遅い遅い夏休みを取って会社を休んだのは良かったのですが連休終盤で風邪をひいて体調を崩してしまいました。雨の日に一日中外にいたのが良くなかったと思います。みなさんも体調にはお気をつけくださいませ。
さて、今回は七十年代總覽、看倉田のコーナーその三、73年の『盡殺絶』(カンジンサツゼツと呼んでます。ケータイだと1文字目が出ません。あしからず)を取り上げてみます。
倉田さんが陳星、上官霊鳳と共演した作品になりますが上官霊鳳とはこのブログであまり出てこなかったお名前。彼女との共演はこれが最初で倉田さん自身、共演を楽しみにしていたとか。
オープニングはネガ反転した絵をバックにしたありがちなもの。
コメディー作品ならアニメーションにもなるが、功夫片武侠片ではあまり動かない静止画が多用される。
普通に本編が始まってその映像にクレジットが入るものとか、大抵はその時ストップモーションになるがたまに停まらず見にくいヤツがあったりする。
なので現代劇など実写よりは絵をバックにしたものや変わったデザインのものが好きですね。書体はもちろん赤字で。
例えば壮大な音楽とともにはじまる「風、雨、雙流星」なんてかなり好きなオープニングでしたね。(まぁこれはオープニングが強烈過ぎましたかねぇ)
だから本編とマッチするのかどうか重要になってくるケースもあるかも知れないがこの映画の場合は結構地味である。全体に悪い影響を与えそうな地味さである。
片頭を本編にくっ付けて映画は完成となる。この部分を作る作業を片頭設計といい、これを仕事にする人もいた。台湾作品や邵氏旧作なんかを注意深く見ていると稀に記載されていることがある。いろんな映画からこれだけを集めたら立派な片頭集が出来上がりそうなものである。この映画の場合は個人だが専門の会社に委託して出来上がっているものなんかもあるようだ。
絵を見ているとちょっと映画はやっぱり芸術的なものだなと感じ、まるで学校の美術の授業のときのような気にさえなっていた。
今ならPCがあれば簡単に絵を描いたり、毛筆で書道まで出来てしまう。
私は絵がニガテで成績も悪かったが自画像を描かされたとき、周りはみんな上手に描いていたのに私のは最悪だった。絵より字体の方が上手いのか下手なのか分からないようなところがあるので(かと言って字がうまい訳でもないが(爆))字をさらっと書いてみようかな。それでひとつ書いてみたのがコレです。
過客。つまり旅人。広くは放浪人とか流れ者の意味もあるかな(?)。江湖放浪人でもOKか。単に旅人だとちょっと物足りない感じ。今風にはバガボンドでも通じるのだろうか。
何でもいいのですが、映画のタイトルを習字で書いてみる。うーん、きっと誰もやらないね。。。
さてさて(笑)、こんな感じで書道の練習をすると頭の中がクリアーされスッキリした気分になる。(おまけに失敗して何枚書いても紙クズは出ない)
”漢字”が好きでたまらない事も再認識させられる。題字は人気俳優が描いて話題になることもあるけど自分で書くのもいいもんですね。
そして本題へ。
この映画は南京が舞台ではなかろうか。タイトルからそんな気にさせられるのだが、邵氏から抜けたベテラン岳楓監督と作家のコンビで作った映画では倉田さんはどんな様子だったんでしょう。(岳楓はジミーさんの「英雄本色」にも関与していた模様だが…。)
その前に、何と台湾では『盡殺絶』というタイトルは使用出来なかったので全く意味不明の『強人』に変更されていたことが台湾の書籍などを調べていて分かった。(公開は香港より2ヶ月程遅い。)また視聴したのは残念ながらタイトルカットが無い物で北京語オンリー字幕なしという敷居の高いものだったのです。。
革命軍の楊傑(陳星)は軍閥が10万枚の金貨を護送することを知りその列車に飛び乗って奪おうとする。軍人に見つかって数人を倒した後、ある客室に入るとそこは目に小さな刀を刺された軍人の死体が隠された部屋だった。しかし不思議な事に金貨は見つからず楊傑は列車から飛び降りた。その後楊傑は仲間(高雄。林森名義)と再会する。
盗賊の施天風(馬驥)とその娘・丹鳳(上官霊鳳)は牛車を引いてある物を運んでいた。途中、軍の検問があったが弟子の張六(岑潜波)を病気に見せかけて牛車に寝かせ何とか通過した。日が暮れて寝る場所を見つけた一行はそこに木箱を隠した。彼等が運んでいたのは金貨が詰まった木箱だった。
翌日、張六は1枚だけこっそり金貨を盗んでポケットに入れるがポケットの底に穴が・・。町で将校(山茅)に見つかって叩きのめされるが楊傑が現れて助けられる。張六を助けた楊傑は張六に小刀を見せ問い詰めた。
盗賊から足を洗おうと天風らは金貨を普通に使える貨幣に両替する為、町の両替商と会う。
ここの主人・鄭勇(倉田保昭)は何と破門された男だったのだ。偶然の出来事だったが鄭勇は天風を怒らせ乱闘に。不運にも天風は殺されてしまい、丹鳳は一人逃げ延びる・・。
丹鳳は軍閥のスパイ(劉大偉。顔を見ると分かるがこれは劉大川の別名義だと思う。)と合流。金貨を差し出し楊傑に革命の資金に使って欲しいと言う。軍人に扮装した楊傑らは再度鄭勇の居場所へ向かい復讐を果たす。(このシーンで陳星に猛烈な蹴りをするのは画像では分かりづらいがB・リャンではないかと思う。)
一方、楊傑は捕まってしまい拷問に掛けられる。その後、丹鳳は金貨を渡す代わりに楊傑釈放を迫るが、裏切る人物がいた・・。
倉田さんは両替商役で金持ちの様相で登場。凄腕の両替商!ウォー、カッコイイ!!!
