たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

柳沢林道から錫ヶ岳に行ってみた。

2010年08月29日 | 日光周辺の山
◎2010年8月28日(土)

 前夜、11時に赤沼バス停の駐車場に着き、車中泊した。千手ヶ浜行きのバスの始発は赤沼発が5時30分。錫ヶ岳に行き、宿堂坊山経由で下る予定の行程は、西ノ湖バス停から、最短でもおそらく往復10時間はかかるだろう。5時30分のバスに乗って6時に歩き出したとしたら、16時19分の最終バスには乗れない可能性もある。少しでも早くから歩き出すことにこしたことはない。となると、今月いっぱいの土日限定運行の4時発の小田代原止まりに乗るしかない。そして、5時からの歩きか。ほとんど、寝られなかった。いつもなら、缶ビールの1つでも飲んで寝るのだが、近日中に健康診断もあり、ここ数日、アルコールは控えている。夢を見ては覚める連続。

 4時発のバスには、自分を含め12人が乗車。皆さん、山歩きスタイルなのだが、持っているザックはほとんど角張っている。カメラの機材入れか。そして揃って厚着。やはり、小田代原から西ノ湖に向かって歩き出したのは自分1人だった。12分の乗車。まだ月夜。懐中電灯が頼り。暗がりから何かが出て来そうで、正直のところ、心細くて恐い。しばらく歩いていると便意を催しはじめた。柳沢林道を歩いている時に訪れるだろうと思っていたが、意外と早くやって来た。後ろからだれも来ていないことは分かっているのだが、やはり、後ろめたさもあり、手頃な場所を探しながらしばらく我慢した。運良く、橋が目に付いた。下にもぐる。西ノ湖バス停に着いたのは5時ちょうど。ようやく、空も白んできた。最終バスの時刻をチェック。16時34分か。下調べでは16時19分だったが。得した感じだ。

(柳沢川徒渉地点)


 あざみ橋を渡り、西ノ湖方面に向かう。今日の、日光白根の山の天気は15時から雨の予報になっている。青空が出てきていたし、何とか持ちそうだ。いずれにせよ、速攻で歩くつもりではいる。最終バスに乗り遅れたら、2時間歩きが追加される。これまで、何度か経験しているが、疲れた身体には応える。現実にしたくはない。柳沢林道に入り、しばらく林道を歩く。今日は、出来るだけ身体を軽くしたいがために、皮靴はやめにして布靴にした。今のところ、軽快な歩きになっている。柳沢の水量はやや多め。昨夜の雨か。不思議に鹿の警戒音を聞かない。5時46分、川の徒渉地点。石伝いに行けそうだ。ラストの一歩で左足を少しばかり水に浸けてしまった。布靴だったから早速、水がしみ込んできた。これから先、露でびしょ濡れになる覚悟はしている。気にしないことにする。最近、反対側から錫ヶ岳に入ったハイトスさんのHPでも露のひどさが記されていた。露払いという言葉も知った。まして、ここは人が歩かないルートだ。全身水浸しになっても不思議ではない。ここでスパッツをつける。スパッツだけでは意味もないのだが、合羽では汗をかく。

(赤岩滝分岐)


 この先、林道は相当に荒れているようだ。いつか歩いてみたいところだ。途中の広場からの錫ヶ岳の眺めはいいようだ。反対側の赤岩滝方面に向かう。小道は昨年来た時よりもすさんでいる。赤岩滝分岐6時13分。「赤岩滝→ ←2077m ←錫ヶ岳4h」と記されたプレートがあった。錫ヶ岳まで4時間ということか。自分の足で5時間はかかるだろう。最終バス乗車は微妙なところ。ここから南西に尾根伝いに行って林道終点に出、さらに1,874mピークを経由して2,077mピークに出る。目印はない。踏み跡を追ったら、これは獣道だったようだ。右手に低い尾根が見える。今、その真下・南側の窪地を歩いている。ここで、さっさと尾根に登れば良かったが、ここが歩きやすく、窪地が離れて行くところから尾根に上がった。しかし、その時点で標高差もかなりついていて、この尾根への上がりがきつく、傾斜もかなりなものだ。時間と体力を相当使ってしまった。まず手始めはルートの取り方の失敗。

