DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

妻の望み

2018-11-25 23:03:10 | 【DV加害者更生教育プログラム】


題:妻の望み(50代男性参加者)

今回の3連休は、寮に入っている子どもが帰省してきたが、妻は仕事で他の子どもはアルバイトがあり日中は不在の予定でした。
連休の初日は、妻も子供も夕方には仕事が終わることから、妻の提案で紅葉のライトアップを見に行くことになりました。
紅葉の始まった庭園は美しく、寒い中多くの人が来ていました。

妻は家族に囲まれ上機嫌でした。
家族と別居していた時には想像できなかった状態で私も嬉しかったのですが、今一番満足しているのは妻だと気がつきました。

私に、「離婚したくなければDV加害者プログラムに行け!」と言い、リエゾンや他のDV加害者プログラムを提案してきたのは妻でした。

妻は今日の様な家族関係を手に入れるため、辛抱強く対応してきたのだと気がつきました。

庭園を出たところで妻が一言。

「今日は遅くなったので、とーちゃんの奢りで外食だって(^.^)/」

私は「・・・・。」でしたが、別居が続いていたらこの様なことは望めないので、「まあ良いか。」と思いました。

庭園から帰る途中で車の中から花火大会の花火が見えたので、見晴らしの良い場所に移動して花火見物を終えてから夕食に向かいました。
今日の妻は常に上機嫌でした。




リエゾンからのコメント

誰だって子どもにとって本当の父親が良いに決まっています。この家族で仲良く穏やかに笑いあえる関係を持てるようになること、でもそれは遠く叶わない夢だと感じてしまうので、離れる決意をしていくのです。

妻の事を発達障害だ、情緒不安定だ、と決めつけ、ずっと責めているなら、妻は離れる以外選択肢はありません。

夫婦修復プログラムや、DV更生プログラムに参加して頑張ろうと思えるなら、
まだ可能性は残されています。

諦めない妻たちはあなたのやる気を待っているのです。

本気になりましょう。

妻がリエゾンに来ているなら尚更です。

あとはあなた次第なのです。




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諦めるまえに

2018-11-22 23:10:53 | 【DV加害者更生教育プログラム】


諦める前に(男性参加者)

妻に連れられリエゾンに参加した仲間が沢山います。
リエゾンに来ても夫が改善せず離別になることもあります。
しかし、夫が自分の問題に気が付き真剣に勉強した結果、無事に卒業していった仲間も沢山います。
最初は「なんで俺がDV更生プログラムに・・・」と拒絶の態度を示していたのに、妻の助けを借りて卒業していきました。
たまに卒業した方の夫婦喧嘩の情報が入り、「卒業しても時々は戻っておいで。」と思っていても、夫婦二人で問題を解決してしまい戻ってきませんでした。
自分の問題に気付けず離別になった仲間の妻は、リエゾンで学んで自立していきました。
離別は残念な結果ですが、妻は自律するだけの力を付けたのです。
2015年6月の「いち女性からの投稿」を参照して下さい。

夫を諦め離別する前にリエゾンに来てみませんか?
お子様が居るなら尚更です。
諦める前にチャレンジしてみてください。




リエゾンからのコメント


夫が改善しないケースを考えてみると、おおよその傾向が見えてきます。

それはラケット感情を手放せない人達なんですね。(ラケット感情とは偽物の感情です)

自分はなぜ今ここで学んでいるのか、目標がぶれるのです。

それはいろいろなぶれ方(言い訳)があります。

妻が戻るからいいかな。

妻が許してくれそうだから、いいかな。

親もお前ばかりが悪いわけないだろう、って言ってるし。

自分ばかりが努力するのも何だか納得いかない。

仕切り直して、新しいパートナーとやっていく方が楽なんじゃないか。

たまに子どもに会えてるし、そこそこ一人暮らしも楽だよな。

一緒に暮らしてもきっとうまくいくとは思えない。などなど。


本当は妻を取り戻して、子どもと皆、家族仲良くしたいという思いがあったのに
慣れてきたリ、プライドが顔を持ちあげてきたりと、ラケット感情という偽物の感情に、
慣れ親しんだ感情に支配されて、自分の本当の気持ちを忘れていくのです。

あなたは何を望んでいるのでしたか?

