DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

妻からの投稿4

2015-11-21 22:36:33 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 妻からの投稿4(30代女性Mさん)

今思えば第1子を妊娠した頃より、夫の態度は変わっていきました。
些細なことで怒り、人格を否定するような暴言、ときには暴力までも…

私はいつしか夫の顔色ばかりうかがうようになり、自分の気持ちを伝えるすべさえ失い、中身のない空っぽの人間でした。
当初は泣いてばかりいましたが、無感情でいることのほうが楽になり、涙すら出なくなっていました。

義理両親、実親も巻き込み、私の闘いは続きました。
「離婚」はいつも頭の中にちらついていました。それが楽になれる道と思っていました。でもなかなか踏ん切りがつかず、月日が経ち、子供たちが物心がわかる年齢になったときに、やはりこのままではいけない、自分の未来、子供たちの将来について逃げるのはやめようと決めました。
もちろん周囲は離婚を勧めました。しかし、私は最後の最後まで自分で必死にもがいて、それでもダメなら離婚しようと思い、最終手段としてリエゾン調布という場を選びました。
最初はスムーズに行きませんでした。自分の状態を認めない夫が進んでカウンセリングに行く訳がありません。スタートラインにやっと来たのに、スタートできないもどかしさ。「DVは一生治らないよ」という周囲の意見が重くのしかかり、何度となく諦めようと思ったか…。

中島さんが「あなたがもっと強くなって、賢くならなきゃだめ」とおっしゃったとき、今までの自分の対応の不甲斐なさ、夫をこんな状態にさせてしまったのは自分だったと認識しました。
交流分析の勉強や面談を通して、私は少しずつ変わりました。
些細なケンカを機に、数ヶ月の別居を経て、夫はまじめにカウンセリングに通うようになりました。
そこから、夫にも変化が見られました。
お互いに生活していく上で、意見の食い違いはあります。ちょっとしたケンカもあります。
でも、以前のような力で相手をねじ伏せる、罵声を浴びせて相手を萎縮させることはしなくなりました。
当たり前のことかもしれませんが、私たち夫婦には欠けていました。
勝ち負けが決まるまで言い争い、お互いに傷つけあい、人格を否定し、とことんお互いをやりこめ、疲弊する。
こんなことの繰り返しで、お互いへの思いやりがなくなっていました。
お互いの意見を尊重しつつ、何がよい方法なのかを、歩み寄り2人で答えを導き出せるようになりました。

私たちが、こちらで勉強を始めて1年が経ちます。
今は良好な夫婦関係を築いているところです。最近、夫は子供にプラスのストロークを与えるのが上手になりました。
育児と仕事に追われ、ついイライラしてしまう私をサポートしてくれ、子供にも良い影響が出ています。
夫婦だけでなく家族、親子関係も良好になりました。

これから先、いろいろなことが起こるかもしれませんが、夫と共に乗り越えていけそうです。



リエゾンからのコメント

彼女がリエゾンに一縷の望みを持って連絡してきたのは昨年の9月でした。
夫婦で学びたいという理由でした。
でも、DVがあるともないともわからず、交流分析の学びが始まりました。1か月に1回のペースです。
彼の聴いてくれるなオーラがすごくて、ただ、勉強に来ただけだと彼からにじみ出ていました。
「関係は大丈夫ですか?」と聞いても、「問題ありません。」との返事になんか近づくことができない壁を感じました。彼を引っ張って連れて来る度に疲弊してくるMさんに
「もう彼を連れてこなくていいよ。あなただけ学べばいいから。」と言いました。

交流分析は学んだもん勝ちです。そうこうしているうちに喧嘩、別居となりました。Mさんは実家に戻りました。そこからの彼は悲惨でした。あの聞いてくれるなオーラはどこへやら、食べれず、眠れず、痩せていくのがわかりました。12月に別居が始まり、彼は本気になりました。人間が必死になる姿に今までの彼ではない、真剣さを感じました。1か月後、同居に戻りました。

それから10か月、彼も、Mさんも変わりました。彼は簡単に切れなくなりました。
Mさんは強くなりました。言いたいことを顔色を見ないで言えるようになりました。
今二人は、交流分析の目指す親交親密の関係性にいます。

二人を変えたものはなんだったのでしょうか?
それは二人のあきらめないという強い気持ちです。
あきらめないこと、それは可能性につながります。Mさんが疲弊しながら、彼を連れてきていたころ
それはそれは気の毒でした。それでも必死で何とかこの状態を変えたいと、疲れた顔をしていても真の強さを感じました。Mさんの目の真剣さを思い出します。本当に二人はよく頑張ったなぁと思います。

彼はグループでファシリテーターを始めました。Mさんは親教育プログラムSTEPを始めます。
二人はもう後戻りをすることはないでしょう。





コメント
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