(林道終点)

(間もなくヤブに突入)


 もう、その先の尾根は傾斜も緩くなっていて、一登りで林道の終点に出会う。7時10分。写真では何度も見たが、我が目で確認するのは初めて。林道も廃れるとこうなるものなのか。遠くに錫ヶ岳が見える。まるで、ジャングルの中に聳える山。果たしてあそこまで辿りつけるものだろうか。陽もすっかり上がり、暑くなってきた。林道終点から1,874mピークを目指してまたしても踏み跡を追う。間もなく左手に1,874mピークのある分岐に到着。ピークには寄らず、西に向かう。いきなり倒木だらけの樹林尾根。ここから最後の最後まで倒木に悩まされ続けた。倒木を避けながらの歩行は、手間も時間もかかる。ブリキのマークも出始め、迷うことはない。コンパスをセットしたが、たまに確認する程度。尾根型もしっかりしている。樹林を抜けると、シャクナゲが出てきた。やばいと思っていた途端にササとシャクナゲのヤブ地獄にいきなり突入。無論、下にしっかりした踏み跡はあるから、乗り越える必要はないのだが、シャクナゲは背丈を超えている。悪戦苦闘して2,077mピークに到着。8時19分。全身びしょ濡れ。ズボンどころか、上のシャツまでしっかりと濡れている。ズボンの左右にそれぞれ入れた手拭いも、汗を拭くのに、まず絞らないと使えない。地図も2枚用意したが、首からつり下げていたポシェットに入れた、ネットで刷り出しのトレッキングマップはボロボロになって色も落ち使えなくなっていた。健康管理のためと、パソコンに接続して使っていた歩数計もロスト。それはそれでいい。最近、この歩数計に管理されるような状況になっていた。これを機会に、歩数計、万歩計とはおさらばだ。2,077mピークは砂地のちょっとした高台。ピーク地点はちょっと上のヤブの中。

(錫ヶ岳)

(宿堂坊山方面。かすかに皇海山)


 いよいよ核心部の入口に着いた。思えば、栃木・群馬の県境歩き、桐生の根本山から温泉ヶ岳のルートを取りあえずは設定して、ライフワーク的につぶしてきたが、未踏区間が2か所。錫ヶ岳と宿堂坊山間、そして国境平と三俣山間だ。今日、この錫宿間を一気につぶせたら、残りは1か所になる。今回、体力不足で分断することになったら、後でまた手間もかかってしまう。ここから見る錫ヶ岳は、さっきの林道終点から眺めたよりも、はるか遠く、威圧的にも見える。尾根は蛇行し、西北、北東、北に続いている。見下ろす西側の利根村はまったくの樹海が果てしなく広がっている。迷い込んだら生きては帰れない感じ。

(日光白根山が見えた)

(こんなササヤブが果てしなく続く)


 一旦下って、上る。またシャクナゲ。さすがは県境尾根、踏み跡はこれまで以上にしっかりとしている。と思ったのも束の間のこと。上りにかかると、ササが延々と続いている。むしろ、歩く人もまれだからか、登山道も消滅しつつある。しかし、ここも各種のブリキマークがうるさいほど木に貼り付けられ、迷うことはまずないだろう。ササは普通のササよりも背が高く、膝くらいだろうか。密になっているため、下の隠れた倒木が見えない。つまずいては転ぶ。この繰り返し。各ピークへの上りでは苦労する。倒木もさることながら、ササが滑る。ピークから鞍部に下り、次のピークにかけての標高差もさほどなく、せいぜい100m以内で、一番きついのは2,241mピーク下の鞍部から錫ヶ岳にかけての170mだろう。取りあえずはこの2,241mピークを目標とする。

(笠ヶ岳?)


