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本因坊戦縮小

2023年06月03日 09時26分27秒 | Weblog
本因坊戦の対局結果を調べていて、「本因坊戦 縮小」ってキーワードが出てくるので、何のことかと思って調べてみてびっくり。
来期からリーグ戦が廃止され、七番勝負が五番勝負になる。優勝賞金も2800万円が850万円に減額される。タイトルの序列も3位から5位に陥落。

優勝賞金は2800万円だけど、全棋士が予選から参加し対局料をもらっていて、リーグ戦は「黄金の椅子」と言われているくらいだから、本因坊戦全体の費用は当然、億単位になる。それでも新聞社として紙面に、重みのあるタイトル戦の棋譜を掲載することにメリットがあると判断して、これまで本因坊戦を運営してきたわけだけれど、格式の維持費用が利益に見合わないということなんだろう。今のところ、本因坊戦そのものが無くなってしまうわけでもないし、新聞に棋譜が掲載されなくなるわけでもないので、囲碁に興味がない人には変化がわからないかもしれない。

「棋聖」「名人」に続く、序列3位の「本因坊」はタイトル成立の歴史をみると、一番、由緒正しい。本因坊秀哉が名跡を開放したことに始まる。同時期に将棋の名人戦も開設された。「名跡を開放」というのがよくわからないのだけど、自分は「本因坊」というタイトルは「坊門の総帥」という意味だと思っていた。「坊門」イコール日本棋院で、関西棋院の創始者、原爆対局で有名な橋本宇太郎(第2、5、6期本因坊)にしても独立するまでは日本棋院所属棋士だったので、やはり「坊門」と言っていいのではないかと思う。(じゃあ、「坊門」でない棋士はっていうと、その他の家元三家、安井家、井上家、林家、所属棋士ということになるので、現在いない。)

名称としてだけみると、「棋聖」はちょっと重すぎる。「前棋聖 本因坊道策、後棋聖 本因坊秀策」(「後棋聖 本因坊丈和」と言われていた時期もある)ということだけれど、「棋聖」は歴史が決めるものという印象。「名人」はタイトル名として一番ふさわしいのかもしれないが、将棋にも「名人戦」があるし、「名人」だけ聞いても何の「名人」かわからない。その点、「本因坊」は囲碁しかないし、言葉の雰囲気が好きだ。

実際、本因坊戦の棋譜が見たいばっかりに毎日新聞を購読した時期もあった。当時から毎日新聞って購読者が少なくて、私が住んでいた地区では中国新聞の販売所が配布していたように思う。毎日新聞そのものについては、まず、他の新聞に比べて紙面がきれいだった。女房は「毎日新聞は小説が面白い!」と言っていた。しかし、結局、こんな記事があって、毎日新聞の購読をやめてしまった。
https://www2.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/mainichi.html

肝心の新聞棋譜はというと、これが非常に並べにくい。以前、新聞棋譜をまとめた本因坊全集を「棋譜をみないで、解説を読むのが好き」という記事を読んだことがある。それはそれでタイトル戦の雰囲気が味わえて楽しいのだが、棋譜を毎日並べるとなると、約7日間に分けて掲載される棋譜を「昨日並べた碁盤をそのそのまま残しとくんですよ、、、」という人もいた。また、ヨセまで打った碁を、終盤100手を「後は総譜で」と言われると、結局、並びきれない。今なら、コンピュータソフトで順次入力していけばいいのでそれほど、苦でも無くなった。総譜をネットからダウンロードしてくることもできるようになったし、コンピュータソフトなら参考図も簡単に並べられる。読売新聞は戦前、棋譜で販売数を激増させた時期があったと聞くが、新聞棋譜が読めるというだけでも昔の人は棋力もすごかったのだろう。最近、新聞棋譜を読みやすい環境ができたのだけど、今度はYouTubeの囲碁解説が面白くて、地味に棋譜を並べるということもしなくなった。

囲碁人口も減ったし、新聞棋譜を読む人も減り、新聞社にとって棋譜掲載が販売数の増加につながらないのなら、費用をかけられないというのは仕方ないだろう。家では新聞を取ってない。会社でも取っているのは業界新聞だけで、一般紙はやめてしまった。「昨日の記事が紙で届く、ヤバイ!」。まあ、新聞という媒体が衰退しているのだから、新聞囲碁を収入の主にしてきた囲碁業界が影響を受けないわけがない。

じゃあ、今後、囲碁が生き残っていくためにはどうしたらいいんだろうと考える。
まず、棋譜を必要としている業界があるだろうか。紙媒体が衰退している中、棋譜を何等かに掲載して収入を得るのは難しいと思う。

「つるりん式見る碁のすすめ」ってやってるけど、「見る碁」を勧めていくっていうのはいいな、と思う。
囲碁好きにとってはタイトル戦って、プロ野球の日本シリーズ同様の注目度がある。NHK囲碁トーナメントは毎週見るけど、本因坊戦がリアルタイムでYouTubeで放送されていても、実際のところ見てない。最近、土日にからめて放送されることあるけど、何といっても考慮時間が長すぎる。「持ち時間8時間、2日で打つよ!」と言われると、「結果だけ後から見ればいいよ、棋譜は解説で見るし」となってしまう。野球好きなら日本シリーズ1試合約3時間、息をつめて見るだろう。方や囲碁はというと、「2日、息つめてみるよ」って無理。リアルタイムで見るのなら、持ち時間3時間、1日打ち切り、が限度だと思う。しかも定年後、1日、十分に時間が取れて、面白い解説が付くのならお金払ってでも見る。お金払って映画を見るのと同じだ。そういう意味だと、本因坊戦が持ち時間3時間になったのは良かったと思う。有料放送となるとやはり「幽玄の間」になるのかな。「幽玄の間」に力を入れていた加藤正夫理事長は先見の明があったよな。

後、もう一つ、囲碁って優れたテーブルゲームだと思う。最近「銀星囲碁22」を買ったけど、「検討」機能があって面白い。どういった形が可能性があるのかわからないのだけど、スポンサーをゲームメーカーに求めるのは自然な流れではないかと。光栄だとかセガだとか大手もあり、ゲームメーカーにメリットが出る方法を提案できれば、タイトル戦運営の可能性も、、、、
どちらにしても囲碁人口が増えなければ、囲碁が生き残っていくのは難しい。

最後の手段は、伝統芸能として、江戸徳川家が囲碁四家を保護したように、国の保護下に入ること。これはさらに難しいか、、、


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