報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

対イラン制裁のまやかし

2006年09月02日 15時58分08秒 | ■時事・評論
IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、イランの核開発が平和目的であることは確認できない、とする報告書を出した。 これを受けて、安保理は対イラン制裁発動に動くだろう。ロシア、中国は制裁決議を否決する可能性が高いので、アメリカは日本をはじめ有志国を募り、対イラン独自制裁に動く模様だ。

イランの原子力開発問題は、世界をあげての茶番でしかない。これは「フセインの大量破壊兵器」と同じ茶番だ。このような茶番に、世界は多大な時間とエネルギーとカネを注ぎ込んでいる。だからこそ、茶番が現実性をおびるのだが。世界の首脳が、国連が、真剣に茶番を演じているのだから、それを疑う方がどうかしている。そして、茶番は現実そのものとなって歩きはじめる。

この茶番で得をするのはいったい誰だ。
すべては、アメリカ一国の利益につながっている。

レバノン爆撃で、市民を1000人以上も殺戮したイスラエルがいったい何発の核弾頭を持っているか。イスラエルは核弾頭の保有について、肯定はしていないが、否定もしていない。イスラエルは、NPT(核不拡散条約)に加盟していない。他にNPTに未加盟なのは核保有国であるインド、パキスタン。北朝鮮は2003年に脱退。以上四ヶ国だけだ。

イスラエルが核弾頭を約200発保有していることはほぼ公然の秘密となっている。イスラエルは、弾道ミサイル、巡航ミサイル、爆撃機、潜水艦発射ミサイルなど多用な方法で核弾頭を発射する能力を持っている。世界はそれでもかまわないのだろうか。

イランの原子力開発は他国と同様、当然の権利だ。イスラエルがすでに多用な核戦闘能力を有していることには口を閉ざし、イランの原子力開発には制裁を口にする国際社会は欺瞞に満ちている。対イラン制裁とは、アメリカの描いたアメリカのためのシナリオに沿って、世界が芝居を演じているにすぎない。したがって、茶番と表現する以外にない。

アメリカが阻止したいのは、イランの原子力開発ではない。アメリカはイランが核兵器を保有する気がないことは十分承知している。アメリカが阻止したいのは、イランが石油取引通貨をユーロに替えることだ。

アメリカがイラクを爆撃し、フセイン政権を打倒したのも、サダム・フセインが石油決済通貨をユーロに替えたからだ。それこそがイラク爆撃占領の真の理由だ。「大量破壊兵器」がでっちあげだったことは、いまや世界が知っている。「イラク民主化」など最初から興味もない。いまのイラクの最悪の状態を見れば明らかだ。

アメリカにとっての最大の敵とは、ドルに対する挑戦者だ。
ドルに対する挑戦者は何をしてでも排除する。
それがアメリカ繁栄の絶対条件だ。

メディアによるイラン関連報道に騙されてはいけない。




対イラン決議期限切れ IAEA事務局長が報告書
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200609010004.html
核発射可能な潜水艦購入 イスラエル、独から
http://www.usfl.com/Daily/News/06/08/0823_016.asp?id=50150
核保有国の核兵器状況
http://www.gensuikin.org/nw/nw_status.htm
石油のドル一極集中支配に反乱
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/tamura/20060530n195u000_30.html
イラン石油の「ユーロ建て」取引の動きを警戒する米国
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei051209.htm
アメリカvsイラン=ドルvsユーロ
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/abbd497f5acb5294a7cd3fb2bb75655d