最近、紅楼夢を読んでいます。
三国志演義、水滸伝ばかり読んできましたが、少し飽きてきたこともあって紅楼夢を読むことにしました。
中国、四大奇書と言えば、三国志演義、水滸伝、西遊記、金瓶梅です。西遊記はごく最近、毎日新聞で平岩弓枝の連載があり読んでいましたが、妖怪とはいえ悟空がいとも簡単に殺してしまうのはどうもいただけないと思いました。金瓶梅は少女漫画でさわりだけを読みましたが、エロっぽすぎてもう一つ、乗り気がしません。あと有名なところでは紅楼夢ということになります。なんせ長編なので、いきなり、原作を読むのはためらってしまい、やはり最初は漫画(画本)から入りました。あらかた、筋がわかったところで、面白そうなので原作を読み始めました。
画本は「中央公論社 画本 紅楼夢 松枝茂夫訳」です。
手に入りやすい原作の訳本としては松枝茂夫訳のものと伊藤漱平訳のものがあります。ちなみに私は
岩波文庫 紅楼夢 松枝茂夫訳 全12巻
平凡社 中国古典文学大系 紅楼夢 伊藤漱平訳 上中下3巻
を持っています。
最初、古本屋で買った文庫(松枝茂夫訳)で3巻まで読んで、続きを中国古典文学大系のハードカバーで読もうとしましたが、伊藤漱平訳だと不思議と面白くないので、岩波文庫の新本を購入して8巻まで読んだところです。曹雪芹作としては8巻までです。
最近エロゲーで紅楼夢のヒロイン、林黛玉の名前を使用したものが発売され問題になりましたが、ゲームで読者を大変に増やした三国志演義と比べると日本では紅楼夢はあまりメジャーとは言えません。
三国志演義、水滸伝は確かに相当面白いですが、武将の家庭生活にはほとんどふれていません。紅楼夢はその家庭生活の部分を扱ったものです。特に水滸伝では女性はもの同然として描かれています。もしくは悪女です。紅楼夢ではその女性が主役です。金陵十二釵という12人の多才な少女、女性が登場します。だいたい中学生くらいの年齢の子が多いです。それらの女性に加えて奴隷身分の女中(これもまた美人ぞろいなのですが)に囲まれた、同じく中学生位の美少年(賈宝玉)が主役です。
ほとんど閉鎖された宏大な住居に美人姉妹と美人メイドに囲まれて気ままな生活を送っている十代の少年の日々。もちろん話はそれだけでなく、代々科挙に合格し役人家業を生業とした貴族の家庭生活でのいざこざ、不祥事が描かれています。
紅楼夢の作者、曹雪芹の家は元々、清、康煕帝の時代には隆々とした貴族で、雍正帝の時代になって家産没収の憂き目にあっており、紅楼夢はその困窮時代に書かれたものです。紅楼夢のさまざまなエピソードはある程度似たようなことがあったと考えられ、絵空事とは思われません。ほぼドキュメントと思って読んでいます。
最初に「ヘー」と思ったのは、中国の奴隷についての認識違いです。主人に生殺与奪権があり、なんら自由のない奴隷、そんな風に思っていまいしたが、家事手伝いをしている奴隷身分の女性たちはもっともっと気ままでしたたかで、主人も彼女たちの評判を大いに気にします。奴隷というより年季奉公で最初にお金をもらって、長期にわたってその家に仕えるという感じです。食事、衣類、化粧品も支給されますし、現金も出ます。貴族の家だけに食事は一般人とは違い高級ですし、住居にしても大変立派なところで清潔な生活が送れます。
彼女達にしてみれば、こんないいところを追い出されてしまうと、大変です。主人はかなり好色ですが、一応、官僚であれば外面的には君子でなければならないので、女中に法外なことはできません。一夫多妻が認められていて、ほしいと思えばチャントした第二、第三夫人としての地位を与えなかればなりません。一度、主人から目を付けられると、なかなか断るのは難しいですが、どうしてもイヤなら出家してしまうという道もあります。
主人にしてみれば、管理するだけで、直接家事を行いたくないので、女中達が不正をしないよう、気を利かせてやってくれるよう期待します。有能な女中もいれば、信頼の置けない人もいます。器量が良くて、よく気の利く良い子が女中頭になります。しかも、容姿端麗なのでお手つき女中になります。
賈家(主人公の家)では慣例として正式に結婚するまでに2人までの女中をお手つき(側室)とすることができることになっており、主人公賈宝玉にも襲人という美人女中がお手つき女中になっています。そこからお部屋様になれれば申し分ないのですが、結局、襲人は他家へ嫁ぐことになります。賈家から嫁に出してやることになるのです。この襲人は奴隷身分です。
他にも色々、面白い生活習慣、風習があって、三国志演義、水滸伝とは違った面白さがあります。
しかし、画本では賈宝玉は弁髪になっていないのですが、清朝なら弁髪だったはずで、登場人物の男性全員が弁髪なら、雰囲気が随分変わってきます。