家族を取り戻すのに、プライドは必要でしょうか。

本気で取り組んで欲しいと願っています。

妻の皆さん、本気で取り組んだ夫たちは本当に違います。諦める前に、自分だけでも学んでみませんか。


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グループエンカウンター

2018-11-18 03:31:21 | 【DV加害者更生教育プログラム】


グループエンカウンター(男性参加者)

リエゾンの通常授業はプリントを使った事例研究とグループエンカウンターを出席者全員で行います。

最近新たにリエゾンにこられた方は、個人面談を希望し、通常授業を敬遠する傾向があると中島さんから伺いました。

DV加害者プログラムだから、「どんなヤクザな親父が集まっているのか。」と思って参加を敬遠しているのではと想像しています。
でも、そのようなことはありません。普通の人の集まりです。

エンカウンターでは、家族との関係に悩む方の話を聴き共感したり、親身なアドバイスを送ったりしています。
私も家族と別居していた時は、エンカウンターで正直な気持を話し、共感してもらいながら辛い時期を乗り越えてきました。

自分と家族の間に起こった出来事も、他の方のところでも同じように起こっています。
他の出席者の話として聴くと、自分の状況が客観的に分かるので、その時に自分がどのようにすれば良かったのか。改善策はどのようなものだったのかが見えてきます。

今リエゾンの個人面談に通われている方。
個人面談だけでなく、試しに通常授業にも参加してみませんか?



リエゾンからのコメント

グループは何のためにあるのでしょうか。

DV加害者プログラムのグループを運営されている方はそれぞれの考え方がある事と思われます。

グループは集団心理療法でもあります。

よって、グループに出ている方は否応なしに他者の心理状態の影響を受けていきます。

リエゾンで行っているグループは構成的グループエンカウンターです。

男性たちは本音で語ることが上手く出来ません。自身の立場や、プライドがあり、周りに警戒し、素の自分はなかなか見せられないのです。

その上、共感力が非常に低いという特徴も加わります。妻がただ聴いて欲しかっただけのことに答えをアドバイスしたり、やり方が悪いと批判したりしてしまうことも度々起きてしまいます。

エンカウンターでは、そこを練習します。自分の気持ちを嘘偽りなく妻に伝える練習と、妻の気持ちを共感を持って聴く練習です。

どちらも男性には苦手な分野であります。ニックネーム参加でお互いの本名を知りません。

何度もグループは自己開示(本音)と共感力アップだと説明していても、参加者の中には、
「僕の家はこんなに重たい話にはならないから、参加していても意味がないのじゃないか」
と言う方もいますが、妻の気持ちを聴いてこなかった方が良く言うセリフなんですね。

妻が、子どもを育てるしんどさを話しても聞いていません。周りとの友人関係で揉めた話を話しても聞いていません。親との関係に悩んでいても聞いていません。赤ちゃんがすぐできなくて不妊治療をしている時のつらさを聞いていません。子ども同士のもめ事に心を痛めて話しているのに聞いていません。そして男性たちはこう言うのです。

「そんな面倒くさいこと、そっちサイドで何とかしろよ。俺は働いているだけで精一杯なんだよ。」と。

だからグループの話が重たい重たい話になってしまうのです。とっくに妻たちは重たい話をしていたのにもかかわらずです。

グループに真剣に参加しましょう。本当に妻との対等で尊重しあえる関係性を持ちたいと願っているのなら、グループは必須です。

グループを避けているのは、自分が変わることに消極的なのだと私は感じています。




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喧嘩なんて起きないよ

2018-11-06 02:14:38 | 【DV加害者更生教育プログラム】


エンカウンターグループで出た話で、感じたことを書きます。

新メンバーに古参のメンバーが言いました。

「喧嘩ばかりしていた俺が言うのもなんだけど、本来夫婦喧嘩なんて起きないものなんだよ。」

そうなんです。本来喧嘩なんて起きません。

なぜなら、喧嘩の元がラケット感情と禁止令決断だからです。

ラケット感情は先の記事でも説明しましたが、相手を振り向かせるための感情です。

女の子は怒っていると「はしたない」と言われ、泣いていると「どうしたの?」と言われる経験から、怒りを感じても涙が出るというラケット感情になってしまいます。

逆に男の子は泣いていると「女々しい」と言われ、怒っていると「男らしい」と言われる体験から悲しい時に怒りを表現するという、つまりラケット感情が身についてしまいます。

