たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

山王山から名草山。まさかその筋の大先輩にお会いしてご一緒することになろうとは…。

2017年01月16日 | 近所の栃木県の山
◎2017年1月14日(土)

名草中町集会所(7:56)……破線路南東に……蛍の里……破線路……大網林道……山王山(9:41)……258m標高点……264m標高点……須花トンネル上……258.4m・名草山(10:53)……264m標高点……201m標高点……車道……集会所(13:23)

 年が明けてから足利の山ばかりを歩いている。こだわりがあるわけではなく、飽きないうちにある程度は歩いておきたい。何といっても、里山らしい安心なヤブ歩きが手軽に満喫できるという楽しみがある。ということで、今日は足利続きの3回目。引き続きの佐野市との市境尾根歩き。佐野側からといった思いもあるが、足利側がアクセスが近く、つい横着して足利側からのルートを探してしまった。
 今回は、前回、途中放棄した山王山と名草山の間を歩き、状況によっては345m浅間山かその先の破線路合流点まで行く予定でいる。午後から雪が降るかもしれないのでロングな歩きをする気にはなれない。往路はホタルの里の方から入り、復路は浅間山先を南西尾根か、名草山の南西尾根を下るつもりでいる。となると、駐車地は名草公民館か中町集会所が手頃だろう。

 小学校裏の公民館に行くと、ここは何となく車を置きづらい雰囲気で、しかたなく中町集会所に移動したが、集会所は県道に面していて、ちょっと気後れもする。下町の集会所よりは歩く都合は良いのでここをお借りする。

(参考・明治40年の地図)


(山の方に向かい)


 このまま車道伝いにほたるの里に向かってもいいが、上での歩きタイムはスムーズにいけばさほどのものではない。寄り道がてら、地図上の「宿」と「大坂」地区を結ぶ破線路歩きを選択した。これはかつての峠越えの道だろう。別に破線路でなくても手頃そうな尾根を選択するのは可能だが、この辺の破線路は古道の可能性もある(実際に100年前の地図にも記されていた)。当たり外れもあるが、自分には魅力ある古道=石祠or石仏=お宝発見なのだ。

(ここから入る)


(こんなのがあって)


(上には神社)


 小学校の脇を通って路地に入ると、民家も山際になって尾根の先端が見えてくる。何か目印でもあるかなと思ったら、上に手すりが続いている。これが破線路入口のようだ。
 手すりが終わると、早速、ヤブの中に庚申塔、石仏、石祠が現れた。散らばっていたのをここに集結させたといったところだろうか。年代を見ると、天明や享保。その上にはこじんまりした社があり、産泰神社と多頭神社の合祀になっている。それぞれ延喜元年建立、藤原鎌足建立とあるが、それはここの神社のことではなく本家のことだろう。中には簡易な社殿が2基。まぁいい感じだ。これがこの先の破線路に続くことを願ったが、後は何も見ることはなかった。半分外れだった。

(出だしはしっかりしている)


(こうなる)


(尾根に出る)


 しばらくは道型も続いていたが、次第に細々となり、狭くなってはうっすら斜めの踏み跡になった。テープもあって、一応、破線路を歩いていることは確認できる。尾根状のところに出た。もうササヤブになっている。ここを帰路で通過することになるが、この先のテープは消え、道型もなくなった。破線路はここを乗っ越して東の枝尾根を下るようになっている。その枝尾根が見つからない。ここで先ずは右往左往した。なぜか明瞭な尾根筋を南西に向かうと、上に小ピークが見え、そんなはずはないと引き返す。ここでつまずいたら洒落にもならない。もう一度よく見るとかすかな踏み跡。辿るとすぐにヤブの中を下る尾根があった。ここでしっかりとGPSで確認できていればトラブルもなかったのだが、今日は普段あまり使わないGPSを持ってきていたため、設定がおかしなままなのか、画面が薄暗く、自分の歩いた軌跡のみがクリアで、肝心の地図がほとんど暗くて見えなかった。

(右からこんな道が来ていた。破線路延長は左から)


