青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

凜・桜バースディプレゼント

2015-02-11 19:41:32 | 日記


2月生まれの2匹のためにバースディプレゼントを買いました。

さっそくドームに入る桜。居心地良いらしい。

凜はなかなかお布団に座ってくれませんでした。
2匹は共に4歳です。今年は牡丹が居なくて寂しいなぁ。
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黄金の脳を持つ男

2015-02-11 08:30:22 | 日記
子供のころから図書館が好きだった。友達と遊びたくないときはたいてい閉館時間まで籠っていたものだった。当時特に気に入っていた蔵書の中に『世界こわい話ふしぎな話傑作集』という短編集があった。金の星社刊行で世界各国の恐怖短編を集めたシリーズなのだが、作家の選択が秀逸であった。ブラム・ストーカー、ブラックウッド、ポー、ビアス、モーパッサン、ゴーチエ、メリメ等々、子供向けとは思えない豪華な顔ぶれなのである。人間が30回くらい切り刻まれてりゃオッケーみたいな量産型ホラーとは次元が違う。血の通った人間の生活と苦悩が描かれているのだ。読書経験の浅い子供のうちにこそ優れた作品に親しむべきだと思う。金の星社は良い仕事をしている。
私がこのシリーズに出会ったのは小学校の低学年だったのだが、後の読書経験に大きな影響を与えられた。本格的な出発点といってもよい。
中でも印象的だったのが、『黄金の脳を持つ男』であった。作者は『アルルの女』のアルフォンス・ドーデ。あらすじはこうだ。

黄金の脳をもって生まれてきた男が、親にたかられ友人に裏切られどんどん脳を失っていく。あるとき男は恋をした。しかしそれがおしまいの始まりだったのだ。少女は小鳥のように愛らしかったが、おつむのレベルも小鳥並みだった。彼女のとめどない贅沢癖を叶えるために男は黄金の脳を浪費してく。挙句、少女はぽっくり死んでしまう。男は少女のためにこの上なく盛大な葬式を行い、惜しげもなく黄金を振りまく。最期、僅かな脳を残すのみになった男は、少女のために繻子の靴を買い求めて息絶える。

子供心にこれはラブストーリーだなと思った。命を懸ける価値もない存在を命懸けで愛してこそ純愛なのだ。誰を愛したかではなく、どれだけ愛したか、だ。このあたりはさすが『アルルの女』の作者である。
残念ながら今現在『世界こわい話ふしぎな話傑作集』は絶版状態だ。古本屋でバラバラに購入するしか手に入れる方法がないらしい。金の星社さま、どうか再販してもらえないだろうか?娘の部屋の本棚に置きたいのだ。
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