 上空には雲が出てきた。右手に見える中禅寺湖もすっきりとは見えない。柳沢林道がかすかに見える。振り返ると、宿堂坊山は遠くにポツンとしている。その先には皇海山の肩。遙か彼方といった距離感。男体山の上は雲ですっぽり。日光白根は、さっきちらっと見かけたが、ここからではもう見えない位置になっている。何も考えない。足下ばかりに気を集中している。だけど転ぶ。たまらず、杖を出したが、杖の1本が固定機能がバカになっていて、使い物にならない。2本ともしまう。やはり、自分には、杖は邪魔な物でしか過ぎない。しかし、いつも持参はする。これが、やはり最後はお荷物になってしまう。

(2,241mピーク)


 しんどい歩きがずっと続く。シャクナゲこそなくなったが、各ピークとも、やせた木が狭っ苦しく繁っているため、その度にザックに結わえた杖が引っかかる。かなり疲れが出てきた。宿堂坊山までなんか無理じゃないのかな。最悪、来た道ルートの戻りか。8時19分、これまでの目標にしていた2,241mピークに到着。ピークとはいえ、腰をおろせるような空間もない。取りあえず、下りにかかるところまで行って休む。もちろん、地べたに座る。もう濡れるのを気にすることもない。手拭いを絞って汗を拭く。今日はやけにタバコの量が多いみたい。水は2リットル持参したが、カンカン照りではなかったためか、まだ1リットル以上残っている。パンを食べ、地図を広げる。この地図は4枚の25,000分の1地形図を4枚、カラーコピーして貼り合わせたもの。この山域は本当に不便だ。地図すら時前で用意しないといけない。ザックの中に入れていたが、湿気を含んでヨレヨレになっている。ここから錫ヶ岳まではかなりきつい登りを覚悟だなあ。

(直下のササ地獄)

(そして錫ヶ岳山頂)


 やや下り、上を見上げると、ササの海になっていた。反対側から錫ヶ岳に入った時も直下はササヤブの世界だったが、あの比でない。さらに急。適当に登ると滑る。目を凝らして、窪みを歩くと、下は踏み跡だ。両手でササをつかみながらかき分けて登る。それでも始末が悪いのが、隠れた倒木と、段差があること。何度もつんのめりになる。以前、反対側から登り、こっちの様子を見に来たことがある。このササヤブを見ながら、よくあんな所を登れるなぁと感心したことを思い出した。今、それを自分が苦戦している。ようやくササから開放され、樹林の中に入る。ほんの少しで錫ヶ岳山頂。10時9分。赤岩滝から4時間と記されていたが、何とか相応の時間で辿り着けた。へたり込んだ。いやぁ疲れた。しんどかった。足が痛い。背中にはかなりの葉クズが入っていた。一時的に両股に痙攣の気配を感じていたが、何とか痛みも消えてくれた。相変わらず冴えない山頂だな。さてこれからどうするか。コースタイム4時間を若干ながら切ったことにいい気がしてきた。最終バスまでの持ち時間は6時間もある。宿堂坊山を経由しても楽勝じゃないのか。ほとんど下りだし。今考えると、本当に、甘い予測をしていたものだ。1リットル入りの水筒を空にする。だれもいない。反対側からここにやって来るにしても、これからだろう。

(中禅寺湖)

(利根村方面の樹海)


 下りにかかる。相変わらず転ぶ。今度は尻餅をつく回数が増えた。天気はやばい方向に向かっている。雨予報の3時まで持つかな。中禅寺湖がシルエットになってしまった。ガスが出てきたような案配だ。急ごうにも尻餅をつくから慎重になり、下りとはいえ、遅々として進まない。また懲りずに杖を出す。そして仕舞う。天気がまた回復した。2,077mピークに11時49分に戻る。ここから錫ヶ岳まで上り1時間50分、下り1時間40分か。さして、差はなかったな。ここからどうするか最終の判断を出さないと。宿堂坊山はやはり遠くに見える。さりとて、シャクナゲジャングルを赤岩滝分岐まで戻る気にはなれない。宿堂坊山に向かう。