 すぐに踏み跡は消え、もういいやと破線路は放棄して尾根をそのまま下る。ここにこだわっていたら先に行けなくなってしまう。間伐だらけの歩きづらい尾根。下に作業道のようなものが見える。降り立つと、十字路のように作業道が通っていた。左側から来る道は、おそらくうまく破線路を歩いていたら、これを下って来られたのだろう。寄り道にしてはちょっとしんどい峠越えだった。

(ホタルの里)


 民家の間を通って車道に出る。やがてホタルの里。広い敷地だ。駅に向かう途中の通勤路に別府沼公園というホタル観賞のスポットがあるが、その何十倍も広い。駐車場も3か所に完備されている。これだけ広ければ、ホタルを見逃すことはあるまい。
 道が二俣になった。ここは左かなと思って入ったが、コンパスを確認すると方向違い。引き返して右手寄りに進む。あのまま左に行けば、地蔵の置かれた大坂峠に向かったようだ。

(馬頭観音碑。ここを右に)


(続いて)


(十九夜塔)


(青面金剛?)


 蛍遊窯という、これは焼き物工房だろうか、これを過ぎると、また二俣。間に馬頭観音碑がある。ここは沢沿いの右だろう。すぐに物置のようなものが見え、中には石仏と石碑が置かれている。石碑には十九夜塔と刻され、石仏は詳しくはないが青面金剛という類のものだろうか。石碑には女人講中とあり、石仏には天保の字が読める。ここで雪が落ちてきた。やはりかと思ったがすぐにやんだ。今日の天気は不安定で、この繰り返しになるかもしれない。

 道は未舗装になり、作業道っぽくなった。沢沿いに行けば問題ないだろうと、植林に入り込む最初の分岐は見過ごす。そのうちに、作業道は踏み跡になった。散弾の薬莢も落ちている。その踏み跡も次第にあやふやになってくる。これでいいのかとGPSを確認した。電源を入れなおすと、一時的に画面が明るくなって地図が2秒間ほどはっきりと見える。沢の左岸側から離れたところを歩いている。ということは、さっきの分岐した作業道の方だろうかと引き返す。

(ここを5回も通った)


(やはりこれだろうね)


 そちらの作業道に入ると。こちらもまた沢が続いていた。これでいいのかなぁと、ちょっと先でGPSを確認すると、何だ、これも方向違いじゃないか。また引き返す。前のところに戻っても、やはりGPSの示す位置は同じで、もしかして、さっきの作業道との間に見逃した沢の地形があるのではと思い、再び引き返す。そんなものはなかった。尾根が上に続いているだけ。
 はてこれは困った。地図も確かなものとはいえない。つい、GPS情報にこだわりもしていた。最初の沢沿いでいいのだろうと、結局は戻ることにした。同じところを5回通っていた。しかし、やはり頭を傾げるところもあって、見落としがあるのじゃないのかと、今度は沢の右岸側の高いところを歩いて行くと、左岸側からガサッと音がした。瞬間、イノシシかシカかと思ったが、まぎれもなく人の姿が見えた。

 自分のことはさておき、この単独氏、相当な好き者とお見受けする。こんなところを歩いて山王山に行くというのもまた珍しい。大方は反対側の須花坂公園の方から往復する。その筋のギョーカイ関係者だったりして。あの方が歩いているのでは、このルートでいいみたいだな。2往復半もしてちょっとばかり暗い気分でいたこともあって安堵もした。こんにちはと声をかけて近づく。以降、しばらくはXさんとさせていただくが、Xさんも私同様に山王山から名草山方面に行かれるとのこと。この先のどこかで取り残されるかもしれないが、少なくとも林道に上がるまではご一緒できそうだ。聞けば、Xさんは下町の集会所から車道沿いに来られたとのこと。

(あれを越えれば林道に出るだろう)


