DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

いち女性からの投稿

2015-06-19 22:20:17 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 (30代女性Dさん)

 私がはじめてリエゾンさんに電話でお話をしたのは、元旦那のことでした。元々、すぐに怒ったりして悩んでいたのですが、子供が産まれてから、育児のことで精一杯の中でもなるべく完璧にできるように家事や育児をする私に対して、重箱のすみをつっつくように、ここができていない、こんな事するんじゃないなど、散々言われ精神的にまいってしまいました。怒鳴られることも増えて最後はまともに旦那と会話をすることができなくなっていました。

そんな旦那も優しい言葉をかけてくれたりすると、なんとかやっていけるのではないかと踏みとどまったりもしました。しかし、リエゾンにモラルハラスメントの特徴や交流分析を教えてもらったり、リエゾンにいろいろ説得してもらっても本音のところではまったく変わろうとしない旦那をみて、離婚しました。

リエゾンにお会いして勉強してなかったら、今でもずるずると旦那に苛められながら生活していたかもしれません。息子もそれをみて育つので当然モラハラ男に成長するでしょう。本当に恐ろしいことです。
本当に離婚できてよかったと今では心のそこから思えます。

その後はリエゾンから子育てのステップという勉強を教えてもらいました。子育てをする歳に気を付ける子供への接し方などです。とても勉強になって3歳の息子に接する時に本当にそれがベースになっていて、息子の自尊心を尊重する子育てができていると思っています。

そんな中でも、自分自身日々の生活の中でなんだかとても生きにくい感覚があり、すぐに心が折れてしまったり、人生が辛くなってしまうことが多々あったのです。そんな事をリエゾンに相談したら、「再決断をする必要がありそうね」と言っていただきました。

そして再決断をしてもらうことになったのです。私は中学校の時に不登校になっています。三年生の時にいじめで不登校になり一年ほぼ引きこもりのような生活をしていました。その時の傷がいつまでも消えなかったのです。それを何回か再決断してもらい、セルフイメージを今の自分にしてもらうことができました。

再決断中は結構キツイです。辛かったときの自分に戻り辛かった時のことを思いだし吐き出しそして最後は今の自分に取り込むのです。再決断中は信じられないぐらい涙が出て本当に怒りがこみあげ、辛いものです。でも、それが終わるととてもスッキリして、自分の中にあるモヤモヤしたものがきれいに無くなっているのです。
しかし、中学校の時の傷を癒さしてもらってもなぜか、心が完璧にははれないのです。他人に対する恐怖や漠然とした不安感などが心の中で大きくなるようになってしまいました。

そこで、リエゾンにその事を相談したら、何回か話にでていた母親の話になりました。母は私が婚カツをしている時もいい顔をしませんでしたし、結婚式でも一切笑いませんでした。母と話せばバカにされ、あんたはなにもできないというメッセージが日常の中である人です。それが原因なのではないかと、。

私はそれにまったく気がつかずに生活していました。私は実際なにをしてもダメな人間だと思っていたからです。でもリエゾンの話で離れるなの禁止令があると成功体験を感じられなくなると言われてショックでした。

リエゾンに今までの人生を話したら私はいろいろなことに成功し、自分の力で動ける力があることに気がついたのです。それがわかった次の日から人生ががらりと変わりました。自分に力があるという気持ちが心の底から沸き上がるようになったのです。こんな気持ちは今までありませんでした。どんなことがあっても私は平気なのだという気持ちが強くなりました。仕事もしやすくなりました。本当に感謝しかないです。

今はこれから息子と二人暮らしをしたいという気持ちが出ています。怖くて二人暮らしなんて無理と思っていますが、それも母からの言葉がけによるものだと思います。自分の人生を自分の考え、自分の責任でこれからは歩けると思います。



 リエゾンからのコメント

別居をしている状態でリエゾンに相談がありました。
普通、別居をしてからの修復はあまり望めません。同居中のご夫婦が修復されていくのは、夫が変わっていく姿を見られるからです。(もちろんすぐには変わりませんが。)
注意しないといけないのは、別居中の妻を引き戻すために変わる気もないのに通ってくる場合です。
通っているという事実だけで変わっていないのに、帰ってくるだろうと思いこむのは大変危険な考え方です。まず自分が本気で変わろうとしなくては、変われません。交流分析では自発性、つまりやる気が全てのエネルギーになるのです。
変わらない、変わろうとしない人も中にはいます。残念だし、もったいないと毎回思います。

Dさんは中学の時にかなりひどいいじめに遭い不登校になりましたが、その後自分でいろいろ考えて行動して生き延びています。いじめに遭っても人生をあきらめず、見事に前向きに生きていました。これは生きのびる力があるという事実です。その事実に気が付いたのです。自分には、力があったのだ。ということに。