(1,991mピーク)


 ここからは延々とアップダウンが続く。ササは少なくなったものの、倒木の連続。それも、太い倒木が目に付く。立ち枯れではなく、雷のせいだろう。だとすれば、雷の巣みたいなところだな。倒木を避けながらの歩行が続き、次第に苛立ってきた。ブリキ板のマークがなくなった。あれっと思い、元に戻る。別方向に続いている。これを2回繰り返す。それほど、しっかりした道がついているわけではない。本当に迷ったら、ひたすら東に向けて、林道に下り立つまで歩くしかない。これを西に下りてしまったら命の保証はない。三林班沢の頭12時41分。水場の案内がアバウトにアルミ板に彫られている。六林班峠もそうであるが、この「林班」とはどういう意味だろうか。この地域特有の呼称だろうか。いつも不思議に思う。かすかに遠雷。状況はよろしくない。ただひたすら歩いている。展望はまったくない。やがて1,991mピーク13時4分。ここからネギト沢のコルまでは下りだ。コルにある日光修験道の石祠を見るのも楽しみにしてきた。ピークは少し広くなっている。しばらくピークで休むことにする。辺りはたっぷりと水を含み、どこに腰をおろしても、濡れることは必定だが、もう濡れている以上、どこに座っても同じだ。根の張り出しに腰掛けた。不思議に大きな石がない。今や、何とか乾いたままでいるタオルが貴重品だ。メガネを拭く。この天気、絶対にこれから雨に降る。雷ももう遠雷ではなくなった。雨になる前に、ネギト沢のコルから林道に下りた方が無難かもしれない。たいして危険な沢でもないようだし。そうなったら、また、コルと宿堂坊山の山頂を歩きに来ないといけなくなるが、この天気では仕方あるまい。

(ネギト沢のコル)


 13時32分、ネギト沢のコル着。取りあえず石祠探しか。目印は水場マークだったかな。どこだどこだ。ヤブはかなり深くなっていて、丹念に調べていかないと確認できない。雲のせいか、かなり暗くなっている。そこに、雷がバリバリ、ドカーンと来た。地響きを立て、いきなり雨が降ってきた。雨はすさまじく、太くて勢いのある強烈な雨。とっさに合羽を着て、ザックカバーを付ける。ザックは木の下に置き、少し離れて立ちすくんでしまった。とても合羽でしのげる雨ではない。結局、危険を承知で木の枝葉の下に入った。雷は上空を旋回している。しばらくは歩けない。これで、コルから沢を下って行くのは無理になってしまった。宿堂坊山の山頂を経由して東尾根下りか。最終バスもあきらめだ。薄暗くなった林道をテクテク歩いている我が姿が脳裏に浮かんだ。タバコを吸おうにも、一服吸うと同時に、雨があたって終わり。雨の勢いは衰えず、雷も遠くならない。体験はないが、さながら、戦場で、頭上を飛び交うミサイルといったところだろうか。ただ、じっとしているしか手がない。

(雨の宿堂坊山)


 50分が経過した。雷は何とかこのエリアから抜けて遠雷になった。雨も幾分小降りになり、明るくなった。14時30分、雨の中を宿堂坊山に向けて出発。実は困ったことがあった。ザックカバーを付けた関係で、杖を2本持たないといけなくなってしまった。まったく面倒な話だ。本当に邪魔。石祠探しも、それどころではないのであきらめ。金田峠みたいに、また来なきゃいけなくなってしまった。さすが1時間も休んだせいか、ビシバシと歩ける。14時50分、雨の宿堂坊山に到着。ようやく、一つの未踏区間もこれでふさがった。それにしても、大した達成感が沸かない。満足感すらない。あるのは、ただのうちひしがれた虚脱感だけ。なんて格好つけちゃって。実に面白みのないルートだった。ため息が出た。