 踏み跡はさらに怪しくなった。沢を右に左に、そして右にと移動して行くと、沢もやがて消え、古い赤テープが目についた。この先も続いていているわけではない。次第にすり鉢状の急斜面になってくる。
 右手前方に低くなっているところが見え、あそこに向かえば逃げられるかと思ったりしたが、それではちょっと早急過ぎのようでもある。左側に尾根型が現れ、Xさんがあれでもいいのじゃないかというようなことをおっしゃったが、そちらもまた急に見え、ヤブもありそうだ。こちらは実際には消滅している破線路にこだわってもいるし、このまま登る。Xさんとは前後して歩いたが、その後姿を見た時、Mさんのブログの写真で見たような気がするなと思ったがまさかなぁ。

(山王山登山口)


 腐った木もあって、頼れる木は少ない。また地面もズルズル。いくらか落ち着いたヤブの緩斜面に出ると、ゴミがかなり散乱している。おそらく上の林道から投擲されたものだろう。やはりすぐに林道に出た。山王山の登山口はすぐそこだった。
 ちょっと休憩。軽く立ち話。Xさんは樺崎八幡宮の方から南西尾根を使って登られたことがあるそうだ。もしかして…と思った。あの尾根、野球親爺さんやななころびさんだけではなく、あの方も歩いたことがあることは後で知っていた。でも、俗なネットの世界とは一線を画し、すさまじい歩きをする隠者のような方もいる。まぁ、おかしな詮索やら邪推はしないことにしよう。ヤブや道ナシも慣れた方のようだし、この先もご一緒できれば一人で黙々と歩くよりも気持ちも楽だ。口も開けられるから楽しいじゃないか。いろんな情報を聞けるかもしれないし。

(山王山に向かう)


(山王山)


 正統ルートからの山王山までの道のりは、クネクネしてはいるが、南東側からの尾根伝いに比べると格段に楽だ。とはいっても、息切れは何度かある。道型も明瞭で、障害物もない。前回、反対側から林道に逃げてしまったが、おかしなことをしないで、これを下れば良かったと後悔した。ヤブを越えて石祠の待つ山頂に着いた。Xさんに先行して登ってしまったが、Xさんにお疲れのご様子はない。先のピークで休む。

(山頂から寒そうな景色)


 寒々とした風景が覗いていた。近場の山並みは見えても赤城山は隠れている。雲は雪降り前の前兆か、暗雲垂れ込めるといった状態になっている。そういえば、ハイトスさんご夫婦は赤城山に行かれているはずだが…。これではもしかして吹雪かも。

 さて、この先は改めてということになるが、本日の鬼門に入る。瀑泉さん情報では、まっとうに歩いていればヤブが二段構えで、北東側の尾根に引き込まれやすいとのこと。Xさんは、この先はどうも歩かれたことはないようだ(あるいはあったのか…)。1/25,000の地図を広げて見ていらっしゃる。しかし、後で知ったことだが、肝心の「足利北部」の地図は車にお忘れだったとのことで、おそらくここで別地図を広げて間違いに気づかれたのだろう。以降はGPS地図とこちらの刷り出し地図をちら見する程度のもので、頭の中に地形がほぼ入っているようだし、方向感覚もしっかりされていた。自分は絶えず地図を見ての歩きだったため、やはり相当な方だなと改めて思った次第。これはその筋の嗅覚といったものだろう。

(最初のヤブを抜けてこの辺は歩きやすい)


 まぁ、その時点ではそうとも知らず、失礼ながらヤブの中を先行して下った。前回も途中までは歩いていることだし、少しは勝手も知っている。ヤブの中の尾根型ははっきりしていて、テープを見ては安心する。前回は気づかなかったが、テープは意外に多い。岩場脇を通過。
 前回、間違って下った枝尾根分岐にさしかかる。Xさんに「先日、ここを左に下ってしまい、上に行くのが嫌で、強引に林道に下ったんですよ。ヤブがひどくて」なんて、余計なことを話す。よく見ると、先にテープが見えている。今のような冷静さがあったら、間違って引き返すこともなかったろう。瀑泉さんが引き込まれた尾根も確認できた。この辺はやはり間違いやすいのかテープも多い。これもまたXさんがいるから気分的に楽になり、周囲が見えているのだろう。