再決断とはいったいなんだろうと思う方もいることと思います。交流分析の創始者エリック・バーンは3歳までに入ったしまった禁止令は外せないと初期の頃には言いました。いわゆる三つ子の魂百までと言われる由縁です。でも、エリック・バーンの元に交流分析を学びに来ていたロバート・メアリー、グールディング夫妻は
「それは違うのではないか。自分で入れたものは自分で外せるはずだ」と考えて、交流分析とゲシュタルトを合わせたものを作り出しました。それが、再決断療法です。
人は幼い頃に決めた生き方に人生を左右される。これが禁止令の力です。この禁止令を外していくのが再決断となります。どう外すのかというと、それはその時に立ち返り思い出すこと、自分がどう考えて感じていたかを思い出すこと、そしてその時に本当に言いたかったことは何か、ということを思い出すことなんですね。そんなことで外せるのか、と疑問に思われるでしょう。簡単に思えますが、傷ついたことを思い出すのは疲れたり、辛かったりするものです。Dさんには「離れるな」という禁止令が入っていました。入っていると言っても、自分で決めたものです。どういう時に決めるかというと、母親からいつも「お母さんがいなかったら、あなたは何もできないし、うまくいかない。」とか、「お母さんに相談していれば、すべてがうまくいく。」などのメッセージをたえず受け取っていると、母から離れたら不幸になるに違いない、私だけでは必ず失敗する、と自分に決め込んでいることを、禁止令が入っている、と言います。(禁止令に関しては別ページで説明します。)
後にエリック・バーンはこの禁止令は外すことができるという事実に「禁止令は外せる」と理論を変えたそうです。

再決断は必要な人だけが行えばよいことです。禁止令で困っていない人は再決断の必要はないのです。
リエゾンでも半々の割合です。

STEPとは、親教育プログラムの意味です。(Systematic Training for Effective Parenting)この創始者のアドラーは「勇気づけ」でも有名な人ですが、子育ての成功についてまとめました。それが、STEPです。STEPはアドラーの弟子のディンクメイヤーとマッケイによってまとめあげられました。
アドラーは子育てを親のまねをして多くの人が失敗しているといいました。何かを上達しようとするとき
その道のプロに付く、つまり先生に教わります。ところが、子育てだけは先生につくわけでもなく、大概は親のまねをしてしまう、それが子育てを失敗することになると言いました。子育ての成功とは、子どもが自分の人生に希望を持ち、他者に暴力的な行為をしない、貢献、協力関係を結べる、窮地に自分の足で立ち上がれる人になる、一人で抱え込まない、等を子育ての成功としました。STEPは、子どもがそういう大人になるには親がどういう対応で子どもに接するかを教えてくれています。STEPを学ぶと現在の子育てとかなり違う対応があったりするので、先生から教わる子育て対応というものを実感するでしょう。

子どもの時にどう感じていたかを思い出すことは、自分が本当はどうしたかったのかを実感することでもあります。それが、自分を大切に思う事でもあり、守る事にもつながっていくのです。その先に他者を大切にできることにたどり着くのです。
Dさんは自分の力を信じることができました。今後は自分を守る事が容易になっていくと思います。楽になれて本当に良かったなぁと思います。一人一人の力ってちゃんと存在している、そこに気が付くって本当に大切なんだと思うのです。
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妻からの投稿3

2015-06-06 00:41:50 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 (30代女性Cさん)

 リエゾンに通い始めたきっかけは、夫からの4度目の暴力の時でした。
結婚当初に2度、その後、6年間は何もなく過ごしてきましたが、
ある日、言い争いから3度目の暴力に発展し、その1年後に4度目の
暴力がありました。
10年間で4回。
回数が少ないから良いという話ではありませんが、
夫の場合、日常的に暴力を振るう訳では無かったために、
私もなんとなくやり過ごして来てしまいました。

この「やり過ごして」きた事がそもそもの問題だったのだと
思います。

暴力がある無いに係わらず、私達の結婚生活は上手く行っていたとは言えませんでした。
一見、仲の良い夫婦なのですが、
夫とは楽しい話しか出来ないのです。
夫には私ときちんと向き合わない、という問題がありました。

将来の事や子供を作るのかなど、夫婦としての会話が全くできず、
自分にとって都合が悪い話からは逃げ続ける人でした。
家で話を切り出すと、「いつも突然だ」と怒り、話でもしながら
外で食事をしようと出かけても、「今日は話したくない。
せっかく食事に来たのに」と不機嫌になり、面と向かって話ができないのなら、
と手紙を書いても返事が来たことはありませんでした。
また、暴力を振るったくせに可笑しいかもしれませんが、
むしろ夫は喧嘩を避けていました。
それが私にはストレスでした。
夫の本心が解からないからです。お互い、本音でぶつかり合う機会が
持てないのです。
暴力の問題よりも、むしろこちらの方が私にとっては解決したい
長年の問題でした。

「この人はいつになったら大人になれるんだろう。
いつになったら、ちゃんと夫婦になれるんだろう」
と、思い続けた10年でした。
いつしか私は夫に絶望し、諦め、離婚も常に考えるようになり、
自分自身の人生も否定的に考えるようになっていました。