ラケット感情は消化しにくい感情と言われ、ずっと泣いていられる、ずっと怒っていられる、ということが起きるのです。

本当は怒っているのに、泣いてしまって、ずっと泣いている状態が続くのです。
本当は泣きたいのに、怒ってしまって、ずっと怒っている状態が続くのです。

どう考えてもそれだけで厄介な状況が予想できます。


もう一つは、禁止令決断です。

子どもは親を選べませんから、そこで生き延びるために親の意向に沿おうとします。

それが禁止令決断になります。禁止令には25つあります。

その一つに「重要であるな」という禁止令決断があります。

親との関係性から自分の存在は取るに足らない存在だと感じ、私は重要でないのだと思ったら、それは決断となり、大人になってもその決断が大人の自分に反映されるのです。

どのような反映かと言うと、「重要であるな」の場合、それは「失敗の脚本を持つ」と言うことです。それはそうですよね。自分のことを自分で「重要ではない」と思ってしまったのなら、自分で自分を失敗させることが起きるのです。

大事な日に寝坊する、テストで真っ白になる、約束を忘れる、探し物が見つからない、などことごとく、失敗を重ねていきます。この禁止令は簡単に解除できるものではなく一生自分に付いて回ります。メンバーの男性が良く言う言葉に「妻は発達障害なのではないか。物をどこに置いたか忘れる、無くす、見つからない、またか、と思ってイライラします。」と。

これは妻には「重要であるな」が、夫には「完全であれ」が決断されている可能性があります。

 このように、小さい頃の自分が親との関係から、間違った決断をもししていたら、かなり厄介な状況になることが予想されるのです。

夫婦双方に、様々なアプローチをすることによって、喧嘩が起こらない、普段から穏やかでお互いに顔色を見ないで済む関係性を手に入れることができるのです。

お互いが顔色を見ない、ビクビクしない関係性をぜひ持ってほしいと願っています。


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偽りのないコミュニケーションのために出来る事

2018-11-04 07:31:27 | 交流分析


 交流分析は円滑なコミュニケーションを行うための一つのツールとして
発展してきました。

とかく日本人は、人がどう思うか、どう思われるか、が重要なので自分の意見や気持ちよりも他者に合わせる事をしがちになります。

そこにラケット感情と言うものが出てきます。

ラケット感情とは、あのテニスや卓球のラケットではありません。

ラケットはゆすり、たかりという意味になります。

交流分析では、他者を納得させるため、振り向かせるために使われる感情をラケット感情と言います。

本当は自分の気持ちや考えがあるにも関わらず、相手を振り向かせるための感情の方を優先してしまうのです。

このことがお互いの関係性を複雑で素直ではないものにしていきます。

もしあなたが「本当は嫌だなと感じているけれど、相手はそれを言ったらきっとイヤな顔をするだろうな」と感じて自分の気持ちを押し込めていることが多かったら、そこには知らず知らずのうちにストレスや我慢を抑圧し、蓄積していることが起きるでしょう。

そこから関係性が微妙にずれていきます。

本当の気持ちを伝えあわず、「なぜわかってくれないのだろう」とか、「察してくれない」とか、思うようになっていきます。

本当はどう思っているのかを伝えていかないと相手にはわかってもらえません。

でもその伝え方が分からなくなっています。

それをすっきりわかりやすくしたものが交流分析なのです。

「交流分析」は固い言葉に聞こえますが、自分を知り、相手の事もわかる学問なのです。
お互いにラケット感情ではない、本物の感情(本音)を伝えあうコミュニケーション力を高めていくことが、双方の関係性、そのコミュニティ全体の関係性を良くしていけるのです。

私は小学校に赴きCAPの授業において保護者や先生の皆さんに交流分析を
つまりコミュニケーション力の大切さを長年伝えてきました。
保護者の皆さんの反応は大変良く、勉強になった、もっと子供が小さいうちに交流分析を学びたかった、というものが多いです。学校の授業にあったら良いのにとも言われます。

リエゾンでは偽りのないコミュニケーションができる社会を作る為に「交流分析」を今後も広く皆さんに伝えていこうと思っています。

(CAPとは子どもへの暴力防止プログラムを言います。)

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