(どんどん下っている)


(テープも随分にある)


 落ち着いたところでXさんに先行していただく。それにしてもどんどん下るものだ。Xさんに「かなり下りますね」と言ったら、「そう、130mくらい下りますよ」と返ってきた。ここ歩かれたことあるのかなと思いつつ、地図も見ずによくわかるものだなと感心してしまう。普通、ここまで下れば、その先が不安になってくるものだ。

(石祠)


(振り返って山王山)


(東側の集落がすぐそこに見える)


 所々で薄いヤブは続くが、さして迷うこともなく258m標高点付近に着いた。素通りの状態で下って登りかけると石祠。胴体は落ち葉に埋もれかかっている。周囲の葉を除いてみたが、文字らしきものは見えない。振り返ると、山王山が高く見えている。
 篠竹ヤブがまたうっとうしくなってくる。ここは通路のようなものがあり、これを辿れば問題はないが、ずっと続いているわけではなく、たまに払いながら歩く箇所もあるが、先が見えないほどのことはない。ヤブを抜けると、北側がよく見えた。集落との距離は近く、見たところ、標高差もさしてないのにはちょっと驚いた。ヤブ漕ぎを30分もせずに田んぼに出られるかもしれない。

(地蔵と石仏)


(石仏のアップ)


(切り通し)


 地蔵と石仏があった。ここが大坂峠か。この地蔵さんを見たかった。やさしい顔をしている。石仏は頭の上にひょっとこのような面がのっている。文化の文字が見える。
 この先は切り通しのようになっていて、それを越えて尾根を乗り換えるような形になっている。切通しは南北をつなぐ古道かと思う。確かに100年前の地図にも点線が通っている。
 植林が入り込み、自然林との境目を歩くようになる。また雪が落ちてきた。そしてすぐに上がる。確実に冷え込んできている。上り下りを繰り返し、先の破線路には気づかずに、前に小ピークが見えてくる。あれが264mだろう。

(264mへの上り。こちら側は明瞭だ)


(切り通しがあって。というかここが須花峠か)


(真下)


 264mに軽く登り上げ、どんどん下る。車の音が近づく。真下は須花トンネルのようだ。ここにも切り通しがあり、Xさんは須花までの区間を歩かれたことがあり、ザゼンソウをご覧になったとかおっしゃっていた。

(鎧地蔵尊趾)


 手すり付きの階段を登ると鎧地蔵尊趾。地蔵様はどこかに安置されているのだろうが、鎧を着た地蔵なのだろう。さっきの地蔵はひょっとこ被りだから、鎧を身に付けている地蔵がいても不思議ではないな。ここにはベンチもある。
 植林の中に入っての登り。ふと思い出して、Xさんに、下の公園にあるソバ屋(須花坂公園の憩い館)のことを伺った。やはり食べたことがあるらしい。そして、店のスタッフの女性とハイカーが歩きそうもないところで出会ったとも。どうもこのXさん、ますますもって怪しいなぁ。きりんこさんのブログのコメントに、ソバ屋情報を入れていらした方がいるのを知っている。この時点でほぼ80%の特定になっている。後は決め手だな。

(手すり付きを登って)


(名草山)


 ここにも鉄パイプの手すりが続き、大きな松ぼっくりが目に入る。名草山に到着した。大分寒いし、この先には行かず、ここで切り上げようか。座り込んでXさんと世間話をする。どちらからいらしたのか伺ったら、千葉のN市からとのこと。これで決まりだ。Xさんはやはりノラさんだった。ノラさんもまた、自分が山王山の南西尾根やら、ヤブ漕ぎ林道の話をして以来、こいつ、たそがれオヤジじゃないのかと疑惑を抱かれていたようだ。
 ノラさんとは、過去に何度かみー猫さん企画のツアーに誘われ、お互いに都合が悪かったりでご一緒したことはなく、せいぜい、みー猫さんブログで後姿の写真と、足尾のかじか荘上の駐車場で車を拝見したことがあるだけだ。

