報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

短信:アメリカの覇権に赤信号か

2006年09月24日 12時41分38秒 | ■時事・評論
ここ数日の気になるニュースを。
前々回、メディアの911報道の仕方から、ブッシュ政権の覇権に陰りが差しはじめているのではないかと書いたが、その傾向は強まっていると感じる。

ベネズエラのチャベス大統領とイランのアハマディネジャド大統領は、国連総会にて、例のごとくアメリカを痛烈に批判した。アメリカの敵No.1のこの二人ならこれは順当なところだ。とことんやってもらいたい。ちなみに、日本のメディアの報道は、チャベス大統領を笑い者にしようという意図が見え透ていた。

パキスタンのムシャラフ大統領は米CBSの番組で、2001年の同時テロの直後に、アーミテージ国務長官(当時)から「爆撃を覚悟しろ。石器時代に後戻りすることを覚悟しろ」と脅迫されたと暴露した。ブッシュ大統領との会見前にこのような発言をするというのは少し驚きだ。これまでムシャラフ大統領は、ほぼアメリカの言いなりに「対テロ戦争」に協力してきた。この暴露発言は、アメリカ政府との力関係が変わった事を表している。でなければ、このような発言は命取りになる。

それから興味深いのは、CNN設立者のテッド・ターナー氏が米国のイラク侵攻は「史上最もばかげた行為」と発言したことだ。また、イランの核開発についても「当然の権利」と言い切っている。同時テロ以後、CNNも相当な”愛国報道”を行っていたが、CNNの設立者がブッシュ政権の政策を真正面から批判するようになったということは、ブッシュ政権は間違いなく凋落しはじめているということだ。

ムシャラフ大統領とターナー氏の発言は、”風”が変わったことを物語っている。
日本の首脳はこの”風”が読めるだろうか。




ベネズエラ大統領、米大統領を「悪魔」と批判 国連演説http://www.cnn.co.jp/world/CNN200609210008.html
米高官がパキスタンを「脅迫」と 同時テロ直後
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200609220001.html
米大統領、新聞で初めて知ると 「パキスタン爆撃」威嚇
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200609230005.html
イラク侵攻、真珠湾並の「ばかげた行為」 ターナー氏
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200609210017.html