三国志演義、水滸伝ばかり読んできましたが、少し飽きてきたこともあって紅楼夢を読むことにしました。
中国、四大奇書と言えば、三国志演義、水滸伝、西遊記、金瓶梅です。西遊記はごく最近、毎日新聞で平岩弓枝の連載があり読んでいましたが、妖怪とはいえ悟空がいとも簡単に殺してしまうのはどうもいただけないと思いました。金瓶梅は少女漫画でさわりだけを読みましたが、エロっぽすぎてもう一つ、乗り気がしません。あと有名なところでは紅楼夢ということになります。なんせ長編なので、いきなり、原作を読むのはためらってしまい、やはり最初は漫画(画本)から入りました。あらかた、筋がわかったところで、面白そうなので原作を読み始めました。
画本は「中央公論社 画本 紅楼夢 松枝茂夫訳」です。
手に入りやすい原作の訳本としては松枝茂夫訳のものと伊藤漱平訳のものがあります。ちなみに私は
岩波文庫 紅楼夢 松枝茂夫訳 全12巻
平凡社 中国古典文学大系 紅楼夢 伊藤漱平訳 上中下3巻
を持っています。
最初、古本屋で買った文庫(松枝茂夫訳)で3巻まで読んで、続きを中国古典文学大系のハードカバーで読もうとしましたが、伊藤漱平訳だと不思議と面白くないので、岩波文庫の新本を購入して8巻まで読んだところです。曹雪芹作としては8巻までです。
最近エロゲーで紅楼夢のヒロイン、林黛玉の名前を使用したものが発売され問題になりましたが、ゲームで読者を大変に増やした三国志演義と比べると日本では紅楼夢はあまりメジャーとは言えません。
三国志演義、水滸伝は確かに相当面白いですが、武将の家庭生活にはほとんどふれていません。紅楼夢はその家庭生活の部分を扱ったものです。特に水滸伝では女性はもの同然として描かれています。もしくは悪女です。紅楼夢ではその女性が主役です。金陵十二釵という12人の多才な少女、女性が登場します。だいたい中学生くらいの年齢の子が多いです。それらの女性に加えて奴隷身分の女中(これもまた美人ぞろいなのですが)に囲まれた、同じく中学生位の美少年(賈宝玉)が主役です。
ほとんど閉鎖された宏大な住居に美人姉妹と美人メイドに囲まれて気ままな生活を送っている十代の少年の日々。もちろん話はそれだけでなく、代々科挙に合格し役人家業を生業とした貴族の家庭生活でのいざこざ、不祥事が描かれています。
紅楼夢の作者、曹雪芹の家は元々、清、康煕帝の時代には隆々とした貴族で、雍正帝の時代になって家産没収の憂き目にあっており、紅楼夢はその困窮時代に書かれたものです。紅楼夢のさまざまなエピソードはある程度似たようなことがあったと考えられ、絵空事とは思われません。ほぼドキュメントと思って読んでいます。
最初に「ヘー」と思ったのは、中国の奴隷についての認識違いです。主人に生殺与奪権があり、なんら自由のない奴隷、そんな風に思っていまいしたが、家事手伝いをしている奴隷身分の女性たちはもっともっと気ままでしたたかで、主人も彼女たちの評判を大いに気にします。奴隷というより年季奉公で最初にお金をもらって、長期にわたってその家に仕えるという感じです。食事、衣類、化粧品も支給されますし、現金も出ます。貴族の家だけに食事は一般人とは違い高級ですし、住居にしても大変立派なところで清潔な生活が送れます。
彼女達にしてみれば、こんないいところを追い出されてしまうと、大変です。主人はかなり好色ですが、一応、官僚であれば外面的には君子でなければならないので、女中に法外なことはできません。一夫多妻が認められていて、ほしいと思えばチャントした第二、第三夫人としての地位を与えなかればなりません。一度、主人から目を付けられると、なかなか断るのは難しいですが、どうしてもイヤなら出家してしまうという道もあります。
主人にしてみれば、管理するだけで、直接家事を行いたくないので、女中達が不正をしないよう、気を利かせてやってくれるよう期待します。有能な女中もいれば、信頼の置けない人もいます。器量が良くて、よく気の利く良い子が女中頭になります。しかも、容姿端麗なのでお手つき女中になります。
賈家(主人公の家)では慣例として正式に結婚するまでに2人までの女中をお手つき(側室)とすることができることになっており、主人公賈宝玉にも襲人という美人女中がお手つき女中になっています。そこからお部屋様になれれば申し分ないのですが、結局、襲人は他家へ嫁ぐことになります。賈家から嫁に出してやることになるのです。この襲人は奴隷身分です。
他にも色々、面白い生活習慣、風習があって、三国志演義、水滸伝とは違った面白さがあります。
しかし、画本では賈宝玉は弁髪になっていないのですが、清朝なら弁髪だったはずで、登場人物の男性全員が弁髪なら、雰囲気が随分変わってきます。