そんな中で起きた4度目の暴力でした。
過去最大の暴力で、精神的にも、もうこれ以上やり過ごすことはできない
ところまできていました。

この時は別居を決めていたのですが、私自身で色々調べリエゾンちょうふにたどり着き、 更生プログラムを受ける条件で同居を継続することになったのですが、初めは夫本人は嫌々行っていましたし、グループワークや交流分析に懐疑的でした。 なかなか変化が見られないなか、私も、この先ずっと夫の様子見に時間とお金を
掛けてばかりいられないと、気持ちが焦ることもありました。
しかし、リエゾンに通い半年が過ぎ、交流分析の他に夫の個人面談で
再決断療法を行うようになった頃から、夫は変わってきました。

会での話も自分からするようになり、
以前より、会話らしい会話もできるようになってきたと思います。
感情的にならずに思っていることを伝える、
相手の話にもきちんと耳をかす、なにより、私とちゃんと話をしようと
いう姿勢が見えるようになってきました。
少しづつですが、本音で話していると思えるようにもなってきました。

そうは言っても、お互いまだ本音を言い合う練習段階で、
私も夫との会話の際に言葉を選んでいることもあり、正直、
暴力を受けたことがフラッシュバックすることもあります。
けれど、半年以上、一度も休まずに会に参加している夫の姿を見て、
私自身も変わらなくてはいけないし、被害者意識を捨て、
夫に歩み寄る気持ちを持たなくてはと思うようにもなってきました。
こう思えるようになってきたのも、私自身も個人面談を続け、再決断を行うなかで、 実家で受けたトラウマや汚染に気付き克服してきたことで、自分自身を取り戻して きたからだと思います。
きっかけは暴力という最悪な物でしたが、交流分析を学ぶ機会が得られ
本当に良かったと思います。
望んでいた、「良いことも悪いことも本音で言い合える関係」を
二人で目指せるようになったからです。

「変わりたい」と自分から思い行動すれば変われると思います。
夫は少し時間は掛りましたが、自分で「気づき」始めた頃から、
変化が現れました。

DVを受けていると聞くと、皆、一様に「別れるべき」、
「暴力は治らない」と言います。そう言われて諦めていた人達にも、
交流分析を学ぶ機会が得らる事を切に願います。



リエゾンからのコメント

 このご夫婦が来た時の第一印象が、「まあ、なんて仲の良い夫婦なんでしょう。」でした。
楽しそうに仲良く話す二人の様子から、暴力があるとはまるで感じられませんでした。
それは、Cさんが我慢して合わせてあげていたにすぎないことにすぐ気が付きました。

大事な話ができない、ちゃんと話そうとすると、逃げる、怒り出す、向き合おうとしない。
どのくらいの妻たちがこの悩みを抱えて過ごしているでしょう。
彼らはなぜ、向き合わないのか?それは、面倒くさいからです。彼らはこう思っています。
いいじゃない、このままでも。なんで波風立てるわけ?難しい話はいやだなぁ。
仕事から帰ってきて、疲れているんだよね。早く休ませてよ。
家族で出かけたときにそういう話はなしだよね。この日をつまらなくしたいの?
何にも起きなければ楽しい我が家だから。(とっくに事は起きているのですが気づいていません)

妻たちもため息をつきながら、ちゃんと向き合いたい、大事な話がしたい、と思う私はいけないのか?だんだんわからなくなっていくのです。周りに聞いても「夫婦なんてそんなもんだよ。」ととっくにあきらめた年配の方たちはそうアドバイスします。はたしてそうでしょうか?
交流分析の最終目標は、他者と親交親密な関係を持てることです。人生せっかく生まれてきたからには、あきらめやそんなものだが答えになってほしくないと私は思います。
リエゾンでは、少しずつ、親交親密な関係を持てる夫婦が増えてきました。
彼らは一様にこう言います。
「すごく楽になった。」そう、みんなは知らないのです。本音で話し合える関係を夫婦で持てるようになった時、今までのツッパリはなんだったのかと。何にエネルギーを使って、疲れていたのかと。本音の関係は大変楽なんだと。

ほとんどのご夫婦は交流分析で言うところの「心理ゲーム」の関係性で夫婦の形態を終えるでしょう。
どちらかが先に亡くなるか、若しくは別居、離婚などです。かなり心には恨みが貯まっている状態です。
Cさんも当初、いつ死んでも構わない。とまで言っていました。人生に希望が持てない、と。
もったいないなぁ、心理ゲームで終わってしまうのは、その先が、親交親密な関係性があるのに、と思います。
妻と向き合うことは面倒なことではありません。向き合わないから、ギャンギャン言うのです。
Cさん夫婦は話し合いを持てるようになりました。
彼はグループで時折、上を向いて涙をこらえている時が見受けられます。
感情を感じられるようになって、よかったなぁと思います。感じられるようになれば、Cさんの苦しかった長年の叫びも感じることができるでしょう。彼はもう逃げることはないでしょう。
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