが、脱いでからが始末が悪い。
(アップだとよごれた感じ)
(黄色のアップ)
(何も見えていない)
せっかくの展望の良さげな尾根歩きなのに、置かれた展望板に照らして見えるものは白い世界だけ。そのうちに、メガネのレンズに雨粒があたるようになり、ウインドブレーカーのフードをかぶる。
(近い紅葉に目を向けざるを得ない。これでは、ササがなければその辺の公園歩きと同じだ)
(これもなかなかなのだが)
(これだもんな)
一応は、それなりに楽しみながら紅葉の間の小道を進んで行く。滑り止めなのか、敷き詰めた石の上には針金を巡らせている。こういう雨の日は助かる。やがてハイマツが出てきた。ハイマツ主体になれば、遠望の紅葉ならいざ知らず、目先の紅葉も楽しめなくなる。そろそろ引き際のようだなと思いつつも、しつこく上に向かう。雨粒が次第に大きくなり、風も出てきた。そして寒い。ついに、合羽の上だけでも着こもうかなと思ったが、どうせ先でUターンだからと濡れたままに歩いて行く。
(晴れていれば、鼻血レベルの斜面かも。もっとも、背伸びするなりカメラを上げて撮ればの話だが)
(これは滑り止めにもなっている)
(赤面山分岐)
赤面山の分岐にさしかかる。どうしようか。こうなると、AプランもBプランもあったものではない。せめて、赤面山往復でもしようか。少し考えたが、赤面山方面も真っ白で、こちらよりも視界は悪そうだ。それはやめよう。
(何の感情もなく、打ちひしがれながら淡々と登って行く)
(スダレ山標識)
ちょっと登るとスダレ山の標識があった。ピークらしからぬ山。ただの斜面上にある山なのか。ここで、パラパラという音がした。何だろうとよく見ると、雨に小粒のアラレが混じって落ちてきていた。これはもう絶望的だな。早々に引き返そうと思ったが、何も見えなくとも、せめて清水平くらいに行っておこうか。赤面山分岐の標識には清水平まで0.7kmとあったし、もう少しだ。
(ただ、上へ上へと)
(小粒のアラレ)
(これが大岩だろう)
(清水平方面を眺めてがっくりの撤退)
今度は強風にあおられた。立っていられないような強い風が吹いている。すぐ先に大きな岩が見える。あれが「大岩」というスポットかも。もうここで終わりにしよう。退散することにする。那須の紅葉を楽しみにやって来たのに、見たいものは目の前の色づきではなく、広い斜面を彩る紅葉だった。それがまったく期待できないのでは、雨の中をとぼとぼ歩いていても意味はない。歩き始めから2時間半。撤退。
(おとなしく下る。それにしてもなぁだ)
下るとなると、速いものだ。針金のおかげで石で滑ることもなく、たいして疲れてもいない。まして、汗をかくこともなく登っていた。アラレはおさまっているが、雨は相変わらず。
(ポンチョもいれば)
(団体さん)
(傘歩き)
赤面山分岐の先で登って来る単独氏に出会う。上下カッパ、ザックカバーで覆っている。上の様子を問われる。この方も、天気予報に騙された口だろう。清水平で戻るとおっしゃっていた。続いて、ポンチョの2人連れ。赤面山に行くそうだ。ご苦労さま。
下山までの間に20人ほどのハイカー、そして、25人くらいの団体さんと出会う。挨拶すら返してこない方もいるが、大概は上の様子を問われる。やはり、皆さん、今日は登山日和と思って登って来たんだろうな。中には、三斗小屋温泉に行くとおっしゃっていた老夫婦もいらした。強風にあおられなきゃいいが。
(あ~ぁか。絶好の紅葉ストリートを楽しめたはず)
(下りの部の紅葉はそろそろフィナーレ)
下るにつれ、雨は霧雨に戻り、やがては上がったが、相変わらずどんよりしていて、茶臼岳も依然として見えないが、雲の切れ間から那須の町が見えるほどには回復している。
(ゴンドラ乗場に着いてしまった)
(明るくなりつつあるが、茶臼岳はまだ見えない)
(これを渡ると北温泉。逆向きから)
途中、ゴンドラ乗場分岐で休憩。ザックからタバコを取り出すと、蓋のところに入れていたためか見事に濡れていて、タバコも吸えない始末。
北温泉に着くと、2人連れに、滝に行くにはどこを行けばいいのかと聞かれた。滝とは駒止めの滝のことだろうが、ここからどうやって行くのか。あの滝は観瀑台から見る滝ではないのか。下から見るルートがあるにしても、スニーカー履きでどうやって行くつもりなのだろうか。ここからでは行けないと思いますよと答えたが、様子を見ていると、温泉の周辺をうろうろしている。もしかすると、観瀑台の存在を知らずに、ここまで下りて来たのか。
(意外にきつい登り坂。舗装しているからなおさらか)
(駐車場に戻った)
(観瀑台に寄って。ここは駐車場にくっ付いている。北温泉の駐車場というよりも観瀑台の駐車場だろう。6年前までは御用邸の敷地内だったらしい)
(駒止めの滝。ここも、周囲の紅葉がすごいらしい。もう少しだろう)
登り坂に応えながら駐車場に到着。陽が差し、一部青空になってはいるものの、小雨が降っている。気温は10℃と、出がけとさして変わりない。茶臼岳の山頂が隠れて見えないだけでもほっとする。4時間の歩きで終わってしまった。遠路、那須まで来てこれではなぁ。
