青い花

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雲霧仁左衛門

2015-02-26 08:48:00 | 日記
毎週金曜夜8時BSプレミアムで放映しているNHKBS時代劇を楽しみに観ています。
今やっているのは『雲霧仁左衛門2』。2013年にやっていた『雲霧仁左衛門』の続編です。原作は池波正太郎。NHKならではの手の込んだ大道具・小道具・衣装がドラマにリアリティを与えています。音楽も雰囲気を盛り上げていますよ。もう民放ではこのクオリティは無理なのかなぁ…。主人公の盗賊・仁左衛門を中井貴一さん、仁左衛門を追う火付盗賊改方の長官・安部式部を國村隼さんが演じています。この國村隼さんが私は大好きなんですねぇ。悪玉、善玉どちらも演じられる貴重な役者さんですよね。中井さんも現代ドラマより時代劇の方が光っていると思います。脇を固める役者さん達もベテランから若手まで皆良い演技をされていますよ。皆さん、殺陣の上手いこと…そうとう訓練なさったと思います。こういう手間を惜しむと時代劇って白けるんですよね。
「殺さず、犯さず、貧しき者からは奪わず」のおきてを守るという雲霧一党ですが、そこは池波原作なので、安易な人情劇には流れていません。裏切り者には情けをかけない闇社会に生きる人間の非情さをしっかり描いています。
私がこのドラマで一番注目しているのは州走りの熊五郎を演じる手塚とおるさんです。公式ページの紹介によると、州走りは「雲霧一党のNo.3。身体能力にすぐれ、軽業師のごとく難攻不落の御金蔵に忍び込む。手先が器用で、錠前師としても一流。大工に化けて塀の修理をし、逃走路を確保するための細工をほどこすことも。」という人物なのですが、手塚さんが演じると実に不気味。にやぁと笑った時の酷薄な印象はまさに闇社会の人間そのもの。それでいて、うっすらと情を感じさせる瞬間があるのも良いです。
手塚さんはキャリアの長い役者さんで、有名なドラマにも数多く出演されていたそうですが、私は民放の現代ドラマはまず観ないので、手塚さんの存在はこの『雲霧仁左衛門』で初めて知りました。舞台を中心に活躍されているようなので、機会があったら観に行こうと思います。
で、『雲霧仁左衛門2』ですが、明日が第4回『生き別れた娘』の放映予定です。基本的に一話完結のスタイルなので、今から観始めても問題はないと思います。事前にこれまでのあらすじはおさえておいた方が楽しめると思いますが…。
時代劇は製作費もかかるし役者さんを育てるのにも相当手間がかかります。この不況の折、良質の時代劇を作る余裕が民放には無いのは致し方ないのかもしれません。視聴率に振り回されたり、スポンサーの顔色を窺わなくてよいNHKにはぜひ頑張ってほしいと思いますよ。
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