 ということで、ここでノラさんと知った以上は、下までお付き合いしなけりゃ損をしたことになるだろう。下山の予定コースを確認させていただく。ご迷惑でなかったらご一緒させてくださいよ。
 自分の予定はここからなら南西尾根下りだったが、ノラさんは264mに引き返し、南の尾根末端部予定とのこと。自分のルートは取って付けたようなものだからあっさりとしたもので変更自在だ。やはり、その筋のベテランとなるとルート取りも込み入ったものになる。地図を見ても、一本では結べそうもない。201m過ぎからごちゃごちゃしている。自分ならまずは考えつかないようなルートだ。

(264mに戻って)


(ここを南下)


 ということで264mに戻るが、こちらは早とちりでその手前ピークから南下しようとしてノラさんに指導を受ける。改めて264mから南下。この先はノラさんに先行依頼。この時点で地図をお持ちでないことを知っていたら、大丈夫かなと心配になってしまうが、そんなことは知らないし、態度にも出ないからまったくのお任せになっている。ちなみにこの264mだが、大坂山という山名があるようだ。山名板もあるらしいが、それには気づかなかった。

(山王山)


(201m標高点付近)


 明瞭な尾根だった。下りきると左・東側の展望が開け山王山が見えてくる。それなりに存在感のある山容だ。あの山も、もう2回も登ったからもういいだろう。今度は青空が覗いていたりしている。
 途中、南東に引き込まれたところもあったが、すぐに気づいて主尾根に復帰。分岐から20分もかからずに201m標高点付近に到着。その先で右手から尾根に踏み跡が上がってきている。地図で須花から東向きに途中まで実線があるが、その延長だろうか。白い犬が前をスーッと通って行った。首輪が付いていて狩猟犬かと思ったが、その所有者のハンターを見ることはなかった。ただの地元の犬の散歩ということもあり得る。こちらには目も向けなかった。

(ここで休憩)


 山神様の石祠のあるところでちょっと休む。失礼かとは思ったが、こちらは一服させていただく。この辺まではミスは一回あったものの無難に下って来た。そろそろ面倒そうな尾根型に入り込む。
 実はこの先、ノラさん任せで歩いていたため、どこをどう歩いたのかしかと記憶がない状態になっている。

(往路で右往左往した尾根)


(ヤブをかぶった道)


 ヤブが次第に濃くなり、あちこちに踏み跡が出てくる。その踏み跡も、所によっては作業道のような広さになったりするが、どこに出るのかも知らず、まして使われることもなく荒れていたり、先が消えていたりしている。基本、尾根伝いに行くしかない。しかし、その尾根もまたヤブで先が見えず、トラバースで復帰したりもした。もちろん簡単にトラバースできるはずもなく、かなりきつい作業だった。
 見覚えのある尾根になった。それもそのはず。今朝方、越えようとしてうろうろした尾根だ。その時は、小ピークを前にして間違いに気づいて戻ったが、今、その小ピークに向かっている。

(ヤブがかなり密になる)


 小ピークを越えると、もはや尾根通しの歩きは必死の覚悟の状況になった。とにかく篠竹のヤブがすごい。うまく、ここにも作業道のようなものがあり、これを利用すると、何だかグルグル回っているような感じだ。確実に下に向かっているようではあるが、居場所がわからない。
 またヤブをかき分け、尾根に戻っては作業道歩き。次第にうんざりしてきた。しまいには、この作業道で下りましょうよと尾根から逃げてしまった。ノラさんは末端まで行かれるつもりでいらしたらしいが、自分には持て余し気味で、結局、最後のピーク越えは果さずのままに下る。

(こんなところに出た)


(フィニッシュの関門)


(ヤレヤレ)


 ヤブの被った作業道を下ると植林に入り、やがて傾斜がゆるんで水溜りのような沢に出た。ここまで来ればもう出口も近いだろうが、さらに倒木+ヤブがあり、この障害を越えて、ようやく休耕田のようなところに出た。もう民家が見えている。いやぁお疲れさんでしたといったところだが、無理にでも最後のピーク越えをすべきだったろうか。案外、ヤブもおとなしくなっていたかもしれない。しかしながら、里山のヤブは下に向かほどにひどくなるものだわ。