もちろんVS陳星もあります。陳星が帽子をブン投げ、クッソーと怒り爆発、本気で向かって来るところとかグッっと来てしまいます。いつもの様に倉田さんの蹴りにはシビれました。ここが勿論見せ場です。(陳星VS倉田では最初に『餓虎狂龍』があるが、これはいつ見れるのかなぁ。)
上官霊鳳とのアクション場面は楽しみにしていた割には残念なことに気合いが感じられなくなってしまいますが、気のせいかな。どこにその要因が隠されていたのかなと考えてみると上官という女優を前にした結果だったからに他ならない気がする。(倉田さん、そんなに怖い存在だったんですか?)
彼女についてこんな話がありました。この映画でのクレジットの記名順序が陳星より下だった事に腹を立て、もう陳星とは共演しないと癇癪を起こしたというエピソードがありました。(実際『黒豹』では燕南希と交代したそうです)やっぱり彼女は気が強かったんですね。(おー怖い怖い)
確かに陳星は当時ファーストフィルムと2年契約してましたがその後共演はなかった模様でした。これでは多少やりづらかった面もあったのではないかと思いました。
「もう何するのよ~」ってカンジ。
また、この映画では”入城”という言葉が使われています。入城ってあまり使わないのですが、何のことでしょうね?テーマが重苦しいのですが、第一影業の作品として純粋に楽しむことを重点に置いていますのでこれ以上の解説は省いておきます。
ちなみに陳星が演じた楊傑は実在の人物(日本に留学したこともあるらしい。)で、ブラックリスト(=黒名単)に載ったことがあるとかないとか・・・。終
さて、今回は七十年代總覽、看倉田のコーナーその三、73年の『盡殺絶』(カンジンサツゼツと呼んでます。ケータイだと1文字目が出ません。あしからず)を取り上げてみます。
倉田さんが陳星、上官霊鳳と共演した作品になりますが上官霊鳳とはこのブログであまり出てこなかったお名前。彼女との共演はこれが最初で倉田さん自身、共演を楽しみにしていたとか。
オープニングはネガ反転した絵をバックにしたありがちなもの。
コメディー作品ならアニメーションにもなるが、功夫片武侠片ではあまり動かない静止画が多用される。
普通に本編が始まってその映像にクレジットが入るものとか、大抵はその時ストップモーションになるがたまに停まらず見にくいヤツがあったりする。
なので現代劇など実写よりは絵をバックにしたものや変わったデザインのものが好きですね。書体はもちろん赤字で。
例えば壮大な音楽とともにはじまる「風、雨、雙流星」なんてかなり好きなオープニングでしたね。(まぁこれはオープニングが強烈過ぎましたかねぇ)
だから本編とマッチするのかどうか重要になってくるケースもあるかも知れないがこの映画の場合は結構地味である。全体に悪い影響を与えそうな地味さである。
片頭を本編にくっ付けて映画は完成となる。この部分を作る作業を片頭設計といい、これを仕事にする人もいた。台湾作品や邵氏旧作なんかを注意深く見ていると稀に記載されていることがある。いろんな映画からこれだけを集めたら立派な片頭集が出来上がりそうなものである。この映画の場合は個人だが専門の会社に委託して出来上がっているものなんかもあるようだ。
絵を見ているとちょっと映画はやっぱり芸術的なものだなと感じ、まるで学校の美術の授業のときのような気にさえなっていた。
今ならPCがあれば簡単に絵を描いたり、毛筆で書道まで出来てしまう。
私は絵がニガテで成績も悪かったが自画像を描かされたとき、周りはみんな上手に描いていたのに私のは最悪だった。絵より字体の方が上手いのか下手なのか分からないようなところがあるので(かと言って字がうまい訳でもないが(爆))字をさらっと書いてみようかな。それでひとつ書いてみたのがコレです。
過客。つまり旅人。広くは放浪人とか流れ者の意味もあるかな(?)。江湖放浪人でもOKか。単に旅人だとちょっと物足りない感じ。今風にはバガボンドでも通じるのだろうか。
何でもいいのですが、映画のタイトルを習字で書いてみる。うーん、きっと誰もやらないね。。。
さてさて(笑)、こんな感じで書道の練習をすると頭の中がクリアーされスッキリした気分になる。(おまけに失敗して何枚書いても紙クズは出ない)