普通、いつものパターンなら、晴れるのはこれからだろう。さりとて、今の気分は、さっさと那須から引き上げたいところ。帰り道で青空バックの茶臼岳でも見たらたまったものではない。温泉に立ち寄る気分でもなく、まして、高い高速代を支払うまでの代償もなかった。4時間かけて下道で帰ることにする。
(やはりね)
お腹も空いていたので、つい那須の町のラーメン屋に寄ってしまった。ラーメンライスを食べ、ライスは余計だったなと思いながら、右手をちらっと見ると、嫌な光景が見えた。雲はかかっていたが、那須連山がくっきりと見えていた。
この日の夜の某テレビ局の天気予報。天気予報士が「予報が間違ってスミマセンでした」と謝っていたそうな。
(本日の軌跡)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
GPV予報はガスは予測していないとは思っているのですが、たまにありますが那須の天候の罠にハマったんですかね。自分の方はその日は21時まで仕事でしたから、選べるならそっちが良いですよ。なかなかそう思えないでしょうけど(笑)
GPV気象予報はみー猫さんから教えていただいたものですが、あそこの「雨量・雲量」を参考に出かけています。他の予報サイトに比べて時間的な動きがわかって、重宝もしているのですけどね。
予報を丸のみできないような特殊性が那須の山域にはあるのでしょうかね。
午後からは確かに良い紅葉も拝めたでしょうけど、それは結果的なことであって、ずっと雨と強風にさらされていたら、さっさと引き上げたくもなります。それでも、いずれは晴れると信じながら登って行って、やはりダメだったとなると、自分でも情けなくなりますよ。
靄の紅葉として、画像は良かったような。
翌日は、しっかりと晴れたのに・・・・
自然は難しい
数年前の、寒さと白い景色を思い出しています。
確かにあの時の再来ですが、あの時よりは幾分ましだったかもしれません。というのも、今回は、しばらくは曇天で薄いガスだったし、上に行くに連れて濃いガスと雨でしたから、その間、少しは冴えないながらも紅葉を楽しむことはできました。
先日、沢登りで那須に行った際は、まだ紅葉にはちょっと早かったですが、おそらく、私が行った4日は、日程的には見頃だったのではないでしょうか。それを想定するとかなり残念ですが、あの時のこともあるし、むしろ、縁がないのかなと半ばあきらめてもいますよ。
といった具合で、天気予報を信じて紅葉を見に行ったのにこの始末です。きりんこさんのブログには天気に翻弄されたと記されてありますが、私は翻弄されることもなく、ひたすら晴れてくれるものと信じて登っていましたよ。おめでたいと言えばその通りなのですが。
西高東低の時の那須の山の天気はあてになりませんか。一つ勉強になりましたよ。何せ、わざわざ遠路から出向いたこともありますしね。繰り返しの損はしないようにします。
今度の日曜日、月曜日は天気も良いようですね。確かに、紅葉もラストチャンスかもしれません。私も改めて行きたいところですが、こう那須の歩きが立て続けになるのもどうかと思うし、またかいなといった状況になるのも困ったものですから、地元近くで紅葉を楽しむことにしますよ。
いやはや、お疲れ様、としか言いようがないのですが、霧の中のまっ赤な灌木を見るに、最盛期だったろうに、なんとも口惜しや、と他人事ながら思ってしまいました。追い打ちをかけるようでもうしわけないのですが、あの濃い赤は晴れていればとんでもない光景になっていたのではないかと。昨年のたそがれさんの乳頭山紀行がチラリと脳裏をかすめましたです。
やはりねぇ。私も、晴れていればどんなにきれいな紅葉だろうなと雨の中で眺めていましたよ。ことに、中の大倉尾根からちらりと覗く南側斜面なんか、きっと鼻血ものだったかもしれません。
自分の家からは近くもない那須に出向いてこれではなぁと、すごい落胆ですよ。まして見るからに最盛期だったようだし。
今季も、実は乳頭山周回を考えていましたが、無職なりに、いろんな手続きやらに追われて、今回はあきらめました。
それと去年の赤面山は酷かったから,今年はどんなモンかと知りたくはあったんですケドね。まぁ,こんなにガスっていては,仕方ありませんネ。
まぁ,「てんきとくらす」は,まったくあてにならないでしょう。ハズレてばかりいるから,最近は見ようともしませんヨ。
今、その時の記事、拝見いたしました。
下りかけで視界が多少は広がったようですね。茶臼と朝日が見られるぐらいですから。
私の場合は、終始、白い世界で、茶臼すら見えませんでした。むしろ、状況は私の方が悪かったでしょう。
どちらが落胆の度合いが大きいかというと、やはり瀑泉さんの方でしょうね。ちょっとでも見えてしまえば、もう少し我慢していれば良かったなぁとなるし、まるきり見えなかったら、今日は運がなかったんだとあきらめもつきます。
今回の那須歩きは、ぶなじろうさんの赤面山紅葉記事を見て、そのつもりになったのですが、今年の少なくとも一週間前の赤面山の紅葉は良かったようですね。ああいう写真を見ると、自分はいったいどこを歩いていたのだろうかといった思いも出てきます。
「てんきとくらす」はダメですか。あれの登山指数を見て歩く人も多いのでしょうね。ということは、それだけ騙されている人もいるということになりますね。