lie to me 3

映画(海外メイン)・洋楽(HR/HM)など日々徒然のハマっているものごとの覚え書き

フォックスキャッチャー FOXCATCHER @新宿ピカデリー 03/04/15

2015-03-11 10:49:24 | 映画・ドラマ
1996年の米国のレスリング<オリンピック金メダリスト>デイヴ・シュルツ殺害事件を題材にした伝記映画。

公式はコチラ。



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<Movie Walkeより>
96年に起きたデュポン財団御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を題材にし、第67回カンヌ国際映画祭で監督賞に輝いた人間ドラマ。
富や名声、孤独といった心の暗部でつながれた富豪と金メダリストの病的な心理を描き出す。
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レスリングを前面に出しつつ、金メダルを持つシュルツ兄弟と大富豪デュポン一族の御曹司の深く入り組んだ関係性があまりにも濃密で、とても不幸な結末になるのだけど「ああ、やっぱり…」と納得させられる、深い映画でした。
とても良い映画です。
明るくも楽しくもなく、カタルシスも爽快感もないのだけど、小さな積み重ねが人の心をずらしていってしまう、そんな日常のうまくいかなさ、をすごく上手に現している、そんなかんじ。

レスリング、という競技自体がアメリカでそれほどの人気ではなく、オリンピック金メダリストなのにパッとしない生活を送るマーク・シュルツ(弟)。生い立ちも不幸でおにいちゃんっ子でレスリングだけが生き甲斐のような男。
兄デイヴ・シュルツもレスリング選手で金メダリスト。
デイブは社交的で結婚もしていて可愛い子供も2人、レスリングも力だけでなく頭も使えるのでセコンドやコーチもできる。
そこにジョン・デュポンーあのデュポン財閥(私でも知ってる、いわゆる「死の商人」ですね)の御曹司が関わってくるのですが、この人がもう典型的なお金持ちのかわいそうな坊ちゃんのまま歳をとったような人で…。

そんなジョンがマークにコンタクトをとって「フォックスキャッチャー」という名前の、彼の敷地内に作ったトレーニング施設でありチームにマークを誘うところから物語は転がっていきます。
最初、さぐりあいつつもいわゆる蜜月状態、のジョンとマークがねえ、なんか切なくも可愛かった。
ジョンが「今まで友達がいたことがなかった。子供の時親友だと思っていた子に、自分の母がお金を渡しているのを見てしまったんだ」とマークに打ち明けるところなんて、この時はこの二人は確実に友達だったと思うの。
まあ、でもその延長(かどうかしらんが)コカインをマークにやらせるあたりが、時代なのかなんなのか、これだから上流階級はーと思いましたが。
その後、マークだけでは勝てないとジョンがデイブを勧誘してフォックスキャッチャーに呼び寄せるところから、物語はさらに暗鬱としていくわけです。

映画を観た後は、最初に書いたようにカタルシスも爽快感もないのだけど、何故こうなってしまったのか…人と人との関わり方とかいろいろ、一緒に観た人と語り合いたくなる映画でした。
(私は友達と観に行ったので…一人で観ていたら、このブログの文字量は3倍くらいになったと思う)
親に愛されないことや承認欲求の話とか、出来すぎる人のそばにいることがどういう事かっていう話とか、身近な話に結びつくエピソードが意外に多い映画なんだと思います。
そもそも『実際にあった事件』を基にしてるんだもんね…一番フィクションにしたい部分だけど。



原 題 Foxcatcher
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配 給 ロングライド
上映時間 135分
映倫区分 PG12
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