”漢字”が好きでたまらない事も再認識させられる。題字は人気俳優が描いて話題になることもあるけど自分で書くのもいいもんですね。
そして本題へ。
この映画は南京が舞台ではなかろうか。タイトルからそんな気にさせられるのだが、邵氏から抜けたベテラン岳楓監督と作家のコンビで作った映画では倉田さんはどんな様子だったんでしょう。(岳楓はジミーさんの「英雄本色」にも関与していた模様だが…。)
その前に、何と台湾では『盡殺絶』というタイトルは使用出来なかったので全く意味不明の『強人』に変更されていたことが台湾の書籍などを調べていて分かった。(公開は香港より2ヶ月程遅い。)また視聴したのは残念ながらタイトルカットが無い物で北京語オンリー字幕なしという敷居の高いものだったのです。。
革命軍の楊傑(陳星)は軍閥が10万枚の金貨を護送することを知りその列車に飛び乗って奪おうとする。軍人に見つかって数人を倒した後、ある客室に入るとそこは目に小さな刀を刺された軍人の死体が隠された部屋だった。しかし不思議な事に金貨は見つからず楊傑は列車から飛び降りた。その後楊傑は仲間(高雄。林森名義)と再会する。
盗賊の施天風(馬驥)とその娘・丹鳳(上官霊鳳)は牛車を引いてある物を運んでいた。途中、軍の検問があったが弟子の張六(岑潜波)を病気に見せかけて牛車に寝かせ何とか通過した。日が暮れて寝る場所を見つけた一行はそこに木箱を隠した。彼等が運んでいたのは金貨が詰まった木箱だった。
翌日、張六は1枚だけこっそり金貨を盗んでポケットに入れるがポケットの底に穴が・・。町で将校(山茅)に見つかって叩きのめされるが楊傑が現れて助けられる。張六を助けた楊傑は張六に小刀を見せ問い詰めた。
盗賊から足を洗おうと天風らは金貨を普通に使える貨幣に両替する為、町の両替商と会う。
ここの主人・鄭勇(倉田保昭)は何と破門された男だったのだ。偶然の出来事だったが鄭勇は天風を怒らせ乱闘に。不運にも天風は殺されてしまい、丹鳳は一人逃げ延びる・・。
丹鳳は軍閥のスパイ(劉大偉。顔を見ると分かるがこれは劉大川の別名義だと思う。)と合流。金貨を差し出し楊傑に革命の資金に使って欲しいと言う。軍人に扮装した楊傑らは再度鄭勇の居場所へ向かい復讐を果たす。(このシーンで陳星に猛烈な蹴りをするのは画像では分かりづらいがB・リャンではないかと思う。)
一方、楊傑は捕まってしまい拷問に掛けられる。その後、丹鳳は金貨を渡す代わりに楊傑釈放を迫るが、裏切る人物がいた・・。
倉田さんは両替商役で金持ちの様相で登場。凄腕の両替商!ウォー、カッコイイ!!!
もちろんVS陳星もあります。陳星が帽子をブン投げ、クッソーと怒り爆発、本気で向かって来るところとかグッっと来てしまいます。いつもの様に倉田さんの蹴りにはシビれました。ここが勿論見せ場です。(陳星VS倉田では最初に『餓虎狂龍』があるが、これはいつ見れるのかなぁ。)
上官霊鳳とのアクション場面は楽しみにしていた割には残念なことに気合いが感じられなくなってしまいますが、気のせいかな。どこにその要因が隠されていたのかなと考えてみると上官という女優を前にした結果だったからに他ならない気がする。(倉田さん、そんなに怖い存在だったんですか?)
彼女についてこんな話がありました。この映画でのクレジットの記名順序が陳星より下だった事に腹を立て、もう陳星とは共演しないと癇癪を起こしたというエピソードがありました。(実際『黒豹』では燕南希と交代したそうです)やっぱり彼女は気が強かったんですね。(おー怖い怖い)
確かに陳星は当時ファーストフィルムと2年契約してましたがその後共演はなかった模様でした。これでは多少やりづらかった面もあったのではないかと思いました。
「もう何するのよ~」ってカンジ。
また、この映画では”入城”という言葉が使われています。入城ってあまり使わないのですが、何のことでしょうね?テーマが重苦しいのですが、第一影業の作品として純粋に楽しむことを重点に置いていますのでこれ以上の解説は省いておきます。
ちなみに陳星が演じた楊傑は実在の人物(日本に留学したこともあるらしい。)で、ブラックリスト(=黒名単)に載ったことがあるとかないとか・・・。終
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