AccessとLinux

中小企業での販売管理プログラムの作成についての所感

インボイス制度

2020年11月08日 09時34分15秒 | Weblog
令和3年10月1日から適格請求書保存方式の申請ができるようになる。
販売管理プログラムは昨年(令和元年)のゴールデンウイークに軽減税率に対応すべく修正した。
その後、細かい修正が多々あったものの、今年5月に納税して一応、軽減税率への対応は完了したものと思っている。
適格請求書の条件を満足しているか税理士にも確認した。

税務署の案内では令和元年10月から区分記載請求書保存方式へ、令和5年10月から適格請求書保存方式へ移行するようにと言われているが、2回に分けて変更するのは面倒なので、プログラムの修正は区分請求書をすっ飛ばして適格請求書方式に対応した。

どこの事業所でも事情は同じはずで、2回に分けて変更するより1回で済ませてしまった方が費用も手間もかからない。
なので、令和元年10月から適格請求書で請求書が送られてくるものと思っていた。
だが、蓋を開けてみると区分記載請求書ばかりで、適格請求書を送ってくるところは1件もない。

来年から適格請求書保存方式の申請ができると言っても、コロナの影響で経営状態が悪化していると、1円も利益を生まない請求書の変更なんかは後回しになるだろう。来年もコロナが終結しているとも思われず、令和5年まで伸び伸びになってしまうところが多いのではないか。

仕入先から送られてくる請求書は区分記載請求書、社内処理は適格請求書と異なっていると、消費税端数処理分の差がでてしまう。仕入先からの請求金額で支払うので、残高が残らないように修正を入れる。
売上についても同じで、入金にはなったものの数円違うということがよくある。
(これは、軽減税率適用前でも消費税の端数を四捨五入するか、切り捨てるかで差が出ていたので、今に始まったことではないのだが、、、)

まあ、この件は仕入先も適格請求書保存方式に変われば落ち着くことなる。だが、これとは別に正解の無い問題があり、これは解決していない。というのは消費税端数処理からくる売掛残と請求残の差、買掛残と支払残の差だ。
全ての得意先、仕入先が月末締めならこの差は発生しないだが。
(この件をR社などに相談すると、「こんなこと言ってるのは」私だけだというのだが、決算が終わってもやっぱり差が出てしまい、解決策がない。)

適格請求書保存方式では消費税の端数処理は「消費税額等(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)」となっている。
決済伝票、税率ごとに1回の端数処理。決済伝票は現金売上の時は売上伝票、締め後入金の場合は締め処理を行った請求書になる。
税務署への適格請求書保存方式の申請は「売上伝票」「請求書」両方することになる。

売上について10%消費税額は
  税込み売上金額÷1.1×0.1
になるのだが、消費税計算が締め時一括だと、月末締めなら各月の税込み請求金額の合計を割ったり掛けたりすればよいのだが、20日締めの得意先だと、21日から月末までの消費税計算をしていないので、21~月末までの税込み売上金額が存在しない。因みに弊社は3月31日締め決算なので、20日締めの場合3月21日~31日まで、前年期首4月1日~20日までの税込み売上金額が存在しないことになる。

じゃあどうやって、年度中の税込み売上金額を計算するかというと、
  税抜き売上金額の合計×1.1
としている。実際には月ごとにこの処理を行って端数処理している。決算時には各月ごとの合計が年度の税込み売上金額になる。年12回端数処理をする。
全体としてはこういった処理をしているのだが、得意先ごとに見た時どうなってるかというと、例えば月末に締めて、適格請求書の条件通り、締め時に税率ごとに端数処理する。
その月の合計税抜き金額に税率を掛け端数処理した売掛金と、得意先個別に税抜き金額に税率を掛けて端数処理した税込み売上金額の合計は端数処理分の差が出てしまう。結局、売掛残と請求残に差が出てしまう。

どのくらい差が出るかというと概算
  端数処理の回数×0.5
くらいだろう。
例えば300社あれば
  300社×12ケ月×0.5=1800円/年
仕入についても同様で、
  100社×12ケ月×0.5=600円/年
このくらいの差は出ていると思う。

適格請求書以前のように明細ごとに消費税計算をして端数処理していれば20日締めだろうと明細ごとに消費税額が存在しているので、こういった問題は発生しない。

この差は大きいものではないので、納税額に影響があるものではないのだが、これまで1円たりとも誤差がなかった売掛残と請求残に解決しようのない誤差が出てしまうのはどうも納得がいかない。この差は通信費の処理ミス程度の差で、実際消費税端数処理の差か何等か他の処理ミスなのか判別できない。しかもこの差は累積していく。

決算時、請求残に合わせて売掛残に修正を入れればよいのだろうが、どちらにしても4月1日~20日、3月21日~31日については架空の消費税計算をしなければならないので、どうも気が進まない。
税理士からも特に提案もなく、税務署で指針を示してくれれば良いのだが、納税額への影響も大して無いので自分で判断して処理しなければならないのだろう。
この差って、販売管理プログラム作成時に一番気にしていた部分で正解のない処理をしなければならないのはどうにも苦痛だ。
コメント
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