青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

妹尾アキ夫

2015-02-03 19:27:54 | 日記
夫が私のために借りてきた『ネクロマンティック』…江戸清の豚まん食べながら観ていたら気持ちが悪くなっちゃったよ。私が求めているのは死美人であって、腐乱死体じゃないんだな。監督の情熱は評価する。
理想的な死美人といえば、妹尾アキ夫だな。この方は翻訳者としての方が有名らしいが、優れた短編作家でもある。私がこの方を知ったころはご本人の作品集は出ていなくて色んなアンソロジーに載っているのを探して読んでいたんだよ。
ほとんど見る人をして、畏敬の念を起させるほど静かで神々しいプラキシテレスが刻んだヴィナスのように美しい女の亡骸が出てきた。『本牧のヴィナス』
その氷の中には、小さい白い花を持つ軟らかい草花が、高い処にも、低い処にも、一面に唐草模様のごとく暴れ狂っていて、まんなかになにも身にまとわぬ一人の女が横向きに立っているのである。(中略)そして処々に出来たひびのような氷の筋や無数の小さい泡粒や、それから唐草模様の緑の葉の一つ一つが、強い橙色の電光を受けて、微妙な神秘な光を発しているさまは、まるで世界中のダイアや水晶や翡翠や琥珀を一つに溶かして、その沸騰最中を急に冷却して固めたように美しかった。『凍るアラベスク』
生きているときには凡庸だった女が死んで至高の芸術品になる。現実世界では許されないことだけど、妹尾アキ夫は私の中の暗い願望をガラス細工のような繊細な言葉で受け止めてくれる。グロいことは一つも書いていないので、グロ耐性のない方が読んでも大丈夫。幻想美の極致です。
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ソファー

2015-02-03 08:37:22 | 日記

凜、ソファーの背もたれの上が定位置。彼女の重みで背もたれがだいぶ歪んでしまった。
今日は午後から実に忌々しい用件で人と会わなければならない。疲れて帰って来るのが必至なので、今のうちに晩御飯を作っておこう。
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