DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

コラージュ講演の感想

2015-02-07 00:14:05 | 行事予定
コラージュ(描画心理療法)講演の感想(在籍中の男性から)

コラージュの作品を基に、自分の心理状態を分析して頂くときに違和感を持つことが度々あり、科学的な裏づけがあるのかと疑問を持っていました。
先日の桜井先生の講演のときに、当日作った作品の評価を伺いその疑問が解けました。

描画心理療法(コラージュ)の基は建築学で、世界各地の古代建築の分析から人類共通の空間配置の心理があると考え、それを統計的に纏めたのがスタートだそうです。
講演の中でも、出席者に質問の形式でそのことの説明がありました。
それは、時間の流れを横長の板の上で表現したら、どのようになるかの質問でした。
出席者のほとんどが、左下から右上に進むパターンを選択しました。その比率の高さに驚くと共に、自分の答えがそれと異なったことにも驚きました。

統計的に分析されたパターンからその人の状態を分析するのだから、他人と異なったパターンを選ぶ自分がそれを基に分析されれば違和感を持って当然と思いました。

参加者が作品を作り始めたので、それぞれの作品を比べて見てみて面白いと思いました。
たまたま同じ写真をパーツとして選んでも、切り取り方が異なったり、台紙に貼る位置が異なったりで印象が大きく異なりました。

先生の説明では、同じ人が一連の作品を作っていく中で、貼り方の変化などでその時の心理状態の変化が読み取れるとも言われました。
以前は、分析で心理などを断定されるのが嫌で、自分の好きなように作品を作るのが出来ませんでしたが、当日は気楽に自分の思った通りの作品を作れました。
他人とは大きく異なった奇怪な作品でしたが、自分が楽しめれば良いと思い造った作品でした。
その作品に対しコメントをいただきましたが、その内容は納得のいくものでした。


リエゾンからのコメント

コラージュ療法の櫻井真澄先生においでいただくのは、今回で2回目です。櫻井先生は、コラージュは分析してこそ役に立つとの視点から活動されています。
日本のコラージュ療法の多くは分析をしない傾向にあります。自由に作品を作って何だかスッキリした、という効果に重点においているものです。
しかし、分析を重点にしている場合、ただすっきりするだけでなく、自分の傾向を知ることを同時に学びます。
櫻井先生の言葉を借りるなら、
女性が風の強い日に髪の乱れが気になるが、もし鏡を見れないとずっと気になったままでいることになるが、
鏡をちょっとでも見ることができたら、自分の姿が確認できたら、その時点で落ち着くことができる、だから分析が必要なのだと。

これは、交流分析の自分を知る気づきにも似ていると思うのです。

自分てなんでこうなんだろう、どうしたらいいのだろうと、悩んでいたら答えが欲しくなります。
でも答えは自分の中にあり、それを知ることができるのは自分だけなのです。
交流分析は自分を知る手段を手に入れます。自分で自分がわかるようになっていくのです。

コラージュも、その時点の自分が作品に浮き彫りになります。

自分を知る方法は一つではなく、たくさんあるということです。答えの導き方は自分で選ぶことができるのです。

でもそこには必ず必要なものがあります。
自発性、つまりやる気です。自分から追い求めていかないといくら方法があったとしても
宝の持ち腐れ、いいえ、宝を知る事さえないのです。

自分を知るということは、ある意味傷つきます。
交流分析で、人間成長は傷ついて、気づいて、築くのだといいます。

自分を知る事、愕然とします。その中から、気づきが生まれます。でも聞きたくない、傷つきたくない人はこのハードルは超えられません。自分が被害者のままでいた方が楽なのです。

でも、真剣にどうしたらいいのかと追い求める人には、この気づきの過程は苦しいけれど楽しい、きついけど面白い、という不思議な状態になっていきます。
やっと水の中に放たれた泳ぎを知らない魚が、泳ぎを覚えていく過程のようなものといっていいでしょう。魚は空気の中で過ごしていたら本来苦しくて仕方がないものです。苦しいけれど慣れていて(交流分析でラケット感情といいます)、どうしたらこの状態から抜け出せるのかわからないし、苦しいのにこれ以上苦しくなりたくありません。ある時、水の中に答えがありそうだとわかったけれど、入ったことのない状態に身を置く怖さ、一歩踏み出せない、様々な気持ちが揺れ動きます。

でもすべては自発性、やる気が解決していきます。

最初はぎこちなく、水の中なのに、牛歩のように一歩一歩歩くかもしれません。少しずつ泳ぎ出したら、あら、こんなに楽に進むことができるのかと、実感するのです。
実感して、自己肯定感の高まりと共に人間関係が構築されていきます。気づきの次に来るのが
築きになります。

自分は何者なんだと答えをずっと傷ついても求め続けていくことが、成長と結びついているのです。
怖がらないで、一歩を踏み出してほしいと思います。


コメント
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