もっと早く気がついていれば・・・・(60代男性)
リエゾンの事例研究では、家庭内で起きた実際のDVをモデルにしたプリントを読み、その時の夫の気持ち、妻の気持ち、こども達がどの様に感じたか、どうすれば防げたか等を参加者が話し合います。
事例には、家計を夫が握ってしまう金銭的DV、家事育児を妻だけに押し付けるものなど、力による暴力以外のものがほとんどです。
夫が帰宅した時に、家の中が散らかっていて、夕飯の準備も出来ていない状態から、妻のことを「主婦失格」と決めつけ、「家事なんて簡単でしょ。」と言い放つ。そこには力の暴力は無いですが明らかにDVです。
その様な、一見すると深刻には思えないことの積み重ねでパートナーに去られた参加者が沢山います。
彼らのパートナーはそれらのことに、何度も苦情で言っていましたが夫達に届きませんでした。
パートナーに去られて、始めて問題の深刻さに気がつきますが、その時にはパートナーの気持ちは元の状態には戻ることが難しくなっています。
そのような状態はパートナーにとっても辛いものだと思います。こどもは父親を失い、経済的にも厳しくなるからです。
エンカウンターでパートナーに去られる前に夫達が問題に気が付くチャンスは無いのかと話題になりましたが、全く答えが出ませんでした。
「妻がもっと強く訴えてくれたら。」と意見が出ましたが、それで訴えを聞いたかと言えば「ノー」でした。
「妻が仮別居してくれたら・・・」との意見もありましたが、妻が別居をするハードルは高く、ハードルを越えた妻は戻ることを考えていないでしょう。
結局、「もっと早く気がついていれば・・・・」と悔やむ意見しか出てきませんでした。
リエゾンに来て、DV加害者から更生した仲間の嘆きは、「もっと早く気がついていれば・・・・」に尽きるのです。
もし、妻に言われてこのブログを読んでいる方がいましたら、今が最後のチャンスだと気が付いてください。
もうこれ以上、寂しい思いをする仲間を増やしたくないのです。
妻が訴えているうちに気が付いてもらいたいと思っています。
リエゾンからのコメント
本当に。なぜギリギリになるまで放置してしまうのでしょうか。
何度、涙する男性を見てきたことでしょう。
後悔先に立たず。
でも後悔し、奮起した男性は強くなります。
この状況から家族とは何か、自分は何を望んでいるのか、真剣に考えていきます。
だから、無駄ではないのです。ここからが真剣勝負。家族を取り戻せるか、必死さが問われています。
あきらめてしまったら楽になると何度も考えたでしょう。でもあきらめたら楽になれる替わりに「孤独」もやってきます。
どっちがまだ耐えられるのか、で決めないで、自分の本当の気持ちに素直になる事が今求められているのです。