 東尾根を下る。尾根は広く、しっかりした踏み跡もなく、コンパスもセットしないままで赤テープを頼りに下った。やがて、テープは見えなくなった。この山を下る時はいつもこのスタイルだ。どこを下りても、必ず柳沢川の河原に下り立つ。嫌になるほど下った。まだかまだかと思っても、下の斜面の先には終わりがない。エンドレスの世界に思えてくる。薄暗い。そして倒木だらけ。出来るだけ、西ノ湖に行く途中にある吊り橋方面に向かって下っているつもりだ。ようやく草地に着き、小沢の水をがぶ飲みした。気持ちがいい。雨はまだポツリポツリ。合羽を脱ぐのは川を渡ってからでいいだろう。草地で杖が歩行の邪魔をする。輪っかが草の幹にひっかかり、前進を阻んでくれる。何度か転倒した。出た河原には、吊り橋の姿は見えなかった。大分、手前に着地してしまった。川は雨で、もう泥水で増水している。もうこうなったら、いさぎよくそのままで渡るしかない。浅瀬を選んで水に入る。増水したとはいえ、せいぜい膝だ。今、16時だ。何とか、34分の最終には間に合いそうだ。合羽を脱ぎたいが時間の余裕はない。ダッシュで草地を歩く。右斜め前方に行けば、西ノ湖へのハイキング道にぶつかるはず。杖の輪が相変わらず草のツルを引っかけてくれる。また転ぶ。ハイキング道に着いたのは16時15分。ようやく人心地がついた。もう余裕だ。雨水のついた合羽を着てバスに乗るわけにもいかない。バス停でゆっくりとたたむか。左から柳沢林道が合流。間もなくあざみ橋。と、橋の先に、バスが止まっている。そして発車した。その時は、最終の前の便かなといった程度で思っていた。しかし、そんなに便数が多いわけでもない。バス停に22分に到着。もう一度、バス時刻を確認。な、なんと、自分が認識していた最終バス時刻16時34分は、季節運行で、この時期は運行しない。そして、最終は、下調べの通り、16時19分になっていた。大失態。ということは、さっきのバスが最終かよ。とほほ。ダッシュが足りなかったか。これで2時間歩きが決定。仕方がない。先ずは一服しようとしたら、千手ヶ浜の方からバスがやって来た。わたすげ号。首をかしげながら、合羽のままで乗り込む。ということは、この最終バス、遅れていたのか。さっきのバスは何だったの。グループのマイクロだったのかなあ。いずれにせよ助かった。一種の命拾いだね。

 他に乗客が誰もいないことをいいことに、合羽を脱ぎ、荷物の整理をした。残りの水は500ml程度。全部一気に飲み干す。今回の山歩き、すさまじい倒木とササヤブには辟易とした。こんなルートはもう勘弁だな。そして、バス時刻との戦い。これは、精神的にも逼迫感が出てプレッシャーがかかる。今日は、山中でだれにも会わなかった。そうだろうな。ヤブ好きでも、1回歩けば、もう十分だ。県境の残りの区間・国境平~三俣山にしても同じようなものだろう。果たして、そこも歩く価値があるようなところだろうか。強いて行くとなれば紅葉の時期だろうが、その時期では、徒渉しなけりゃならない松木川の冷たさも身に応えるだろうしなあ。県境尾根もハイライトはやはり白錫尾根の部分だ。前白根山から錫ヶ岳の区間。それ以外は、見るべきものもない、お奨めできないルートだね。相談受けたら、あっさりと「やめておいた方がいいよ」と言うだろう。

(雨上がりの男体山)