(予定ではあそこからの下りだった)


 車道歩きになった。青空になってはいるが、風は冷たく、雲が依然と黒いのは不気味でもある。途中でノラさんと別れる。今日はお付き合い、ありがとうございました。勝手ながら、こちらは楽しく歩かせていただきました。

(南の空は夕暮れ空になっている)


(集会所に到着)


 明日は明日で名草奥のお誘いをいただいている。2日続きで名草の山を歩くのもどんなものだろう。まして明日は確実に雪のような気もする。やはり改めてお断わりということにしておこう。

 何となく歩き足りない感じがしないでもなかった。このまま前回パスの八幡山にでも寄ってから帰ろうかと、登山靴のままで車を運転した。だが、樺崎八幡宮が近づくと、何だかその気もなくなり、靴の履き替えもせぬままに帰途に就いた。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

コメント (18)    この記事についてブログを書く
« 再び足利でちょいヤブ祭り。... | トップ | 引き続きで秋葉山から名草山 »

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
名草山 (ハイトス)
2017-01-16 21:21:20
こんばんは。
里山の藪交じりの歩きはいい感じですね。
お地蔵さんが優しそうなお顔でなごみます。

それにしても何ともまぁ、奇遇ですねぇ。
こんな里山の人影の全くなさそうな場所でノラさんと会われるとは。
お互いこの人はひょっとしてと思いながらしばらく歩かれるのがまたまたお二人の奥ゆかしいところですね。
自分ならば思い立ったらすぐに「失礼ですが・・」などと聞いてしまいますよ。

ところでわが隊は予定通り赤城に繰り出したのですが、お察しの通り吹雪かれてしまい撤退しました。
こんなことならたそがれさんと歩いてノラさんとバッタリのほうがよかったなぁ。
後の祭りですが。
返信する
たそがれおやじさんと会って (ノラ)
2017-01-16 22:26:49
こんばんは。沢筋でお会いしてこんなところを歩かれる方は自分と同じでもの好きな方だな?その筋のどなたかな?色々考えていました。沢筋の詰めのルート取りも迷いないし,山王山から下る藪の入り方もささっと行かれるし。
お地蔵さんが見たかったとおっしゃってたそがれさんと50%確実と心の中で思い,登りの歩きが早くてついていくのがやっとの局面もありでした。名草山で判明した時はやはりと安堵しました。
一方,山王山で地図を忘れたんだろうかと思い,名草山で忘れたことがはっきりして,さて下ろうと思った地味尾根は地図なくても磁石とGPSとたそがれさんの持っておられる地図のチラ見と景色の感で何とかなるだろうと進み,264mから先を譲られ,入ってはみたものの,私のルーファンの見極めをされてるような気持になって,余裕なく写真を殆ど撮れずに終わりました。
迷走した局面もありましたが,終わってみれば,やはり一緒に歩くと楽しかったなと。これから記録を書きますが,写真は使わせていただきます。ありがとうございます。
返信する
Unknown (瀑泉)
2017-01-16 22:50:50
ななさんの記事へのコメントを見て,ノラさんとご一緒されたのは,たそがれオヤジさんでは・・・と思ったらビンゴでしたネ。
しかし会うにしても,山王山の北西側からとはネェ・・・やはりその筋の方たちは似たようなことを考えられるようで(笑)。
今回は,山王山の下りもアッサリだったようですネ。そうなんですヨネ,あそこは復路で登り返したら,テープが結構付いていて,何で往路では気付かなかったんだろうと首を傾げましたからネ。
大坂峠に大坂山ですか。大坂山の山名板はさておき大阪峠の地蔵様と石仏は見落としちゃったんですよ・・・なので,名草山南西尾根でも利用させていただいて,いずれ再訪すしかないかなぁ~なんて思っています。
ちなみに鎧地蔵様は,車を置かれた中町集会所にほど近い金蔵院が所蔵しているようですヨ。(この前,金蔵院前から入名草行きのバスに乗ったのに,そのことをスッカリ忘れていました。)
返信する
主稜線以外のコース取りがマニアックで (ななころび)
2017-01-16 23:02:33
こんばんは。
山王山、名草山間の歩きはある意味当たり前としても、その前後のコース取りは、よく思いつくなと思うほど、マイナー系ですね。私も見習わなければと思います。
あのような場所で、ノラさんと出会われるとは、本当に奇遇だと思います。
15日は、7時にたそがれさんが現れないかと、あのかたと楽しみにしたんです。
今度はTファミリー、with ノラさんで、お楽しみ歩きもいいいかなと思いますが、どうでしょうか。
返信する
Unknown (でん)
2017-01-16 23:08:12
何だかいつものたそがれさんのブログを読んでいるんじゃないような気になってしまいました。
というのも、いつもなら同業者でもタイミングをずらして歩いたりするのに
今回は「この先もご一緒できれば一人で黙々と歩くよりも気持ちも楽だ」や「テープを見て安心する」などと
たそがれさんらしからぬ歩きに感じてしまいましたよ(笑)
返信する
とうとう会いましたね! (みー猫)
2017-01-17 07:33:08
おはようございます。
たそがれさんとノラさん、なかなか都合が合わなかったりして、行き合わなかったですが、ななさんの地蔵様情報が決め手になったようですね。いつも単独で歩いてる自分らが一緒に歩く局面になると毎回、「お先にどうぞ」「いやここは、」とルーファンを譲りあったり、かなり無防備になってミスルートしたり時間管理がルーズになったりしますが(笑)、流石にネタバレまでは探り合いだったみたいで客観的に見ると、楽しい記事のように思いました。その内、このルート歩くと思いますが、余計楽しくなりそうです♪お疲れ様でした。
返信する
ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2017-01-17 13:26:56
ハイトスさん、こんにちは。
やはり赤城山は吹雪でしたか。撤退とは相当な状態だったのでしょうね。今朝方も、駅に向かう途中から赤城山は見えませんでしたよ。
里山看板をお持ちのハイトスさんを前にこんなことを申すのも恐縮ですが、里山(ここで言う里山とは街が見える山という意味合いですが)の面白さは、自分にはヤブ歩きにあるような気がします。低い山から雪のかぶった谷川や赤城山も見て写真を撮っているのもいいですが、それだけではつまらない。ルーファンとて限りもある。となると、意外と獰猛なヤブ漕ぎに活路を求めるといったところなのでしょうかね。舞台は人が歩きそうもない尾根や沢となりますね。
これが足尾の奥のような場所で果てしもなくヤブ漕ぎをしていたら不安も募りますが、そこは里山、いずれは民家の屋根が見えるだろうといった安心感もあります。