 赤沼車庫に到着。正面の男体山が真ん前に全身を出している。着替えをする。濡れネズミになっていた衣類はしこたま重くなっていた。もう5時を過ぎている。バスに乗れなかった自分はトボトボと林道を歩いているはずだ。雨上がりのためか、空気がひんやりとしている。気温は18℃。これがじわじわと上がり、足尾で20℃、勢多東で23℃、そして大間々で30℃になった。それにしても全身が痛い。左膝の裏は、どこにぶつけたのだろうか、真っ赤になって腫れていた。今日は雨宿りタイムを除いて11時間の歩行だった。すべてが本当にきつかった。

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6 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2010-08-29 21:46:31
お疲れ様でした。

根本山から温泉ヶ岳ですか!
壮大にして、おへその曲がったプラン!よほどの達人でなければ思いつかないと思います。

次なる三俣山~国境平も難路の記述をしばしば見かけます。ご健闘をお祈りする他ありませんです。

私は錫ヶ岳にどうしても登りたいのですが、今回の記事を見てソラ恐ろしくなりました。笹、石楠花、倒木ですか!たそがれオヤジさんをして、苦しませる山なのですねぇ。鈍足の私は、いつかテント泊で時間をかけて登ってみることにします。多くの人々にとって、歩く価値の無いルートを。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-08-30 05:51:55
コメントありがとうございます。
何と申していいのやら。やはり、「やめておいた方がいいですよ」になりますかね。無理に深ヤブこぎをしなくとも、湯元か菅沼から入ってください。ヤブはそれ程強烈でもありませんから。
国境平~三俣山間を結んだら、実は、性懲りもなく、黒岩山まで結ぼうかなとも思っているんですよ。物見山~黒岩山間はすでに歩いていますし。湯沢峠が難問ですけどね。
いずれにせよ、酔狂なライフワークですよ。
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錫ヶ岳 (ハイトス)
2010-08-30 19:08:26
お疲れ様でした。
まさにこの言葉がぴったりですね。
有言実行、初志貫徹で雷にも雨にもめげずに当初予定ルート完遂おめでとうございます。
やはり尾根から先は笹とシャクナゲの藪ですね。
傾斜のある笹斜面で、かつ露で濡れていると滑ってしまうんだなぁこれがまた・・・あぁ自分のことのように想像してしまいましたよ。
バスに乗れたのは天佑でした。
今回のレポ、一緒にこのルートを同行したかのようにワクワク感で読んじゃいました。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2010-08-30 21:30:49
ハイトスさんありがとうございます。
ハイトスさんの記事を読んで、錫ヶ岳も早まったようなものです。
いやぁ、それにしても疲れましたね。足も下山直後から痛くなり、まだ、階段の登りがつらい状態ですよ。
しかし、あんなに転んだ山歩きも初めてです。30回は転んだり尻餅つきでした。
今回は、天気を甘くみて出かけた失敗例でしたが、雨宿りの1時間休憩があったからこそ、疲労も少しは抜けて帰り着けたようなものかもしれません。
国境平と三俣山間は、テントでも担いで、じっくりと歩きます。いつになるか分かりませんがね。
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Unknown (ぶなじろう)
2010-08-30 22:51:43
再びおじゃまします。

実は、本記事を読んでいるときに昨年の黒岩山の記事を思い出したのですよ。タカギさんと同行で、浮気アベックの記事を。やっぱり、そんな事をもくろんでいたのですね(浮気アベックではなく)。
それが達成されたら、枯木山の先まで行かなくてはなりませんね。などと、勝手に他人事ながら妄想し、なぜかウキウキしてしまったのです。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-08-31 05:40:46
いやいや、福島県境まで足を延ばすつもりは今のところありませんね。まして、枯木山などと。キリがありませんよ。
取りあえずは目先の国境平ですよ。まさか、浮気アベックはいないでしょうね。あんなところでごほうびをやられてもね。
そんなところより、ぶなじろうさんの夏バテが続いていますね。そろそろですか。
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