ノラさんとの出会いの件、序盤戦でいきなりノラさんですか?と聞くよりも、先入観を持たずにいろいろと話を聞いたりしているのもまたおもしろいものです。ジワジワと探りを入れていくプロセスもまた楽しいものでしたしね。
返信する
ノラさん (たそがれオヤジ)
2017-01-17 13:27:37
ノラさん、こんにちは。先日はどうもありがとうございました。
そうですか、お地蔵さんが決め手でしたか(笑)。あのお地蔵さんの場所、不思議なのですよ。歩いた方のネット記事を拝見すると、気づかない方もいるようで、瀑泉さんあたりもそうなのですが、同じところを往復していても見落としされている。こちらとしては、あの時、すんなりとあの場に下って来ましたので、どこをどう歩かれていたのだろうかと、むしろ首を傾げてしまうのですよ。
私、出だしの破線ルートやら沢に入ってからのモタモタにかけた時間がトータルで少なくとも30分はありましたので、すんなりいっていたら、山王山で一服している時にお会いした形になっていたかと思います。いずれにしても、あんなところを歩いてお会いするなんてのはまったくの奇遇としかいいようがありません。失礼ながら同類ながらの由縁かと。
自分の場合、こういうシチュエーションでは、無理に別ルート歩きに変更したり、先に行っていただいたりと、同行は避けがちになるものですが、おかしなもので、一緒に歩いていても苦痛も感じず、気配りも必要ない方だなとお見受けし、結局のところそうなってしまいました。
しかしながら、ノラさんの未踏地味尾根への嗅覚はすごいものですね。私の地図のチラ見だけではなく景色も素材でしたか。そこまで歩いてないと、地図なしでは歩けないということでしょう。私はずっと山王山しかわかりませんでしたよ。ただ、こちらはくっついて行く立場だったもので(笑)、気が楽でしたけど。決して、後ろからノラさんの行動をチェックなんぞはしておりませんでした。ノラさんの後なら安心だなって。
いずれにしてもおかしな出会いで一緒に歩かせていただき楽しいものでした。いずれまた、どこかの地味尾根でばったりの出会いといきましょうか。
返信する
瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2017-01-17 13:28:14
瀑泉さん、こんにちは。
ビンゴでしたか。ななさんコーナーのコメント欄だけでは、ななさんの回答が出るまでは筋者某ということしかわからないはずなのですが。
山王山の北西ルート、これはその筋ルートなのでしょうかね。破線路があるじゃないですか。ネット記事にも数件ありますよ。この部分は古道ではないようです。歩いていてもあまり面白味はありません。とはいっても、歩いたからそう言えるのであって、私としては、大坂峠に抜ける古道がどんなものなのかちょっと興味があります。
山王山のテープ、やはりそうですか。この前の下りの時はほとんど目に入りませんでしたが、今回は余裕のある下りでしたから、結構目に付きました。別にテープを見つけて歩いているわけではないですが、足尾のいい加減でうざいだけのテープに比べたら、堅実なテープですから、テープを見ると、間違ってはいないなといった安心感は出てきますね。まして、里山は歩き方によっては恐いところもあるし。
お地蔵様の件、往復されて気づかれないというのはどうもわからないところがあるのですが、あのお地蔵さんと石仏、いい感じですよ。出来損ないなのかはともかく、地蔵さんのやさしい顔と石仏のひょっとこだかおかめの面は必見かと思います。
その節は、名草山の南西尾根ではなく、大坂山の南尾根末端からお歩きいただきたいものです。熾烈なヤブもいずれはおとなしくなりますから。
鎧地蔵はちょっと調べましたよ。車を置いた集会所の近くに金蔵院がありましたね。高さは40cmほどのようで。石の宮とともにいつか見に行ってきたいと思っています。
返信する
ななころびさん (たそがれオヤジ)
2017-01-17 13:28:46
ななころびさん、こんにちは。
15日の件は失礼いたしました。あの方には行かないと一応、お伝えしたつもりでいたのですが。まさかお待ちになったわけではないでしょうね。
それぞれ別行動の私がノラさんに出会い、ハイトスさんは吹雪で撤退。おかしなものですね。ということは、お二人にもまた何かおもしろいことでもあったのではと思ったりしています。
さて、今回のルートですが、下りの大坂山南尾根は、それこそマイナーというよりもマニアック系ですね。私はノラさんにくっついて行っただけのことですが、名草山の南西尾根は想定しても、大坂山の南尾根はまず地図をじっと見ていても、ここ行けんじゃないのなんて考えもしません。さすがにノラさんはその筋のベテランですね。やはり、アンテナを張り巡らすような思考にならないとまだまだですよ。
そんな気分で地図を見ると、山王山、名草山間だけでもいろんな歩きルートを楽しめそうですよ。でも、この辺はもういいかと…。その先で思考を巡らしてみたいものです。
ノラさんとは、以前にも機会がありながら私の都合でご一緒できませんでしたが、皆さんでまた改めて行きましょう。ただ、かなりお忙しいらしいですね。
返信する

コメントを投稿

近所の栃木県の山」カテゴリの最新記事